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【海外発!Breaking News】「あまり会いに来てくれなかった」孫5人、わずか9,500円の遺産相続に激怒し訴訟起こす(英)

TechinsightJapan 2024年3月8日 16時41分

ある法廷で再生された音声は、2020年に死亡した男性の遺言書が読み上げられた時の激しい怒鳴り合いの様子だった。相続分として、1人につきわずか現金50ポンド(約9,500円)が入った封筒を手渡されただけの故人の孫娘5人は、それを不服とし、遺言無効を求める訴訟を起こしていたが、このほど数年にわたる遺産相続バトルに判決が出た。英ニュースメディア『The Sun』『Daily Mail Online』などが報じている。

英ロンドン西部に位置するイーリング地区のウィロー通りに住んでいたフレデリック・ワォード・シニアさん(Frederick Ward Senior)は、2020年2月17日に91歳の大往生を遂げた。フレデリック・シニアさんには、45万ポンド(約8,555万円)のメゾネットを含む50万ポンド(約9,500万円)の財産があり、これを子ども3人で分けるよう遺言書を2011年8月3日に作成していた。

ところが、長男のフレデリック・ジュニアさん(Frederick Ward Junior)が2015年9月8日に死亡し、2018年に遺言書が書き直されることとなった。

報道によると、フレデリック・ジュニアさんの娘5人は父親の死後、親族と不仲になり、祖父のフレデリック・シニアさんとあまり会うことはなかったという。

また、フレデリック・シニアさんは生前「肺の病気で3回入院したが、フレデリック・ジュニアの子供たちに面会してもらえなかったことに、気分を害した」と法定代理人に語っていたそうだ。

孫たちが頻繁に会いに来てくれなかったことに“傷つき”、“失望した”祖父は、遺留分を存命の子であるテレンス・ウォードさん(Terence Ward)とスーザン・ウィルトシャーさん(Susan Wiltshire)の2人に等分に残すという内容の遺言書に変更した。これには、孫たちへ50ポンドずつの遺産を渡すことも指示されていた。

遺言書公開時にそれを知ったキャロル・ゴーイングさん(Carol Gowing)、アンジェラ・サン・マルセイユさん(Angela St Marseille)、アマンダ・ヒギンボザムさん(Amanda Higginbotham)、クリスティン・ウォードさん(Christine Ward)、そしてジャネット・ペットさん(Janet Pett)は、生きていたなら父フレデリック・ジュニアさんが受け取るはずだった3分の1は、孫である自分たち5姉妹が相続するべきだとし、高等法院に訴えた。



5人は訴訟で、2018年の遺言書は病気の祖父が叔父のテレンスさんに脅迫されて作らされ、遺言を強制されたと主張した。また、晩年のフレデリック・シニアさんを介護してきた叔母のスーザンさんに関しては、祖父に対して「不当な影響力」を及ぼしていたと非難した。

姉妹側の証人も「故人は、テレンスさんとスーザンさんのどちらか一方、あるは両方から金銭を要求された」、「テレンスさんが故人に身体的暴力を振るったという話を聞いた」、「故人は晩年、息子のテレンスさんを怖がっていたようだ」と証言していた。

数年を要した裁判であったが、現地時間2月26日にジェームズ・ブライトウェル裁判官(Master James Brightwell)は、2018年の遺言書について「理にかなっている」との判決を下した。

判決でブライトウェル裁判官は、「2015年に父親が亡くなって以来、娘5人が祖父とあまり会っていなかったことを踏まえ、2018年の遺言書は筋の通ったものだと判断した」と述べた。

また、「テレンスさんがフレデリック・シニアさんに何かを強制したり、スーザンさんがコントロールしていたとする証拠は、説得力に欠けていた」と続けた。

病院に入院していることを知らされていなかったため、5姉妹は面会に行かなかったが、それは入院の頻度が高かったためであり、また「いずれにしても当事者間の連絡が途絶えていたため」だと裁判官は断じた。姉妹は“失望した”祖父をごくたまに短い訪問をするだけだった一方、祖父は息子のテレンスさんとは親しく良い関係で、スーザンさんは彼のフルタイムの介護者だった。

フレデリック・シニアさんは特に、曾孫娘の1人の結婚式の際に連絡が取れなかったことを腹を立てており、「ウエディングケーキの1つも送られてこない」と不満を言っていたという証言もあった。

裁判官は5姉妹の訴えを棄却したが、「だからといって、本質的に仲間はずれにされたことに落胆する原告の気持ちが理解できないわけではない」と述べ、「遺言者の子が遺言者より先に死亡している場合、遺言者は遺留分をその子の子に等しく相続させるべきという見解もある」と彼女らの心境を慮った。



なお、ある関係者は、5姉妹の母でフレデリック・ジュニアさんの妻アンさん(Ann)が判決に対し「亡くなった夫がまだ生きていたら、娘たちがこのように相続放棄されたことに絶対に憤っていただろう。これでは夫が浮かばれない」とこぼしていたと英ニュースメディア『Daily Mail Online』に独占的に語った。この人物は「裁判官の判決については、問うべき深刻な疑問がたくさんある。アンは、いくつかの重要な証拠が十分に考慮されていないようだと信じている」とも、述べた。

英ニュースメディア『The Sun』でも、姉妹たちは(敗訴により)双方の訴訟費用を支払わなければならないため、裁判官の評決に対して控訴する余裕はないと、関係筋からの話として報じている。

今回のニュースについて、SNSではこんな声があがっている。

「遺言書ほど人の本性をむき出しにするものはないよね。遺言書に書かれているのなら、その人の意思を尊重しよう。簡単なことでしょう。」
「彼のお金、彼の選択。」
「50ポンド貰って、数千ポンドを訴訟で使い、そして敗訴した。カルマとは美しいものだ。」
「お爺さん、お見事。50ポンドしかもらえなかったと気づいた時の彼女らの表情が見たかったですね…。最後に笑ったのはお爺さんです。」
「遺言書のあるところ、貪欲な親戚あり。」
「遺言は争われるものではなく、尊重されるべきものだよ。」
「名裁きだ。遺言が覆される可能性があるのなら、遺言に何の意味があるっていうんだい?」

ちなみに今年1月には中国で、3人の子どもに遺産を相続させるつもりでいたが、体調を崩した際に誰も面倒を見に来てくれなかったことから、唯一の癒しとなったペットたちに財産を残すことを決めた女性がいると話題になっていた。

画像は『The Sun 「GRAVE CONCERN Late dad of 5 daughters left £50 from grandad’s £500k fortune because they ‘didn’t visit him enough’ would be ‘fuming’」「HOL OF A TIP Brit widower, 86, leaves £20k to Turkish bellboy, 41, in will after visiting resort for 40 years」』『Daily Mail Online 「Mother of five sisters each left just £50 of their grandfather’s fortune - because he was upset they didn’t bother to see - him speaks out about bitter family feud」』『Selborne Chambers 「Gowing and Others v (1) Terence Arthur Ward (2) Susan Wiltshire [2024] EWHC 347 (Ch)」』『South China Morning Post 「Fortune cats and dogs: elderly China woman leaves US$2.8 million assets to beloved pets instead of children who never visited even when she was ill」(Photo: Sina)』『NewsChannel 5 Nashville 「8-year-old border collie named Lulu inherits $5 million in owner’s will」(WTVF)』『theCHIVE 「Vile Teenage Gold-Digger marries 89-year-old, gets caught by Twitter」』より
(TechinsightJapan編集部 秋本神奈)

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