今月9日、家族らと南アフリカ北東部ムプマランガ州ミッデルバーグを訪れていた37歳の男性が、ダム湖畔で4メートルほどのワニ(クロコダイル)に襲われた。男性は腰を噛まれて振り回され、死を覚悟したそうだが、勇敢な妻がワニを撃退。九死に一生を得たという。英ニュースメディア『The Sun』などが伝えた。
巨大なワニに襲われたのは3児の父、アンソニー・ジュベールさん(Anthony Joubert、37)で、ダム湖畔で長男JP君(12)と釣りをしていた。するとJP君にアタリがあり、一緒に来ていた家族や職場の上司の家族らが集まってきたという。
ところがJP君が巻き上げている最中、釣り糸が木に引っ掛かってしまい、アンソニーさんは水面から2.5センチ(1インチ)ほどのところにぶら下がっていたバス(淡水魚)を回収しようと、湖に足を入れた。
すると突然、巨大ワニが姿を現し、アンソニーさんは脚を噛まれて押し倒され、浅瀬でもがいているうちに両脚がすっぽりとワニの口に納まってしまったという。
アンソニーさんは、当時のことをこのように振り返る。
「ワニはきっと襲う機会をうかがっていたのだろうね。突然現れ、ベルトから下の腰をくわえると、もの凄い力で頭を左右に振り始めた。」
「そうなると自分の脚は見えず、見えたのは奴の歯と自分を凝視するワニの悪魔のような目だけだった。ワニはゆっくりと、私を水中深くに引きずり込もうとしていてね。私は抵抗し、ワニの目を両手の親指で刺した。でもまるで人形のように振り回され、全く歯が立たなかった。」
「するとちょうどその時、上司のヨハン(Johan、36)がやってきて、私のズボンのベルトを掴み、ワニと引っ張り合いになったんだ。」
ワニはアンソニーさんがもがけばもがくほど、激しく首を回転させたそうで、アンソニーさんは「脚がちぎれてしまうと思った」と明かしている。
ヨハンさんとワニがまるで綱引きでもするように引っ張り合う中、さらなる救世主が現れた。襲撃を目の当たりにしたアンソニーさんの妻アナリーゼさん(Annalize、33)が、大きな木の切り株を持って駆け寄り、ワニの頭を凄まじい力で殴り始めたのだ。
そばでは、ヨハンさんの妻ビアンカさん(Bianca、39)が「滑ってワニに襲われることがないように」とアナリーゼさんの洋服を掴んでいたそうで、ヨハンさんは隙を見て銃を取りに走ったという。
こうしてアナリーゼさんが無我夢中でワニを叩き続ける中、アンソニーさんも目を突き続けることを止めず、近くで銃が発砲されるとワニは口を開けて水中に姿を消したそうだ。
アンソニーさんはその後、アナリーゼさんとヨハンさんに水中から引き上げられ、その場で応急処置を施されると、ヨハンさんの車で公立病院の救急外来に搬送された。
しかし翌日になっても必要な傷の処置が行われず、家族はアンソニーさんをミッデルバーグの私立病院に転院させた。
襲撃後のアンソニーさんは血まみれで骨が見えており、脚や腹部に深い傷があるだけでなく感染症に罹っているという。両脚を失うことはなかったものの、今後は長期の治療が必要になるとのことで、ビアンカさんは次のように述べた。
「あの光景は、テレビでも見たことがないほど恐ろしいものだった。私がアンソニーの傷の手当てをした時、腹部の穴にはワニの歯が3本も刺さっていたのよ。データによると、ワニの襲撃を生き延びるのは100人に1人らしいけど、身体の半分を呑み込まれて生き残った人なんていないのではないかしら。」
なお今回の襲撃はJP君だけでなく、10歳と6歳の子供たちも目撃していたそうで、アンソニーさんは「目をつぶると今でも、あのワニが見えるよ。でも襲われたのが自分でよかったし、本当にラッキーだった」と語り、こう話した。
「実は医師に『傷があと2.5センチ(1インチ)横にずれていたら、陰部は使い物にならなくなっていた』と言われたよ。それにワニの歯は大腿動脈まであと1ミリのところに迫っていて、もしそこを噛まれていたら失血死していたそうだ。」
「ワニに襲われた時には正直、もうダメだと思ってね。ワニに振り回され、肉を引き裂かれる“デスロール”をされて、溺死すると覚悟していた。でもヨハンと妻が巨大ワニに立ち向かい、私の命は救われたんだ。」
一方のアナリーゼさんはというと、ショック状態で「襲撃後は夫が失血死するのではと恐ろしかった。それに今でも、自分が夫を救ったということが信じられないの」と語っているが、アンソニーさんはこう述べて笑顔を見せた。
「まさか妻にあんな馬鹿力があるなんて思ってもいなかった…。最悪の死から僕を救ってくれた妻の勇気には、本当に感謝しているよ。」
ちなみにダムにはワニを警告する標識が設置されていたが、地元住民はここ何年もワニの姿を見ていないそうで、今後は問題のワニを捕獲して、別の場所に移動させる予定だという。
画像は『The Sun 「CROC & AWE I was swallowed whole by a 14ft crocodile - it almost ripped my legs off until my brave wife bashed the beast with a LOG」(Credit: Jamie Pyatt News Ltd)』『9News 「‘Fingers in the crocodile’s eyes and escape’: Man’s incredible fight for survival amid vicious croc attack」(Nine)』『UK Times 「Drone footage shows the horrifying moment man is attacked by an alligator in Florida」(Twitter/ABC News)』『TCPalm 「Florida man survives alligator attack, but with 65 stitches. Here’s how he got away.」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
巨大なワニに襲われたのは3児の父、アンソニー・ジュベールさん(Anthony Joubert、37)で、ダム湖畔で長男JP君(12)と釣りをしていた。するとJP君にアタリがあり、一緒に来ていた家族や職場の上司の家族らが集まってきたという。
ところがJP君が巻き上げている最中、釣り糸が木に引っ掛かってしまい、アンソニーさんは水面から2.5センチ(1インチ)ほどのところにぶら下がっていたバス(淡水魚)を回収しようと、湖に足を入れた。
すると突然、巨大ワニが姿を現し、アンソニーさんは脚を噛まれて押し倒され、浅瀬でもがいているうちに両脚がすっぽりとワニの口に納まってしまったという。
アンソニーさんは、当時のことをこのように振り返る。
「ワニはきっと襲う機会をうかがっていたのだろうね。突然現れ、ベルトから下の腰をくわえると、もの凄い力で頭を左右に振り始めた。」
「そうなると自分の脚は見えず、見えたのは奴の歯と自分を凝視するワニの悪魔のような目だけだった。ワニはゆっくりと、私を水中深くに引きずり込もうとしていてね。私は抵抗し、ワニの目を両手の親指で刺した。でもまるで人形のように振り回され、全く歯が立たなかった。」
「するとちょうどその時、上司のヨハン(Johan、36)がやってきて、私のズボンのベルトを掴み、ワニと引っ張り合いになったんだ。」
ワニはアンソニーさんがもがけばもがくほど、激しく首を回転させたそうで、アンソニーさんは「脚がちぎれてしまうと思った」と明かしている。
ヨハンさんとワニがまるで綱引きでもするように引っ張り合う中、さらなる救世主が現れた。襲撃を目の当たりにしたアンソニーさんの妻アナリーゼさん(Annalize、33)が、大きな木の切り株を持って駆け寄り、ワニの頭を凄まじい力で殴り始めたのだ。
そばでは、ヨハンさんの妻ビアンカさん(Bianca、39)が「滑ってワニに襲われることがないように」とアナリーゼさんの洋服を掴んでいたそうで、ヨハンさんは隙を見て銃を取りに走ったという。
こうしてアナリーゼさんが無我夢中でワニを叩き続ける中、アンソニーさんも目を突き続けることを止めず、近くで銃が発砲されるとワニは口を開けて水中に姿を消したそうだ。
アンソニーさんはその後、アナリーゼさんとヨハンさんに水中から引き上げられ、その場で応急処置を施されると、ヨハンさんの車で公立病院の救急外来に搬送された。
しかし翌日になっても必要な傷の処置が行われず、家族はアンソニーさんをミッデルバーグの私立病院に転院させた。
襲撃後のアンソニーさんは血まみれで骨が見えており、脚や腹部に深い傷があるだけでなく感染症に罹っているという。両脚を失うことはなかったものの、今後は長期の治療が必要になるとのことで、ビアンカさんは次のように述べた。
「あの光景は、テレビでも見たことがないほど恐ろしいものだった。私がアンソニーの傷の手当てをした時、腹部の穴にはワニの歯が3本も刺さっていたのよ。データによると、ワニの襲撃を生き延びるのは100人に1人らしいけど、身体の半分を呑み込まれて生き残った人なんていないのではないかしら。」
なお今回の襲撃はJP君だけでなく、10歳と6歳の子供たちも目撃していたそうで、アンソニーさんは「目をつぶると今でも、あのワニが見えるよ。でも襲われたのが自分でよかったし、本当にラッキーだった」と語り、こう話した。
「実は医師に『傷があと2.5センチ(1インチ)横にずれていたら、陰部は使い物にならなくなっていた』と言われたよ。それにワニの歯は大腿動脈まであと1ミリのところに迫っていて、もしそこを噛まれていたら失血死していたそうだ。」
「ワニに襲われた時には正直、もうダメだと思ってね。ワニに振り回され、肉を引き裂かれる“デスロール”をされて、溺死すると覚悟していた。でもヨハンと妻が巨大ワニに立ち向かい、私の命は救われたんだ。」
一方のアナリーゼさんはというと、ショック状態で「襲撃後は夫が失血死するのではと恐ろしかった。それに今でも、自分が夫を救ったということが信じられないの」と語っているが、アンソニーさんはこう述べて笑顔を見せた。
「まさか妻にあんな馬鹿力があるなんて思ってもいなかった…。最悪の死から僕を救ってくれた妻の勇気には、本当に感謝しているよ。」
ちなみにダムにはワニを警告する標識が設置されていたが、地元住民はここ何年もワニの姿を見ていないそうで、今後は問題のワニを捕獲して、別の場所に移動させる予定だという。
画像は『The Sun 「CROC & AWE I was swallowed whole by a 14ft crocodile - it almost ripped my legs off until my brave wife bashed the beast with a LOG」(Credit: Jamie Pyatt News Ltd)』『9News 「‘Fingers in the crocodile’s eyes and escape’: Man’s incredible fight for survival amid vicious croc attack」(Nine)』『UK Times 「Drone footage shows the horrifying moment man is attacked by an alligator in Florida」(Twitter/ABC News)』『TCPalm 「Florida man survives alligator attack, but with 65 stitches. Here’s how he got away.」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)