カナダのブリティッシュコロンビア州で今月中旬、スキーリゾート内の保護区に棲むハイイログマが冬眠から目を覚まし、巣穴からゆっくりと這い出した。当時の様子はカメラが捉えており、SNSでシェアされて大きな反響を呼んでいる。カナダのニュースメディア『Calgary Herald』などが伝えた。
ブリティッシュコロンビア州南東部ゴールデンにあるスキーリゾート「キッキング・ホース・マウンテン・リゾート(Kicking Horse Mountain Resort)」で11日(一部報道では12日とも)、冬眠から目覚めた雄のハイイログマ、“ブー(Boo、22)”が巣穴の中から這い出した。
ブーは2003年、ハンターが違法に母グマを射殺して孤児になり、それ以来スキーリゾート内のハイイログマ保護区で暮らすようになった。保護区は東京ドーム(約11.5エーカー)の2倍弱にあたる約22エーカーの広さを誇り、夏になると多くの観光客がブーの日常を観察しにやって来るそうで、ブーはちょっとした人気者だという。
そんなリゾートと保護区のSNSに日本時間13日、ブーが深く積もった真っ白な雪の穴から顔を出し、足で雪をかきながらゆっくりと這い出す様子が投稿されて注目を集めた。
動画には「誰が目覚めたか、見て!」と言葉が添えられ、こんな説明が続いていた。
「ブーは暖かい気候を感じ取り、巣穴から這い出し、太陽の光を楽しむことに決めたようだ。」
「これから数週間、ブーは巣穴から出たり入ったりを繰り返すだろう。ブーが長い昼寝から覚め、徐々に体を慣らす間、どうかワイリー・コヨーテ(Wiley Coyote)でブーを観察するのは止めて欲しい。タワー8と9の間のゴンドラに乗れば、ブーを見ることができるはずだから。」
「会えて嬉しいよ! ビッグ・ガイ(大きな雄のブー)。」
保護区のチームリーダー、ドミニク・デ・フリースさん(Dominique de Vries)によると、ブーは通常、3月中旬頃に約1時間、長くても一日2時間ほど巣穴から這い出し、再び巣穴に戻ってしまうそうで、「ブーはまだ眠くてボーっとしているんだよ」と明かす。
クマが巣穴から這い出す時期は、気温と積雪によって変わるそうで、ドミニクさんは「ゴールデンは今年、とても暖かくてね。1月中にもブーが巣穴から出入りしていたのを確認している。それに巣穴の中でも動いていて、今年は穴の中でずっと眠り続けていたというわけではなかったようだ」と語っていた。
それでもブーが雪の中から姿を現す動画には、「こんな姿を見ることができるなんて、嬉しいわ。シェアしてくれてありがとう」「ブーはパウダースノーで遊びたいのよ」「ああ、ハグしてあげたい」「なんて美しいの! ブーがまだこのリゾートに棲んでいるなんてすごいわ。私が2006年と2007年頃に2年間働いていた頃にもいたのよ。感激!」「おはよう。可愛いブー!」「美味しいものをたらふく食べたいに違いないわ」「ちょっと出てくるのが早すぎない? 私はまだスキーを楽しんでいるんだけど!」といったコメントが寄せられている。
なおクマが冬眠から目覚める時期については、気候変動が大きく影響しているようで、クマに遭遇した時のためのツールを提供する「Bear Safety & More Inc.」の社長キム・ティチェナーさん(Kim Titchener)は、こう述べていた。
「大きな成体の雄は通常、3月中旬頃に冬眠から目覚め、若い個体、雌、子連れの雌は雪が解け、緑が顔を出す4月か5月頃まで巣穴に留まり、授乳などを続ける。ただ最近は、クマが巣穴から出てくる時期が早まり、冬眠を始める時期が遅れている。『アルバータ州北部ではハイイログマが冬眠から目覚める時期は、平均で1週間ほど早くなっている』という研究結果もあるほどだ。」
一方でブーの食事だが、保護区のSNSによると、ブーが暮らす山のクマの食事は最大90%が植物で、常に食べ物を探しているという。また夏の終わりから秋にかけての過食期には5万カロリーを消費する必要があり、ブーは食事の50%を自分で見つけ、残りはスタッフがリンゴやブドウ、ヒマワリの種、サツマイモ、ニンジン、トウモロコシなどを供給し、肉も数日に1回は与えているそうだ。
なお、テックインサイト編集部では保護区のスタッフに、「冬眠前と冬眠後のブーの体重にはどのくらいの差がみられるのか」「ブーはスタッフのことを認識できるのか」などについて質問を投げかけている。
ちなみに2021年10月には、米ミネソタ州にあるボエジャーズ国立公園のトレイルカメラが、冬眠に備えて太ったクマの姿を捉えて話題となった。クマはお腹が地面につきそうなほど肥えていた。
この投稿をInstagramで見る Kicking Horse Mountain Resort(@kickinghorsemtn)がシェアした投稿
画像は『Kicking Horse Mountain Resort Instagram「Look who’s up」』『OnFocus News 「GIANT BEAR MAKES APPEARANCE IN NORTHERN MINNESOTA」』『Tyler Dashukewich TikTok「#bears #newengland」』『FOX 2 Detroit 「Man chases squatting black bear from crawlspace with a paintball gun」(Toogie Sielsch via Storyful)』より、カレン・ポストさん提供
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
ブリティッシュコロンビア州南東部ゴールデンにあるスキーリゾート「キッキング・ホース・マウンテン・リゾート(Kicking Horse Mountain Resort)」で11日(一部報道では12日とも)、冬眠から目覚めた雄のハイイログマ、“ブー(Boo、22)”が巣穴の中から這い出した。
ブーは2003年、ハンターが違法に母グマを射殺して孤児になり、それ以来スキーリゾート内のハイイログマ保護区で暮らすようになった。保護区は東京ドーム(約11.5エーカー)の2倍弱にあたる約22エーカーの広さを誇り、夏になると多くの観光客がブーの日常を観察しにやって来るそうで、ブーはちょっとした人気者だという。
そんなリゾートと保護区のSNSに日本時間13日、ブーが深く積もった真っ白な雪の穴から顔を出し、足で雪をかきながらゆっくりと這い出す様子が投稿されて注目を集めた。
動画には「誰が目覚めたか、見て!」と言葉が添えられ、こんな説明が続いていた。
「ブーは暖かい気候を感じ取り、巣穴から這い出し、太陽の光を楽しむことに決めたようだ。」
「これから数週間、ブーは巣穴から出たり入ったりを繰り返すだろう。ブーが長い昼寝から覚め、徐々に体を慣らす間、どうかワイリー・コヨーテ(Wiley Coyote)でブーを観察するのは止めて欲しい。タワー8と9の間のゴンドラに乗れば、ブーを見ることができるはずだから。」
「会えて嬉しいよ! ビッグ・ガイ(大きな雄のブー)。」
保護区のチームリーダー、ドミニク・デ・フリースさん(Dominique de Vries)によると、ブーは通常、3月中旬頃に約1時間、長くても一日2時間ほど巣穴から這い出し、再び巣穴に戻ってしまうそうで、「ブーはまだ眠くてボーっとしているんだよ」と明かす。
クマが巣穴から這い出す時期は、気温と積雪によって変わるそうで、ドミニクさんは「ゴールデンは今年、とても暖かくてね。1月中にもブーが巣穴から出入りしていたのを確認している。それに巣穴の中でも動いていて、今年は穴の中でずっと眠り続けていたというわけではなかったようだ」と語っていた。
それでもブーが雪の中から姿を現す動画には、「こんな姿を見ることができるなんて、嬉しいわ。シェアしてくれてありがとう」「ブーはパウダースノーで遊びたいのよ」「ああ、ハグしてあげたい」「なんて美しいの! ブーがまだこのリゾートに棲んでいるなんてすごいわ。私が2006年と2007年頃に2年間働いていた頃にもいたのよ。感激!」「おはよう。可愛いブー!」「美味しいものをたらふく食べたいに違いないわ」「ちょっと出てくるのが早すぎない? 私はまだスキーを楽しんでいるんだけど!」といったコメントが寄せられている。
なおクマが冬眠から目覚める時期については、気候変動が大きく影響しているようで、クマに遭遇した時のためのツールを提供する「Bear Safety & More Inc.」の社長キム・ティチェナーさん(Kim Titchener)は、こう述べていた。
「大きな成体の雄は通常、3月中旬頃に冬眠から目覚め、若い個体、雌、子連れの雌は雪が解け、緑が顔を出す4月か5月頃まで巣穴に留まり、授乳などを続ける。ただ最近は、クマが巣穴から出てくる時期が早まり、冬眠を始める時期が遅れている。『アルバータ州北部ではハイイログマが冬眠から目覚める時期は、平均で1週間ほど早くなっている』という研究結果もあるほどだ。」
一方でブーの食事だが、保護区のSNSによると、ブーが暮らす山のクマの食事は最大90%が植物で、常に食べ物を探しているという。また夏の終わりから秋にかけての過食期には5万カロリーを消費する必要があり、ブーは食事の50%を自分で見つけ、残りはスタッフがリンゴやブドウ、ヒマワリの種、サツマイモ、ニンジン、トウモロコシなどを供給し、肉も数日に1回は与えているそうだ。
なお、テックインサイト編集部では保護区のスタッフに、「冬眠前と冬眠後のブーの体重にはどのくらいの差がみられるのか」「ブーはスタッフのことを認識できるのか」などについて質問を投げかけている。
ちなみに2021年10月には、米ミネソタ州にあるボエジャーズ国立公園のトレイルカメラが、冬眠に備えて太ったクマの姿を捉えて話題となった。クマはお腹が地面につきそうなほど肥えていた。
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画像は『Kicking Horse Mountain Resort Instagram「Look who’s up」』『OnFocus News 「GIANT BEAR MAKES APPEARANCE IN NORTHERN MINNESOTA」』『Tyler Dashukewich TikTok「#bears #newengland」』『FOX 2 Detroit 「Man chases squatting black bear from crawlspace with a paintball gun」(Toogie Sielsch via Storyful)』より、カレン・ポストさん提供
(TechinsightJapan編集部 A.C.)