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【海外発!Breaking News】極寒の屋外リンクで楽しそうにアイスダンスを踊る77歳カップル、心が温まる情景と話題に(ハンガリー)<動画あり>

TechinsightJapan 2024年1月21日 5時0分

東欧ハンガリーの首都ブダペストの市民は、寒さ厳しい冬のリクリエーションとしてスケートを楽しむ人も多い。このたび、あるTikTokユーザーが都心の屋外リンクでアイスダンスをしている高齢カップルを見かけ、その様子を動画に撮影して投稿したところ、「なんてキュートな2人なの!」とネットユーザーに注目され、2700万回以上の再生回数を記録した。ハンガリーの英語ニュースメディア『Hungary Today』や地元日刊紙『Metropol』などが報じている。

ブダペストの人々の憩いの場となっている市民公園「ヴァーロシュリゲット(Városliget)」の屋外スケートリンクが、2023年11月17日にリニューアルオープンした。北海道と同じくらいの緯度で冬は非常に寒く降雪が多いハンガリーでは、アイススケートは大人気のスポーツで、ヨーロッパ最大を誇るこのアイススケート場には、動画が撮影された昨年12月30日にも多くのスケート愛好者が集まっていた。

TikTokでアカウント名「@petralitovic」を名乗るペトラさん(Petra)は「今日、ブダペストで」と題して、混み合うアイスリンクの片隅で手を取り合って氷上を軽やかに滑る高齢カップルを撮影し、投稿した。

息の合ったステップやターン動作で足取り軽く踊る2人の姿から、多くのネットユーザーは、自分の理想的な老後の生き方や、これまでの高齢カップルの人生を想像しては、「これが私の望む愛のかたちよ」などと絶賛した。

この動画は、国際オリンピック委員会の公式Instagramでもシェアされるなど、世界中に拡散されて、瞬く間に人々の心を掴んでいった。

当然、「彼らの物語を知りたい!」という声も多くあがった。

ハンガリーの英語ニュースメディア『Hungary Today』によると、2人はパタイ・マーラさん(Patai Mara)とゴンボス・ラースローさん(Gombos László)で、ともに77歳。かれこれ10年間、ヴァーロシュリゲットの人工アイスリンクで踊っているそうだ。



身体と心を健康に保つために、ほぼ毎日ヴァーロシュリゲットに通い続けてきたと地元日刊紙『Metropol』の取材に語る2人だが、ネットユーザーの期待した物語とは異なり、実際には夫婦ではなく、あくまでもアイスダンスのペアであり、また真の友情を深め合った同士でもあった。

すでに地元ではよく知られている2人は、2023年2月14日にハンガリーの女性向けオンラインメディア『nlc』のインタビュー動画で、馴れ初めを語っている。

マーラさんは子供の頃からスケートをしていたという。父親がハンガリーのすべてのスケートリンクの冷却装置を設計した技師であったため、彼女は常に氷のそばで育ってきたが、足首の問題でやめざるを得なくなり、以来40年間スケート靴をフックに掛けたままだった。

しかしリタイア後、自分の情熱を取り戻すことを決心して、「ヴァーロシュリゲット・アイスダンス・サークル」に参加し、完全に夢中になった。

一方でラースローさんは10歳の時、アイススケートにハマったそうだ。アイスリンクの管理人の仕事に就いたいとこを手伝う代わりに、スケートをさせてもらったという。しかし彼も、30歳で自分の将来を築き始めた時にスケート靴を置くことにした。

ラースローさんは、「妻を亡くした悲しみを氷の上で忘れようと、再びスケート靴を手に取りました。その時から、マーラと私は踊り始めました。ワルツが私たちを結び付け、そして私はマーラの手を離すことができないと感じました」と振り返る。

似たようなスケートの経歴と死別を互いに乗り越えて、アイスダンスを踊ることに生きがいを見出した2人には、スケートそしてダンスは“本物の薬”となっている。

普段はお互いに不平不満を言いあったりもするが、スケートをしているときは、まるで20歳のような気分になり生き生きとするそうだ。



さらにマーラさんは、「ラースローはがんと闘い、すでに数回の手術を受けているため、アイススケートは文字通り治療法なんですよ」と『nlc』のインタビューで打ち明けており、ラースローさんもこのように語っている。

「自分が病気だと分かったのは、本格的にスケートを再開した時でした。私はできるかぎり氷の上に出続けることに人生を賭けてきました。精神的に癒されますから。」
「氷から降りた時にもらえる拍手や優しい言葉ほど素晴らしいものはないんです。」



そんな2人の純粋なスケート愛とダンスは、多くのSNSユーザーの心の琴線に触れ、以下のようなコメントが多数寄せられた。

「どうして私、泣いているのかしら?」
「心が温まるわ。私もいつかこんな風になりたい。」
「なぜか泣けてくる。とっても素敵。」
「2024年、地球上のすべての人々がこの平穏なひと時を享受していることを祈ります。」

セカンドライフに色どりを与えてくれるような、素晴らしいパートナーに巡り合えた人は、マーラさんとラースローさんだけではない。米ニュージャージー州では昨年、93歳の男性が64年前に出会った女性にやっとプロポーズし、晴れて結婚することになった。



画像は『petra 2023年12月30日付TikTok「today in budapest」』『Metropol 2024年1月3日付「Ilyen cukit még nem láttál: így korcsolyázik nap mint nap a Városligetben a 76 éves Mara és László」(Forrás: YouToube/László Gombos)』『nlc - Neked. Veled. Érted. 2023年2月14日付「Megtaláltuk a Városliget legcukibb idős párját! – Mara és László tíz éve egymást ölelve táncol a jégen」』『New York Post 8月21日付「Lifelong bachelor, 93, to wed woman he met at NJ wedding 64 years ago」(ABC7NY)』『Keiko Guest 2022年5月26日付TikTok「Yes I almost fell over.」』『Erika Rischko 2020年9月27日付Instagram「Time to squeeze in a short workout.」』『FOX 4 News 2017年9月11日付「Hometown Hero: Madame Suzelle Poole」』のスクリーンショット、『László Gombos 2023年12月30日公開 YouTube「Gombos László & Patai Mara Argentin Tangó」』のサムネイル
(TechinsightJapan編集部 秋本神奈)

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