イギリスの鳥類園で飼育されているペンギンは、幼い頃に白内障を発症した影響で視力が悪く、生活に支障が出ていた。そんな仲間に気付いた1羽のペンギンはガイド役となり、エサの方へ連れて行くなど一緒に行動するようになった。ガイド役となったペンギンにも不得意なことがあり、今では互いに欠点を補い合う最高のコンビになっているという。英国放送協会『BBC』などが伝えた。
英サリー州ファーナムにある鳥類園「BirdWorld」で飼育されているケープペンギン“スクイッド(Squid、3)”は、生後6週の頃に白内障を患ったことで視力が悪くなってしまった。エサの時間にはたくさんのペンギンが集まり、口ばしで突いて魚を食べるが、スクイッドはその口ばしが自分に当たってしまうことを恐れてエサの場所に近づけず、困惑していることも多かった。
そんなスクイッドを見て、手を差し伸べた仲間がいた。それが“ペンギン(Penguin)”だ。エサの時間になると、“ペンギン”は目が悪いスクイッドのそばに行き、エサのある場所へガイドするようになった。他にも飼育エリア内をガイドしながら移動し、2羽は一緒に過ごしているという。
同園のスタッフであるポリー・ブラムハムさん(Polly Bramham)は、「スクイッドと“ペンギン”の2羽は幼い頃から友情を築いており、エサの時間になると、スクイッドは“ペンギン”の後をついていくようになったんです。スクイッドと“ペンギン”の間に見られる本能的な行動は、驚くべきレベルの共感と理解を見せ、動物界で形成され得る深いつながりを示しています」と話す。
ペンギンのコミュニティでは、社会的な絆やお互いへの理解が重要だと言い、ポリーさんは「スクイッドは視力が悪かったが、自然な行動を取ることができれば乗り越えられる課題でした」と説明した。
“ペンギン”はこのことを分かっていたのか、スクイッドが仲間に溶け込むため、自然な行動を取れるようにガイドしていたのだ。
そんな思いやりのある行動を見せた“ペンギン”だが、実は苦労した過去があった。生まれたばかりの“ペンギン”は病気がちで弱っており、生き延びるのは難しいと思われたため、名前が付けられなかったという。どうにか持ち返して“ペンギン”という名前をもらったが、非常に憶病な性格だったこともあり、幼少期のほとんどを飼育員のそばで過ごした。
一方でスクイッドは、エサの時間に尻込みしていたものの、基本的には大胆な性格の持ち主だという。生まれてすぐに視力が悪くなったが、他のヒナと同様に活発で、仲間たちと一緒に成長していった。巣立ってからも集団で過ごしてペンギンとしての本質を学び、臆することなく過ごすようになったという。このように自信を持って行動するスクイッドは、臆病な“ペンギン”にとって頼れる存在になった。
臆病だが目の見える“ペンギン”と、自信はあるが目の悪いスクイッドは、それぞれの短所を補い合う最高のコンビとなった。
なお、ペンギンの白内障は手術により改善させることも可能だという。スクイッドは前かがみになって独自の方法で歩いたり、他の仲間が死角になる部分から近づいてくると驚いたりすることもあるが、現状では仲間として馴染んでいるために手術は考えていないそうだ。テックインサイト編集部では「BirdWorld」に、“スクイッド”と“ペンギン”の関係が他のペンギンにおいても変化をもたらしたのかをうかがうべく取材を申し入れている。
画像は『BBC 「Farnham penguin finds ‘guide bird’ in one of her friends」』『Good News Network 「Penguin Becomes ‘Guide Bird’ Companion For Zoo Pal Suffering with Cataracts: Waddle I do Without You?」(Photo released by Birdworld via SWNS)』『Bonnie Instagram「Stairs are tricky when you’re blind but I finally nailed these ones!」』『Metro 「Blind dog has seeing eye cat who meows to help keep him from stepping on her」(Picture: Robin Wagner / SWNS)』『Jake & Addie Instagram「We got that Friday feelin’! 」』『Charlie And Maverick Instagram「Hello there! Charlie and Maverick here. Just a couple of happy pups.」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)
英サリー州ファーナムにある鳥類園「BirdWorld」で飼育されているケープペンギン“スクイッド(Squid、3)”は、生後6週の頃に白内障を患ったことで視力が悪くなってしまった。エサの時間にはたくさんのペンギンが集まり、口ばしで突いて魚を食べるが、スクイッドはその口ばしが自分に当たってしまうことを恐れてエサの場所に近づけず、困惑していることも多かった。
そんなスクイッドを見て、手を差し伸べた仲間がいた。それが“ペンギン(Penguin)”だ。エサの時間になると、“ペンギン”は目が悪いスクイッドのそばに行き、エサのある場所へガイドするようになった。他にも飼育エリア内をガイドしながら移動し、2羽は一緒に過ごしているという。
同園のスタッフであるポリー・ブラムハムさん(Polly Bramham)は、「スクイッドと“ペンギン”の2羽は幼い頃から友情を築いており、エサの時間になると、スクイッドは“ペンギン”の後をついていくようになったんです。スクイッドと“ペンギン”の間に見られる本能的な行動は、驚くべきレベルの共感と理解を見せ、動物界で形成され得る深いつながりを示しています」と話す。
ペンギンのコミュニティでは、社会的な絆やお互いへの理解が重要だと言い、ポリーさんは「スクイッドは視力が悪かったが、自然な行動を取ることができれば乗り越えられる課題でした」と説明した。
“ペンギン”はこのことを分かっていたのか、スクイッドが仲間に溶け込むため、自然な行動を取れるようにガイドしていたのだ。
そんな思いやりのある行動を見せた“ペンギン”だが、実は苦労した過去があった。生まれたばかりの“ペンギン”は病気がちで弱っており、生き延びるのは難しいと思われたため、名前が付けられなかったという。どうにか持ち返して“ペンギン”という名前をもらったが、非常に憶病な性格だったこともあり、幼少期のほとんどを飼育員のそばで過ごした。
一方でスクイッドは、エサの時間に尻込みしていたものの、基本的には大胆な性格の持ち主だという。生まれてすぐに視力が悪くなったが、他のヒナと同様に活発で、仲間たちと一緒に成長していった。巣立ってからも集団で過ごしてペンギンとしての本質を学び、臆することなく過ごすようになったという。このように自信を持って行動するスクイッドは、臆病な“ペンギン”にとって頼れる存在になった。
臆病だが目の見える“ペンギン”と、自信はあるが目の悪いスクイッドは、それぞれの短所を補い合う最高のコンビとなった。
なお、ペンギンの白内障は手術により改善させることも可能だという。スクイッドは前かがみになって独自の方法で歩いたり、他の仲間が死角になる部分から近づいてくると驚いたりすることもあるが、現状では仲間として馴染んでいるために手術は考えていないそうだ。テックインサイト編集部では「BirdWorld」に、“スクイッド”と“ペンギン”の関係が他のペンギンにおいても変化をもたらしたのかをうかがうべく取材を申し入れている。
画像は『BBC 「Farnham penguin finds ‘guide bird’ in one of her friends」』『Good News Network 「Penguin Becomes ‘Guide Bird’ Companion For Zoo Pal Suffering with Cataracts: Waddle I do Without You?」(Photo released by Birdworld via SWNS)』『Bonnie Instagram「Stairs are tricky when you’re blind but I finally nailed these ones!」』『Metro 「Blind dog has seeing eye cat who meows to help keep him from stepping on her」(Picture: Robin Wagner / SWNS)』『Jake & Addie Instagram「We got that Friday feelin’! 」』『Charlie And Maverick Instagram「Hello there! Charlie and Maverick here. Just a couple of happy pups.」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)