南アフリカの北西州にある「ピラネスバーグ国立公園(Pilanesberg National Park)」で、雄ゾウがサファリトラックを攻撃する瞬間が捉えられた。当時の動画はSNSで拡散しているが、「トラックが野生動物に近づきすぎたからだ」という非難の声があがったようだ。英ニュースメディア『The Sun』などが報じた。
ピラネスバーグ国立公園は、南アフリカで4番目に大きな国立公園ということもあり、“ビッグ5(南アフリカに棲息するライオン、ヒョウ、ゾウ、サイ、バッファロー)”を見るために訪れる観光客も多い。そのサファリツアーを始めようとした観光客は、出発の時点で野生動物の恐怖を味わうこととなった。
ネット上で3月19日に投稿された動画は、立ち向かってくるゾウから離れるためにサファリトラックがバックしているところから始まる。運転しているサファリガイドが「どけ!」と叫びながら車のサイドを叩いてゾウを威嚇するが、縄張り意識が強いこの雄ゾウはひるむことなく、トラックに一歩一歩迫っていく。そしてトラックのボンネット部分を鼻で1メートルほど持ち上げた。トラックは前部が軽々と持ち上がり、ゾウが鼻を離すとそのまま落下した。この衝撃は大きく、ガイドが運転席から浮き上がるほどだった。
怒りのゾウとガイドの間にはトラックのフロントガラス1枚だけで、トラックを倒されて踏みつぶされる恐れもあった。
その後、再び攻撃するゾウに対してトラックは後退し、ガイドが「もう十分だ」と懇願するとゾウは離れていった。動画はトラックの外から捉えたものと、トラックに乗った観光客が撮影したものがあり、特に後者では巨大なゾウに立ち向かっているガイドの緊迫した様子が伝わってくる。
ただ動画では、ガイドがゾウを威嚇しているだけに見えたようで、視聴者からは「トラックが野生動物に近づきすぎたからだ」という非難のコメントが殺到した。しかし、あるSNSユーザーは別の動画を見たそうで、このように主張している。
「ゾウが駐車場に入ってきたのは、サファリ参加者が駐車場から“ハイド”と呼ばれる隠れ場所までの通路を歩いている時だった。ゾウが車に近づき始めるまで、ガイドはエンジンを切って静かに座っていた。ゾウは後ずさりすることなく、ガイドの発する警告やドアをバンバン叩く威嚇にも反応せず、どんどん近づいてきた。」
「ガイドはトラックに乗っているゲストや駐車場にいる人々を守ろうとしていただけだ。ガイドはエンジンをかけ、アクセルを踏んで回転数を上げることで、ゾウが駐車場から出て行くことを願った。」
「困難な状況の中で、恐怖と闘いながら他の人を守るために行動を起こしたガイドに対して、皆さんはきっと理解を示してくれるだろう。」
なお報道によると、この雄ゾウは「マスト」と呼ばれる年に一度の発情期を迎えていたそうだ。マスト期のゾウは、通常時の20倍の男性ホルモンが出て、イラ立ちで目がギラギラし、近くのものを攻撃したり、壊したり、手がつけられないくらい凶暴になるのだという。
勇気あるガイド、観光客ともに怪我はなかったようだが、このサファリツアーの運営会社「マンクウェ・ゲーム・トラッカーズ(Mankwe Game Trackers)」は米ニュースメディア『ABC News』に対して、ある家族は恐怖で「極度に震え上がったため、のちにカウンセリングを受けた」と明かしている。また、ピラネスバーグ国立公園は今回の件について内部調査を実施すると発表した。
画像は『The Sun 「JUMBO ATTACK Terrifying moment wild elephant tries to FLIP safari tourist bus in rampage lifting vehicle off ground with its trunk」(Credit: IRSA)、「NELLY’S RAGE Harrowing moment elephant mum stamps a crocodile to death as beast threatened to attack her calf」』『The Daily Star 「Sex-crazed elephant attacks safari car and rams it off road as students run in terror」(Image: @ItsGoingViral1/Jamie Pyatt)』『New York Post 「Sri Lanka tourists narrowly escape elephant that broke into their van, stole sandwich in wild video」(Newsflare)』『The South African 「WATCH: Man FLEES car on game drive - after elephant encounter」(Photo: Twitter / Screenshot)』より
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)
ピラネスバーグ国立公園は、南アフリカで4番目に大きな国立公園ということもあり、“ビッグ5(南アフリカに棲息するライオン、ヒョウ、ゾウ、サイ、バッファロー)”を見るために訪れる観光客も多い。そのサファリツアーを始めようとした観光客は、出発の時点で野生動物の恐怖を味わうこととなった。
ネット上で3月19日に投稿された動画は、立ち向かってくるゾウから離れるためにサファリトラックがバックしているところから始まる。運転しているサファリガイドが「どけ!」と叫びながら車のサイドを叩いてゾウを威嚇するが、縄張り意識が強いこの雄ゾウはひるむことなく、トラックに一歩一歩迫っていく。そしてトラックのボンネット部分を鼻で1メートルほど持ち上げた。トラックは前部が軽々と持ち上がり、ゾウが鼻を離すとそのまま落下した。この衝撃は大きく、ガイドが運転席から浮き上がるほどだった。
怒りのゾウとガイドの間にはトラックのフロントガラス1枚だけで、トラックを倒されて踏みつぶされる恐れもあった。
その後、再び攻撃するゾウに対してトラックは後退し、ガイドが「もう十分だ」と懇願するとゾウは離れていった。動画はトラックの外から捉えたものと、トラックに乗った観光客が撮影したものがあり、特に後者では巨大なゾウに立ち向かっているガイドの緊迫した様子が伝わってくる。
ただ動画では、ガイドがゾウを威嚇しているだけに見えたようで、視聴者からは「トラックが野生動物に近づきすぎたからだ」という非難のコメントが殺到した。しかし、あるSNSユーザーは別の動画を見たそうで、このように主張している。
「ゾウが駐車場に入ってきたのは、サファリ参加者が駐車場から“ハイド”と呼ばれる隠れ場所までの通路を歩いている時だった。ゾウが車に近づき始めるまで、ガイドはエンジンを切って静かに座っていた。ゾウは後ずさりすることなく、ガイドの発する警告やドアをバンバン叩く威嚇にも反応せず、どんどん近づいてきた。」
「ガイドはトラックに乗っているゲストや駐車場にいる人々を守ろうとしていただけだ。ガイドはエンジンをかけ、アクセルを踏んで回転数を上げることで、ゾウが駐車場から出て行くことを願った。」
「困難な状況の中で、恐怖と闘いながら他の人を守るために行動を起こしたガイドに対して、皆さんはきっと理解を示してくれるだろう。」
なお報道によると、この雄ゾウは「マスト」と呼ばれる年に一度の発情期を迎えていたそうだ。マスト期のゾウは、通常時の20倍の男性ホルモンが出て、イラ立ちで目がギラギラし、近くのものを攻撃したり、壊したり、手がつけられないくらい凶暴になるのだという。
勇気あるガイド、観光客ともに怪我はなかったようだが、このサファリツアーの運営会社「マンクウェ・ゲーム・トラッカーズ(Mankwe Game Trackers)」は米ニュースメディア『ABC News』に対して、ある家族は恐怖で「極度に震え上がったため、のちにカウンセリングを受けた」と明かしている。また、ピラネスバーグ国立公園は今回の件について内部調査を実施すると発表した。
画像は『The Sun 「JUMBO ATTACK Terrifying moment wild elephant tries to FLIP safari tourist bus in rampage lifting vehicle off ground with its trunk」(Credit: IRSA)、「NELLY’S RAGE Harrowing moment elephant mum stamps a crocodile to death as beast threatened to attack her calf」』『The Daily Star 「Sex-crazed elephant attacks safari car and rams it off road as students run in terror」(Image: @ItsGoingViral1/Jamie Pyatt)』『New York Post 「Sri Lanka tourists narrowly escape elephant that broke into their van, stole sandwich in wild video」(Newsflare)』『The South African 「WATCH: Man FLEES car on game drive - after elephant encounter」(Photo: Twitter / Screenshot)』より
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)