キャサリン皇太子妃が今年1月に腹部手術を受けて入院した「ザ・ロンドン・クリニック」の職員が、皇太子妃の医療記録への不正アクセスを試みていたことが発覚した。「ザ・ロンドン・クリニック」の上司らが調査に乗り出し、少なくとも職員1人が違反行為を行っていたことが明らかになった。クリニック側から違反報告を受けた「英国プライバシー・データ保護監視機関」は、すでに調査を開始している。事件が発覚した直後、クリニック側はケンジントン宮殿に連絡し「完全な調査が行われることを保証します」と伝えたという。
キャサリン皇太子妃は1月16日に、英ロンドンのメリルボーン地区にあるプライベート病院「ザ・ロンドン・クリニック」で予定していた腹部手術を受けて入院した。同月29日には退院し、現在は英ウィンザーにある自宅で療養生活を送っている。
「ザ・ロンドン・クリニック」はロンドンの名医街ハーレーストリートの医師達によって設立された、英国内で最も設備の整った最大規模のプライベート(私立)病院だ。ワールドクラスの医師達が診療を行い、過去にはエディンバラ公フィリップ王配やマーガレット王女、エリザベス・テイラーやジョン・F・ケネディなど世界の名だたる著名人が診察に訪れた。
なにより英王室との繋がりが非常に太く、現在「ザ・ロンドン・クリニック」のパトロンを務めるのはカミラ王妃だ。遡れば、1989年にはチャールズ皇太子(当時)が理学療法病棟を、1991年にはマーガレット王女がMRI病棟、2010年には故・エリザベス女王ががんセンターを正式にオープンしている。いわば「ザ・ロンドン・クリニック」は英国王室御用達病院と言える。
そんな「ザ・ロンドン・クリニック」の職員が、キャサリン皇太子妃の個人的な医療記録への不正アクセスを試みていたことが発覚した。
英メディア『The Mirror』が現地時間19日に報じたところによると、「英国プライバシー・データ保護監視機関(UK privacy and data protection watchdog)」が「ザ・ロンドン・クリニック」からの違反報告を受け、調査を開始したという。
同メディアによると、1月にキャサリン皇太子妃入院中、彼女の守秘義務が破られたとして、職員の上司達が調査に乗り出した。その結果、少なくとも1人の職員が、皇太子妃の医療記録に関するメモにアクセスしようとしていたことが発覚した。
同クリニックの関係者は、「これは重大なセキュリティ違反であり、王室メンバーを治療することに関して、非の打ちどころがない評判のある当院にとって、信じられないほどのダメージとなるでしょう」と懸念を示し、こう続けた。
「クリニックの上層部は、この事実が発覚した直後にケンジントン宮殿に連絡し、完全な調査が行われることを保証しました。」
そして「医療スタッフ全員は、信頼していた同僚がこのような信頼と倫理に反する行為に及んだことに、大きな衝撃を受け、取り乱しています」と付け加えた。
同日、英国のデータ保護機関「情報コミッショナーオフィス(Information Commissioner’s Office)」の広報担当者は「違反報告を受け、提供された情報の査定中であることは間違いありません」と伝えた。
一方、ケンジントン宮殿の広報担当者は「これは、ザ・ロンドン・クリニックでの問題です」と述べている。
「ザ・ロンドン・クリニック」は、不正アクセスに関わった職員やその詳細に関するコメントを拒否しているものの、患者の守秘義務に対しては、このように伝えている。
「当院のすべての患者は、身分にかかわらず、医療情報に関する完全なプライバシーと守秘義務を受ける資格があると、固く信じています。」
実は筆者は、チャールズ国王ががんであるという発表がされた2月5日の翌6日に「ザ・ロンドン・クリニック」現地を訪れ、取材を行っている。国中を駆け巡った衝撃の発表から間もないこともあって、国王のがんを発見した「ザ・ロンドン・クリニック」では、厳重な警備と箝口令が敷かれていると考えていた。ところが予想に反して、警備員などの姿はなく、主要病棟の受付の男女に取材を申し込んだところ、「間違いなくこの主要病棟にチャールズ国王とキャサリン皇太子妃が入院していました」と笑顔で即答してくれた。
英国王と皇太子妃の治療を請け負ったという事実は、「王室メンバーを治療することに関して、非の打ちどころがない評判のあるクリニック」を自負する「ザ・ロンドン・クリニック」にとってさぞかし誇らしいことだったのだろう。
それだけに、今回の少なくとも1名の職員の不正行為が関係者に与えた衝撃は大きい。同クリニックがこれまで築いてきた英王室との繋がり、さらにはプライバシーを重要視する世界中のセレブからの信頼を失う可能性も否定できない状況だ。
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)
キャサリン皇太子妃は1月16日に、英ロンドンのメリルボーン地区にあるプライベート病院「ザ・ロンドン・クリニック」で予定していた腹部手術を受けて入院した。同月29日には退院し、現在は英ウィンザーにある自宅で療養生活を送っている。
「ザ・ロンドン・クリニック」はロンドンの名医街ハーレーストリートの医師達によって設立された、英国内で最も設備の整った最大規模のプライベート(私立)病院だ。ワールドクラスの医師達が診療を行い、過去にはエディンバラ公フィリップ王配やマーガレット王女、エリザベス・テイラーやジョン・F・ケネディなど世界の名だたる著名人が診察に訪れた。
なにより英王室との繋がりが非常に太く、現在「ザ・ロンドン・クリニック」のパトロンを務めるのはカミラ王妃だ。遡れば、1989年にはチャールズ皇太子(当時)が理学療法病棟を、1991年にはマーガレット王女がMRI病棟、2010年には故・エリザベス女王ががんセンターを正式にオープンしている。いわば「ザ・ロンドン・クリニック」は英国王室御用達病院と言える。
そんな「ザ・ロンドン・クリニック」の職員が、キャサリン皇太子妃の個人的な医療記録への不正アクセスを試みていたことが発覚した。
英メディア『The Mirror』が現地時間19日に報じたところによると、「英国プライバシー・データ保護監視機関(UK privacy and data protection watchdog)」が「ザ・ロンドン・クリニック」からの違反報告を受け、調査を開始したという。
同メディアによると、1月にキャサリン皇太子妃入院中、彼女の守秘義務が破られたとして、職員の上司達が調査に乗り出した。その結果、少なくとも1人の職員が、皇太子妃の医療記録に関するメモにアクセスしようとしていたことが発覚した。
同クリニックの関係者は、「これは重大なセキュリティ違反であり、王室メンバーを治療することに関して、非の打ちどころがない評判のある当院にとって、信じられないほどのダメージとなるでしょう」と懸念を示し、こう続けた。
「クリニックの上層部は、この事実が発覚した直後にケンジントン宮殿に連絡し、完全な調査が行われることを保証しました。」
そして「医療スタッフ全員は、信頼していた同僚がこのような信頼と倫理に反する行為に及んだことに、大きな衝撃を受け、取り乱しています」と付け加えた。
同日、英国のデータ保護機関「情報コミッショナーオフィス(Information Commissioner’s Office)」の広報担当者は「違反報告を受け、提供された情報の査定中であることは間違いありません」と伝えた。
一方、ケンジントン宮殿の広報担当者は「これは、ザ・ロンドン・クリニックでの問題です」と述べている。
「ザ・ロンドン・クリニック」は、不正アクセスに関わった職員やその詳細に関するコメントを拒否しているものの、患者の守秘義務に対しては、このように伝えている。
「当院のすべての患者は、身分にかかわらず、医療情報に関する完全なプライバシーと守秘義務を受ける資格があると、固く信じています。」
実は筆者は、チャールズ国王ががんであるという発表がされた2月5日の翌6日に「ザ・ロンドン・クリニック」現地を訪れ、取材を行っている。国中を駆け巡った衝撃の発表から間もないこともあって、国王のがんを発見した「ザ・ロンドン・クリニック」では、厳重な警備と箝口令が敷かれていると考えていた。ところが予想に反して、警備員などの姿はなく、主要病棟の受付の男女に取材を申し込んだところ、「間違いなくこの主要病棟にチャールズ国王とキャサリン皇太子妃が入院していました」と笑顔で即答してくれた。
英国王と皇太子妃の治療を請け負ったという事実は、「王室メンバーを治療することに関して、非の打ちどころがない評判のあるクリニック」を自負する「ザ・ロンドン・クリニック」にとってさぞかし誇らしいことだったのだろう。
それだけに、今回の少なくとも1名の職員の不正行為が関係者に与えた衝撃は大きい。同クリニックがこれまで築いてきた英王室との繋がり、さらにはプライバシーを重要視する世界中のセレブからの信頼を失う可能性も否定できない状況だ。
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)