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【海外発!Breaking News】相次ぐ万引きに苦悩する店主 犯人をネットに晒すアイディアが効果抜群(英)<動画あり>

TechinsightJapan 2024年1月21日 17時35分

英バーミンガムにある食料品店ではここ数年、多数の万引きが発生していた。警察に訴えてみたものの対策はしてくれず、自身でどうにかできないかと考えた店主は、店内に設置していた防犯カメラの映像を利用することにした。犯行の瞬間を捉えた映像をInstagramやTikTokなどで公開すると、万引きが減っただけではなく、犯人が謝罪しに店に戻ってくることもあったという。目を見張るほどの効果が出た対策の詳細を、英ニュースメディア『Birmingham Live』などが伝えている。

今回注目を集めているのは、英ウェスト・ミッドランズ州バーミンガム市ウィンソン・グリーンにあるジャマイカ食料品店「Mr Khan’s」だ。35年も続くこの店を父親と一緒に経営するダニー・カーンさん(Danny Khan、34)はここ数年、後を絶たない万引き被害に苦悩していた。

公式の犯罪統計によると、生活費の高騰が影響し、ウェスト・ミッドランズ州における食品の盗難件数は2倍に増加している。ウェスト・ミッドランズ警察の記録では、盗難商品は2022年に1572点だったものが、2023年には3138点に上ったという。

「万引きは何年も前から問題になっていますが、最近はかなり悪化してきています。厳しい時代であることは理解していますので、チャリティやフードバンクに寄付をしています。お客さんたちは家族のようなものなので、大変な状況であることを教えてくれれば、私たちは手を差し伸べます。しかし、万引きする人が増えてきて、もううんざりしているんです」とダニーさんは現状を説明した。

ダニーさんの店では、多い時で週に9件もの万引き被害に遭っていると言い、その度に警察に通報した。しかし警察官が来てくれたことは一度もなく、自分たちで対策を講じるしかなかった。ダニーさんは店内に42台もの監視カメラを設置し、移動は一方通行にするなど様々な万引き防止対策を行った。

そしてこれらに加え、もともとInstagramやTikTokで定期的に商品を紹介していたこともあり、万引きの瞬間を捉えた映像を投稿して公開することにした。約1年前から動画の公開を始め、これまでに20人ほどの万引き犯をSNS上で公開してきたダニーさんは、「抑止力になると思って動画を投稿し始めました。再生回数は日に日に増えていき、いくつかの動画は再生回数が数百万回にもなっています」と話す。

投稿された動画の1つには、買い物かごの中に多数のバナナを入れた女性が映っている。女性は自身のカート型のバッグを手に店内の端へ移動すると、買い物かごに入っていたバナナを次々と自身のバッグの中に移し入れた。他の客が通ると手を止め、かごの中を整理しているような素振りを見せている。周囲をうかがいながらも少しずつバナナをバッグに移していき、最終的に10本以上あったバナナをすべてバッグの中に入れてしまった。



万引きをしている女性の顔はハッキリと映っているため、これがSNS上に投稿されたことは大きな衝撃を人々に、そして何よりも犯人に与えたようだ。この策を講じた結果、見事に万引きの件数は減ったという。さらに、映像を見た犯人のうち4~5人が謝罪をしに店に戻って来たそうで、「犯人は謝罪をして、『動画を削除してほしい』と言っています。これだけ恥をかけば、二度と同じことはしないでしょうね」とダニーさんは満足げに話している。

ダニーさんは、「お客さんのほとんどは素晴らしい人たちで、『SNSに載りたくないからお金を払うよ』と冗談を言って一緒に笑っていますよ。しかし、万引きする人は麻薬依存者から身なりの良い人まで様々で、先日は老婦人が万引きをしていました。警察は無関心ですよ。万引きは軽犯罪なので、優先順位が高くないことは理解していますが、日に日に悪化しています。これだけの数が発生していれば軽犯罪とは呼べないですよ。向かいの薬局も同じ被害に遭っています」と訴えた。

ダニーさんの店があるダドリー通りでは、多くの店が万引き被害に悩まされているという。「私たちは商売を続けるため懸命に働いていますし、盗みは許されません。今、他の店主たちも同じ対策ができるように、この地域全体の専用ページを作ろうと話し合っています。うちの店で万引きができないと分かれば、近くの店で万引きが起こってしまいますからね。警察が動いてくれないので、自分たちで解決しようと試みています」と、ダニーさんは地域ぐるみで万引き対策に乗り出している。

こうした現状にウェスト・ミッドランズ警察は、「万引きがあらゆる規模のビジネスに影響することは、十分に理解しています。万引きは生活に影響を与える犯罪です。私たちは万引き被害を減らすために全力を注いでおり、犯人を特定、逮捕するための活動とともに、小売店のあるエリアのパトロールを定期的に実施しています」とコメントしている。

なお、テックインサイト編集部ではダニーさんに、「犯行の様子をSNSに公開してからは万引き被害が減少したようだが、他にこの対策が店舗に与えた影響について」や「地域全体の万引き対策の取り組みは具体的にどこまで進んだのか」をうかがうべく取材を申し入れている。

ちなみに過去には、私有地の芝生を勝手に横切る人々にうんざりした家主が、スプリンクラーで独自の制裁を加え、その様子を捉えた動画が話題を呼んでいた。



画像は『Birmingham Live 2024年1月18日付「‘We got sick and tired of shoplifters - so we started shaming them on TikTok’」(Image: BirminghamLive)』『Mr Khans 2023年11月2日付TikTok「#fyp #mrkhans #dudleyroadbirmingham」』『Thomas Lyons 2021年9月23日付TikTok「#funny」』『New York Post 2022年1月27日付「Man steals huge 70-inch TV from Seattle store, released without bail by lenient judge」(Target surveillance video)』『Dana White 2020年1月11日付Facebook「This is Summer Tapasa-Sataraka.」』『The Sun 2019年8月7日付「SUPERMARKET SWEEP Bizarre moment two women are ‘caught using Muslim dress to try to steal baby formula in Asda’」(Credit: Facebook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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