ブラジル在住の美容師の男性は2022年12月、火傷で髪を失った9歳男児に人工毛ウィッグを装着する施術を行った。子供への施術は初めてだったという男性はその後、男児の笑顔に心を動かされ、「同じような境遇の子はもっとたくさんいるに違いない。トラウマを抱えた子に笑顔を届けたい」と無償サービスを開始。SNSに投稿された動画が大きな感動を呼んでいる。ネットメディア『Bright Side』などが伝えた。
サンパウロ州サン・ジョゼ・ドス・カンポスで美容院を経営するフランシスコ・エマニュエル・バティスタさん(Francisco Emanuel Batista、30)は、薄毛や脱毛に悩む成人男性を中心に、人工毛ウィッグを装着する施術を5年超で3000件以上行ってきた。ウィッグは中国からの輸入品で、極薄シリコンに人工毛を埋め込んだものを両面テープで頭皮に装着するタイプという。
2022年12月のこと、それまで子供の受け入れはしてこなかったフランシスコさんは初めて、2歳半の時の火傷で毛髪のほとんどを失ったというジョアン君(João、9)の施術を行い、その後の人生が変わる貴重な経験をした。
ジョアン君はサンパウロ州タボン・ダ・セーハの自宅でろうそくが原因の火事に遭い、昏睡状態に陥った後、18回もの手術を受けて命を救われた。また火事で女きょうだい2人を亡くしており、事故から約7年経つも火傷痕が残り、髪が生えずに自信を失う息子を心配し、母親がフランシスコさんに助けを求めたのだった。
そんなジョアン君について、フランシスコさんは「髪がほとんどない彼に人工毛のウィッグを装着するのはかなりの挑戦だった。でも、とてもナチュラルに仕上げることができて、彼は心から喜んでいたんだよ」と語る。残念なことにジョアン君はその後、皮膚に炎症を起こしてウィッグの装着を断念したが、フランシスコさんが施術のビフォーアフター動画をSNSに投稿したところ、感動の声が多数寄せられたという。
また同じような悩みを持つ母親から、「うちの子にも施術して欲しい」というリクエストが多数舞い込み、フランシスコさんは「ジョアン・タボン(João Taboão')」というプロジェクトを立ち上げ、火事や事故、先天性脱毛症などで悩む子供たちに無償で施術を提供することにしたのだった。
こうして昨年5月、フランシスコさんはクラウドファンディングサイトに専用ページを立ち上げて寄付を募り、1か月に約3人の子供たちを美容院に招いてきた。飛行機代なども全て捻出しており、昨年11月末の時点で23人の子供たちが施術を受けたそうだ。
なお人工毛のウィッグは、15日ごとに外してきれいに洗い、テープを替える必要があり、遠方の場合は自宅でメンテナンスができるよう、チュートリアル動画やキットも提供しているという。ビジネスは順調で、フランシスコさんは現在、成人のみを対応する4人のスタッフを含む6人体制で美容院を運営している。
フランシスコさんのTikTokやInstagramには、これまで施術した子供たちの笑顔が多数並んでおり、昨年4月に約3000キロ離れたペルナンブコ州から両親と4時間かけてやってきたロレンゾ君(Lorenzo、2)もその一人だ。ロレンゾ君は生後3か月の時の火事で3本の左手指を失い、顔や頭の形成手術に耐えてきたそうで、母親は「一生髪が生えない」と言われた息子の笑顔を見て、「あれは魔法がかかった瞬間だった」と語っていたという。
さらに1月17日、TikTokに投稿されたジュリオ・シーザー君(Julio Cesar)の動画は、これまでの再生回数が7790万回を超えており、人々は「なんて美しいのだろう」「泣けた」「素敵だよ」「自信を取り戻した時の笑顔が最高」といったコメントを残している。
フランシスコさんは、「このプロジェクトでやりがいを感じるのは、人工毛を付けた時の子供たちの喜びを目の当たりにした時さ」と述べており、子供たちの笑顔だけでなく、両親の感傷的な反応にもグッとくるそうだ。そしてこれまでで最も印象に残ったのは、ピットブルに襲われたジョアン君(João)という男の子だそうで、「美容院を踊りながら後にしたよ」と明かしていた。
ちなみにフランシスコさんは自身も人工毛を使っているそうで、施術前にはウィッグを少しめくって子供たちを和ませる優しい一面も見せており、テックインサイト編集部からは「これからもより多くの子供たちに笑顔を届けて欲しい」とメッセージを送っている。
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画像は『Francisco Oliveira| Protese Capilar Instagram「O Julio Cesar está de volta」「@projeto_joao_taboao mais uma criança foi ajudada com nosso Projeto!」「Quantas curtidas o Ivan merece ?」』『Bright Side 「A Hairdresser Gives Free Hairpieces to Kids Who Lost Their Hair to Accident or Disease」((C)franciscoprotesecapilar / snaprotesecapilar / Instagram)((C)franciscoprotesecapilar / projeto_joao_taboao / Instagram)』『ICONIC FCKIN HAIR / SALON & EDUCATION Instagram「This is why I love what I do!」』『Yahoo Life 「Little Girl Opens Her Birthday Gift And It’s A Wig Made From Her Mom’s Hair」(Photo: TikTok / @philmyers08)』『Novo Cabelo 2Instagram「Hair Replacement System Transformation」』『Joshua Santiago TikTok「You never know what someone is going through」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
サンパウロ州サン・ジョゼ・ドス・カンポスで美容院を経営するフランシスコ・エマニュエル・バティスタさん(Francisco Emanuel Batista、30)は、薄毛や脱毛に悩む成人男性を中心に、人工毛ウィッグを装着する施術を5年超で3000件以上行ってきた。ウィッグは中国からの輸入品で、極薄シリコンに人工毛を埋め込んだものを両面テープで頭皮に装着するタイプという。
2022年12月のこと、それまで子供の受け入れはしてこなかったフランシスコさんは初めて、2歳半の時の火傷で毛髪のほとんどを失ったというジョアン君(João、9)の施術を行い、その後の人生が変わる貴重な経験をした。
ジョアン君はサンパウロ州タボン・ダ・セーハの自宅でろうそくが原因の火事に遭い、昏睡状態に陥った後、18回もの手術を受けて命を救われた。また火事で女きょうだい2人を亡くしており、事故から約7年経つも火傷痕が残り、髪が生えずに自信を失う息子を心配し、母親がフランシスコさんに助けを求めたのだった。
そんなジョアン君について、フランシスコさんは「髪がほとんどない彼に人工毛のウィッグを装着するのはかなりの挑戦だった。でも、とてもナチュラルに仕上げることができて、彼は心から喜んでいたんだよ」と語る。残念なことにジョアン君はその後、皮膚に炎症を起こしてウィッグの装着を断念したが、フランシスコさんが施術のビフォーアフター動画をSNSに投稿したところ、感動の声が多数寄せられたという。
また同じような悩みを持つ母親から、「うちの子にも施術して欲しい」というリクエストが多数舞い込み、フランシスコさんは「ジョアン・タボン(João Taboão')」というプロジェクトを立ち上げ、火事や事故、先天性脱毛症などで悩む子供たちに無償で施術を提供することにしたのだった。
こうして昨年5月、フランシスコさんはクラウドファンディングサイトに専用ページを立ち上げて寄付を募り、1か月に約3人の子供たちを美容院に招いてきた。飛行機代なども全て捻出しており、昨年11月末の時点で23人の子供たちが施術を受けたそうだ。
なお人工毛のウィッグは、15日ごとに外してきれいに洗い、テープを替える必要があり、遠方の場合は自宅でメンテナンスができるよう、チュートリアル動画やキットも提供しているという。ビジネスは順調で、フランシスコさんは現在、成人のみを対応する4人のスタッフを含む6人体制で美容院を運営している。
フランシスコさんのTikTokやInstagramには、これまで施術した子供たちの笑顔が多数並んでおり、昨年4月に約3000キロ離れたペルナンブコ州から両親と4時間かけてやってきたロレンゾ君(Lorenzo、2)もその一人だ。ロレンゾ君は生後3か月の時の火事で3本の左手指を失い、顔や頭の形成手術に耐えてきたそうで、母親は「一生髪が生えない」と言われた息子の笑顔を見て、「あれは魔法がかかった瞬間だった」と語っていたという。
さらに1月17日、TikTokに投稿されたジュリオ・シーザー君(Julio Cesar)の動画は、これまでの再生回数が7790万回を超えており、人々は「なんて美しいのだろう」「泣けた」「素敵だよ」「自信を取り戻した時の笑顔が最高」といったコメントを残している。
フランシスコさんは、「このプロジェクトでやりがいを感じるのは、人工毛を付けた時の子供たちの喜びを目の当たりにした時さ」と述べており、子供たちの笑顔だけでなく、両親の感傷的な反応にもグッとくるそうだ。そしてこれまでで最も印象に残ったのは、ピットブルに襲われたジョアン君(João)という男の子だそうで、「美容院を踊りながら後にしたよ」と明かしていた。
ちなみにフランシスコさんは自身も人工毛を使っているそうで、施術前にはウィッグを少しめくって子供たちを和ませる優しい一面も見せており、テックインサイト編集部からは「これからもより多くの子供たちに笑顔を届けて欲しい」とメッセージを送っている。
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画像は『Francisco Oliveira| Protese Capilar Instagram「O Julio Cesar está de volta」「@projeto_joao_taboao mais uma criança foi ajudada com nosso Projeto!」「Quantas curtidas o Ivan merece ?」』『Bright Side 「A Hairdresser Gives Free Hairpieces to Kids Who Lost Their Hair to Accident or Disease」((C)franciscoprotesecapilar / snaprotesecapilar / Instagram)((C)franciscoprotesecapilar / projeto_joao_taboao / Instagram)』『ICONIC FCKIN HAIR / SALON & EDUCATION Instagram「This is why I love what I do!」』『Yahoo Life 「Little Girl Opens Her Birthday Gift And It’s A Wig Made From Her Mom’s Hair」(Photo: TikTok / @philmyers08)』『Novo Cabelo 2Instagram「Hair Replacement System Transformation」』『Joshua Santiago TikTok「You never know what someone is going through」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)