1人暮らしの家賃が高すぎるため、代わりに飛行機で通学するカナダの学生が現れ、話題を呼んでいる。片道1時間のフライトで週2回、大学で対面授業を受けているこの学生は、「部屋を借りるより節約になるし、バスで通学するのと変わらない」と話している。カナダのニュースメディア『CTV News Vancouver』などが報じた。
飛行機通学で注目を集めているのは、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州バンクーバーにある、ブリティッシュコロンビア大学に通うティム・チェンさん(Tim Chen)だ。
ティムさんは、昨年9月から12月まで長い休みを利用して海外で過ごしていた。そして休みを終えて1月からの新学期を迎える前に、新しく部屋を借りるため物件を探し始めた。それまでティムさんは、バンクーバーで月1800カナダドル(約20万400円)のシェアハウスに住んでいた。トイレやシャワーは複数あったが、キッチンなどは他の4人と共有して生活していた。
しかしルームメイトが立てる騒音やWi-Fi接続の悪さ、キッチンの使用時間が他の人と被ってしまうなど、様々な問題が発生した。オーナーに相談しても解決しなかったため、今回はシェアハウスに住まないと決めていた。そこで1人暮らし用のワンルームを探していたのだが、バンクーバーはカナダ国内で最も家賃の高い都市であり、1か月の平均家賃が2100カナダドル(約23万3760円)と驚きの金額に直面した。
予想外の高額な家賃に頭を悩ませたティムさんは、実家のあるアルバータ州カルガリーから大学のあるバンクーバーまでのフライト料金を調べてみることにした。カナダ最大の航空会社「エア・カナダ(Air Canada)」を利用すると、その料金は往復で150カナダドル(約1万6700円)だった。同大学で最終学年を過ごすティムさんは今年5月に卒業予定で、今学期は週2日の対面授業を受ける必要がある。つまり大学に行くのは週2日のみなので、飛行機代の合計は1か月あたり約1200カナダドル(約13万3600円)となり、家賃を支払うよりも大幅な節約となる。
このアイディアを思い付いたティムさんは、「『カルガリーで生活して、バンクーバーに飛行機で飛べばいいじゃないか。1時間くらいのフライトだし、バスに乗って通うのと変わらないな』と思ったんです」と話す。
こうして、ティムさんは飛行機で通学し始めた。一日の授業は合計約3時間で、ティムさんは授業を終えるとバスで空港へ向かい、1時間のフライトで実家に帰る。
フライトは1時間ほどだが、飛行機に乗るには国内線であっても保安検査などを受けなければならない。時間に余裕を持って空港に到着しておくのが一般的であるため、「搭乗時間までの時間などを含めると、時間がかかり過ぎるのでは?」という疑問も浮かぶ。その点に関してティムさんは、カナダ及びアメリカ市民権や永住権を持つ人が取得できる「NEXUSカード」を所持していることで解決しているという。このカードは、カナダ国境サービス庁と米国税関国境警備局が管理する共同プログラム「NEXUS」が発行するカードで、カナダ―アメリカ間の低リスクの渡航者の国境通過を迅速化する目的で設計されたそうだ。このカードを持つ人は保安検査の際に専用レーンを通過することができるため、数分で検査を終えるという。
そのため、ティムさんは普段から搭乗時刻の10分前に空港に到着しているが、それでも問題なく間に合っているそうだ。荷物はノートパソコンなど機内持ち込みのものだけなので、カウンターで荷物を預ける時間もなく、カルガリー空港での滞在時間は20分にも満たない。また、飛行機の遅延も心配になるが、先月から始まった飛行機通学では一度も遅れたことがないという。
ティムさんの飛行機通学は、多くのメディアに報じられて反響を呼んでおり、「良いアイディアだと思う」「たしかに、家賃に加えて光熱費とか生活費も考えると、実家に住んだ方が節約になるね」と納得する声のほか、「安く借りられる部屋はあると思うけど?」「大事なテストの時の遅延やキャンセルを考えたら怖い」といったコメントもあがっている。
画像は『CTV News Vancouver 「UBC student commutes from Calgary -- cheaper than paying Vancouver rent」』『KESQ 「Man who walks 17 miles for work surprised with new bicycle」』『Tank’s Good News 「Janitor Drops To His Knees After Learning His Coworkers Raised $10K To Buy Him A Car So He Didn’t Have To Walk Miles To Work」(via WREG News Channel 3)』『ABC News 「Man’s jet ski commute to avoid New York City traffic is genius」』『Frühstücksfernsehen YouTube「PENDELN durch die ISAR | SAT.1 Frühstücksfernsehen | TV」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)
飛行機通学で注目を集めているのは、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州バンクーバーにある、ブリティッシュコロンビア大学に通うティム・チェンさん(Tim Chen)だ。
ティムさんは、昨年9月から12月まで長い休みを利用して海外で過ごしていた。そして休みを終えて1月からの新学期を迎える前に、新しく部屋を借りるため物件を探し始めた。それまでティムさんは、バンクーバーで月1800カナダドル(約20万400円)のシェアハウスに住んでいた。トイレやシャワーは複数あったが、キッチンなどは他の4人と共有して生活していた。
しかしルームメイトが立てる騒音やWi-Fi接続の悪さ、キッチンの使用時間が他の人と被ってしまうなど、様々な問題が発生した。オーナーに相談しても解決しなかったため、今回はシェアハウスに住まないと決めていた。そこで1人暮らし用のワンルームを探していたのだが、バンクーバーはカナダ国内で最も家賃の高い都市であり、1か月の平均家賃が2100カナダドル(約23万3760円)と驚きの金額に直面した。
予想外の高額な家賃に頭を悩ませたティムさんは、実家のあるアルバータ州カルガリーから大学のあるバンクーバーまでのフライト料金を調べてみることにした。カナダ最大の航空会社「エア・カナダ(Air Canada)」を利用すると、その料金は往復で150カナダドル(約1万6700円)だった。同大学で最終学年を過ごすティムさんは今年5月に卒業予定で、今学期は週2日の対面授業を受ける必要がある。つまり大学に行くのは週2日のみなので、飛行機代の合計は1か月あたり約1200カナダドル(約13万3600円)となり、家賃を支払うよりも大幅な節約となる。
このアイディアを思い付いたティムさんは、「『カルガリーで生活して、バンクーバーに飛行機で飛べばいいじゃないか。1時間くらいのフライトだし、バスに乗って通うのと変わらないな』と思ったんです」と話す。
こうして、ティムさんは飛行機で通学し始めた。一日の授業は合計約3時間で、ティムさんは授業を終えるとバスで空港へ向かい、1時間のフライトで実家に帰る。
フライトは1時間ほどだが、飛行機に乗るには国内線であっても保安検査などを受けなければならない。時間に余裕を持って空港に到着しておくのが一般的であるため、「搭乗時間までの時間などを含めると、時間がかかり過ぎるのでは?」という疑問も浮かぶ。その点に関してティムさんは、カナダ及びアメリカ市民権や永住権を持つ人が取得できる「NEXUSカード」を所持していることで解決しているという。このカードは、カナダ国境サービス庁と米国税関国境警備局が管理する共同プログラム「NEXUS」が発行するカードで、カナダ―アメリカ間の低リスクの渡航者の国境通過を迅速化する目的で設計されたそうだ。このカードを持つ人は保安検査の際に専用レーンを通過することができるため、数分で検査を終えるという。
そのため、ティムさんは普段から搭乗時刻の10分前に空港に到着しているが、それでも問題なく間に合っているそうだ。荷物はノートパソコンなど機内持ち込みのものだけなので、カウンターで荷物を預ける時間もなく、カルガリー空港での滞在時間は20分にも満たない。また、飛行機の遅延も心配になるが、先月から始まった飛行機通学では一度も遅れたことがないという。
ティムさんの飛行機通学は、多くのメディアに報じられて反響を呼んでおり、「良いアイディアだと思う」「たしかに、家賃に加えて光熱費とか生活費も考えると、実家に住んだ方が節約になるね」と納得する声のほか、「安く借りられる部屋はあると思うけど?」「大事なテストの時の遅延やキャンセルを考えたら怖い」といったコメントもあがっている。
画像は『CTV News Vancouver 「UBC student commutes from Calgary -- cheaper than paying Vancouver rent」』『KESQ 「Man who walks 17 miles for work surprised with new bicycle」』『Tank’s Good News 「Janitor Drops To His Knees After Learning His Coworkers Raised $10K To Buy Him A Car So He Didn’t Have To Walk Miles To Work」(via WREG News Channel 3)』『ABC News 「Man’s jet ski commute to avoid New York City traffic is genius」』『Frühstücksfernsehen YouTube「PENDELN durch die ISAR | SAT.1 Frühstücksfernsehen | TV」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)