全身が大小の腫瘍に覆われ、命の危険を感じるようになったトリニダード・トバゴ共和国に住む42歳の女性が、アメリカで腫瘍の切除手術を受けた。医師はリスクが高いことを承知で手術を引き受け、女性は術後「自分が美しい」と感じることができるようになったという。米リアリティチャンネル『TLC』がビフォーアフターの映像を交えて伝え、大きな反響を呼んでいる。
中南米、トリニダード・トバゴ共和国チャグアナスに住むシャーメイン・サハーディオさん(Charmaine Sahadeo、42)は、根治させる治療法がない遺伝性の難病「神経線維腫症I型(NF1)」を患っている。
この疾患は約3000人に1人の割合で発症すると言われ、皮膚の下にできる腫瘍とカフェオレ斑が特徴で、骨、眼、神経系などに症状が出ることもある。腫瘍はほとんどが良性であるものの、稀に悪性の腫瘍に進行する。また患者の30~50%は突然変異による孤発例で、両親のどちらか一方が異常遺伝子を持つ場合には50%の確率で遺伝するという。
シャーメインさんは母親が軽い神経線維腫症I型で、13歳の時に初めて、顔に小さな2つの腫瘍ができているのに気付き、次第にその数が増えていった。ところが母国では症状を軽減できる医師が見つからず、そのうち数千という腫瘍が全身に現れ、鼻や口の中、性器までも覆うようになった。
シャーメインさんは「腫瘍がこれほどひどくなるとは考えもしなかった」と明かし、次のように続けた。
「腫瘍で顔が隠れてしまい、鼻の中まで入り込んで呼吸がつらくてね。そのうち食事、トイレ、移動といった日常生活にまで支障が出るようになったの。大きな腫瘍が邪魔で、車の運転の仕方を学ぶことはなかったし、身体に合う洋服を見つけるのも大変だった。また腫瘍が両目を覆うようになると、物が二重に見えたりかすんだりするようになってね。痛みも酷く、孫娘と遊びたくてもできなかった。それに外出するとジロジロ見られ、否定的なことをいろいろ言われたわ。」
そうしているうちにシャーメインさんは「いつか呼吸ができなくなり、助けを呼ぶことができずに一人で死んでしまうのではないか」と恐怖を感じるようになり、「少しでも腫瘍の数を減らせないか」と国外の医師に助けを求めることを決意。米カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点に頭頸部がんの専門家として活躍し、「オズボーン・頭頸部研究所(Osborne Head and Neck Institute)」の所長でもあるライアン・オズボーン医師(Dr. Ryan Osborne)を探し出した。
同医師は「腫瘍全てを取り除くのは不可能」と忠告しながらも、約6400キロ以上離れた異国からの患者を快く受け入れ、シャーメインさんは「これが最後の希望」とアメリカに飛んだ。
オズボーン医師はがん専門医として20年以上のキャリアがあるベテランであるが、シャーメインさんほどの重症例はそれまで見たことがなかったそうで、「彼女の人生を大きく変える、一生に一度の機会になる」とリスクが高いことを承知で手術に臨んだ。
手術は皮膚を一度に切除しすぎると感染症の危険があるうえ、痛みも伴うため、10週間以上をかけて24回行い、全部で60時間をかけた。顔を中心に、口の中や脚の巨大な腫瘍を含む相当数を切除しており、シャーメインさんは最後の手術から4週間後に帰国した。
手術のビフォーアフターは、米リアリティチャンネル『TLC』の新シリーズ「テイク・マイ・チューモア(Take My Tumor・私の腫瘍を取って)」で公開されており、手術前は隠れていた目、口、鼻が見えるようになり、視界が広がり食事もスムーズにできるようになった。何よりも重要なことは呼吸が楽になったことで、シャーメインさんはとびきりの笑顔を見せ、このように述べていた。
「オズボーン医師は期待していたよりも多くの腫瘍を切除してくれたの。特に顔のデコボコがだいぶ消え、メイクもできるようになったわ。脚の大きな腫瘍がなくなって長く立っていることができるし、バランスもとれている。それに人生は100%良くなったし、自分がとても美しいと感じることができるの。手術後は別人になったようなのよ!」
ちなみに多くの視聴者は、オズボーン医師の素晴らしい仕事ぶりを称え、シャーメインさんには「これまでどれだけ大変な思いをしてきたことか…。前向きな姿にインスパイアされる」「美しい人だ」「なんて強いのだろう」「手術が上手くいって本当に良かった」「これ以上苦しむことがありませんように」「治療法が見つかることを祈っているよ」といった温かいコメントを寄せていた。
画像は『tlc TikTok「Dr. Osborne hopes he can sculpt Charmaine out of the mass of tumors that surround her body」「Charmaine’s condition is severe」「Charmaine has NF」「Replying to @Jari Marquez955」』『TLC Facebook「Tumors Before and After | Take My Tumor」』『The Sun 「STRANGER DANGER Mum covered in thousands of tumours is abused in the street by strangers who think she’s contagious」(Credit: Mercury Press)、「MUM’S AGONY I’m covered head-to-toe in HUNDREDS of painful and itchy tumours - strangers point and stare」(Credit: Mercury)』『Born Different Instagram「The family have set up a GoFundMe」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
中南米、トリニダード・トバゴ共和国チャグアナスに住むシャーメイン・サハーディオさん(Charmaine Sahadeo、42)は、根治させる治療法がない遺伝性の難病「神経線維腫症I型(NF1)」を患っている。
この疾患は約3000人に1人の割合で発症すると言われ、皮膚の下にできる腫瘍とカフェオレ斑が特徴で、骨、眼、神経系などに症状が出ることもある。腫瘍はほとんどが良性であるものの、稀に悪性の腫瘍に進行する。また患者の30~50%は突然変異による孤発例で、両親のどちらか一方が異常遺伝子を持つ場合には50%の確率で遺伝するという。
シャーメインさんは母親が軽い神経線維腫症I型で、13歳の時に初めて、顔に小さな2つの腫瘍ができているのに気付き、次第にその数が増えていった。ところが母国では症状を軽減できる医師が見つからず、そのうち数千という腫瘍が全身に現れ、鼻や口の中、性器までも覆うようになった。
シャーメインさんは「腫瘍がこれほどひどくなるとは考えもしなかった」と明かし、次のように続けた。
「腫瘍で顔が隠れてしまい、鼻の中まで入り込んで呼吸がつらくてね。そのうち食事、トイレ、移動といった日常生活にまで支障が出るようになったの。大きな腫瘍が邪魔で、車の運転の仕方を学ぶことはなかったし、身体に合う洋服を見つけるのも大変だった。また腫瘍が両目を覆うようになると、物が二重に見えたりかすんだりするようになってね。痛みも酷く、孫娘と遊びたくてもできなかった。それに外出するとジロジロ見られ、否定的なことをいろいろ言われたわ。」
そうしているうちにシャーメインさんは「いつか呼吸ができなくなり、助けを呼ぶことができずに一人で死んでしまうのではないか」と恐怖を感じるようになり、「少しでも腫瘍の数を減らせないか」と国外の医師に助けを求めることを決意。米カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点に頭頸部がんの専門家として活躍し、「オズボーン・頭頸部研究所(Osborne Head and Neck Institute)」の所長でもあるライアン・オズボーン医師(Dr. Ryan Osborne)を探し出した。
同医師は「腫瘍全てを取り除くのは不可能」と忠告しながらも、約6400キロ以上離れた異国からの患者を快く受け入れ、シャーメインさんは「これが最後の希望」とアメリカに飛んだ。
オズボーン医師はがん専門医として20年以上のキャリアがあるベテランであるが、シャーメインさんほどの重症例はそれまで見たことがなかったそうで、「彼女の人生を大きく変える、一生に一度の機会になる」とリスクが高いことを承知で手術に臨んだ。
手術は皮膚を一度に切除しすぎると感染症の危険があるうえ、痛みも伴うため、10週間以上をかけて24回行い、全部で60時間をかけた。顔を中心に、口の中や脚の巨大な腫瘍を含む相当数を切除しており、シャーメインさんは最後の手術から4週間後に帰国した。
手術のビフォーアフターは、米リアリティチャンネル『TLC』の新シリーズ「テイク・マイ・チューモア(Take My Tumor・私の腫瘍を取って)」で公開されており、手術前は隠れていた目、口、鼻が見えるようになり、視界が広がり食事もスムーズにできるようになった。何よりも重要なことは呼吸が楽になったことで、シャーメインさんはとびきりの笑顔を見せ、このように述べていた。
「オズボーン医師は期待していたよりも多くの腫瘍を切除してくれたの。特に顔のデコボコがだいぶ消え、メイクもできるようになったわ。脚の大きな腫瘍がなくなって長く立っていることができるし、バランスもとれている。それに人生は100%良くなったし、自分がとても美しいと感じることができるの。手術後は別人になったようなのよ!」
ちなみに多くの視聴者は、オズボーン医師の素晴らしい仕事ぶりを称え、シャーメインさんには「これまでどれだけ大変な思いをしてきたことか…。前向きな姿にインスパイアされる」「美しい人だ」「なんて強いのだろう」「手術が上手くいって本当に良かった」「これ以上苦しむことがありませんように」「治療法が見つかることを祈っているよ」といった温かいコメントを寄せていた。
画像は『tlc TikTok「Dr. Osborne hopes he can sculpt Charmaine out of the mass of tumors that surround her body」「Charmaine’s condition is severe」「Charmaine has NF」「Replying to @Jari Marquez955」』『TLC Facebook「Tumors Before and After | Take My Tumor」』『The Sun 「STRANGER DANGER Mum covered in thousands of tumours is abused in the street by strangers who think she’s contagious」(Credit: Mercury Press)、「MUM’S AGONY I’m covered head-to-toe in HUNDREDS of painful and itchy tumours - strangers point and stare」(Credit: Mercury)』『Born Different Instagram「The family have set up a GoFundMe」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)