米アラバマ州で先月中旬、母を亡くした小学2年生の女児が「ママの墓石を買いたい」と、4個のレモンでレモネードスタンドを始めた。すると女児の噂は瞬く間に広まり、自宅前には近所の住民だけでなく、地域の警察官や看護師などたくさんの人々がレモネードを買いにやって来たという。心温まる善意の輪の広がりを、ネットメディア『InspireMore』などが伝えた。
アラバマ州ジャクソン郡スコッツボロに住む1児の母カーリー・ボードナーさん(Karli Bordner)が先月13日、4日後の30歳の誕生日を前に亡くなった。誰もが予想だにしなかった突然死で、カーリーさんは保険に加入しておらず、死因は今も分からないままだという。
カーリーさんのそれまでの人生は決して平坦とは言えず、生前は母ジェニファー・ボードナーさん(Jennifer Bordner)、娘エモリー・ジョンソンちゃん(Emouree Johnson、7)と一緒に暮らしていた。
エモリーちゃんの存在はカーリーさんにとって生きがいだったそうで、「人生を立て直し、いつか自分の家で娘と2人で住みたい」という夢を持ち、ファストフードチェーン「クリスタル(Krystal)」でシフトスーパーバイザーとして必死に働いていたという。
そんなカーリーさんの急死を、家族は衝撃をもって受け止めるしかなかったが、ジェニファーさんはすぐに「葬儀代を払えない」という厳しい現実に直面した。そして葬儀代の捻出に奔走するなか、エモリーちゃんは祖母にこう申し出た。
「レモネードスタンドを設置して、母の墓石を買いたい。」
こうして祖母の協力で、自宅前に小さなレモネードスタンドを設置したエモリーちゃんは、たった4個のレモンで作ったレモネードの販売を始めた。そして祖母にお願いし、レモネードスタンドでの写真をFacebookに投稿してもらったところ、これが奇跡を巻き起こしたのだった。
エモリーちゃんのレモネードスタンドにはそれ以来、近所の住民だけでなく、消防隊員、看護師、警察官などコミュニティーのメンバーが次々とやって来た。それも1カップ1ドル(約154円)のレモネードにチップを払う人が多く、中には100ドル札を置いていく人もいたそうだ。またエモリーちゃんに洋服などを手渡すなど、多くの人が家族に寄り添い、温かい言葉をかけてくれたという。
そんな善意の輪の広がりに対し、ジェニファーさんは「地域のみんながやって来てくれてね…。きっと娘も天国から見ていてくれると思うわ」と涙を流して喜び、次のように述べた。
「これは、困難な状況下での神様からの贈り物のような気がしているの。みんなが来てくれたことでエモリーは笑顔になり、私も感激で圧倒されているわ。だってコミュニティーがこうやって協力するのをこれまで見たことがないし、本当に特別なことだから…。みんなには心から感謝しているの。」
一方でエモリーちゃんは、「レモネードを作ることで、こんなに多くの人が私の家に来てくれるなんて思いもしなかった。これは楽しいことでもあるし、それと同時に信じられない思いでいるわ」と笑顔で語っていた。
ジェニファーさんによると、エモリーちゃんはとても意志が強く、傷ついている人いたら、そばに行って手を差し伸べるような優しい子だそうで、最初の1週間で1万ドル(約154万円)近くが集まったという。また一家は、クラウドファンディングサイト「GoFundMe」でも寄付を募り、カーリーさんの葬儀は無事、18日に執り行うことができたようだ。
さらに一家のことを知った記念碑の製作会社が墓石を寄付してくれたそうで、これまでに集まったお金はエモリーちゃん専用の口座に貯金され、将来必要な時に引き出すことになるという。
ちなみにエモリーちゃんは美容とメイクアップに興味があり、将来はYouTubeスターになりたいとのことで、このニュースには次のようなコメントが寄せられた。
「この子はエンジェル。ママは誇りに思っているだろう。」
「まだ7歳で母を亡くし、母の墓石のためにレモネードを売らなければならないなんて心が痛む。この子は本当に素晴らしいよ。」
「この子と家族を支えてくれた地域の人たちに感謝したいね。」
「美しい心を持った子だよ。」
「この子の悲しみを思うとつらい。本当に勇敢でたくましいと思う。」
「この子の将来が素敵なものでありますように。」
「夢が叶うことを祈っているよ!」
なお2022年には、父親を自死で亡くした米ウィスコンシン州在住の女児がレモネードスタンドを開き、集まったお金を心の病気を抱える人をサポートする団体に寄付していた。女児には「親を亡くした苦しみを、他の人には味わってほしくない」との強い思いがあったという。
画像は『FOX 8 News 「7-year-old sells lemonade to help purchase mother’s tombstone」』『Steve Belvin Facebook「Come on everyone she out here selling here lemon are let’s help her out」』『WDBJ 「7-year-old raises nearly $10,000 for mother’s headstone with lemonade stand」(Source: WAFF)』『People.com 「After Learning Her Dad Died of Suicide, 8-Year-Old Sets Up Lemonade Stand to Raise Money for Awareness」(PHOTO: COURTESY BRITTANY BRUNETTE-THIMMESCH)』『Hillary Kelly Weidner Instagram「these besties did it again!」』『Good Morning America 「Bikers line up at girl’s lemonade stand after mom helps save them during crash」(Daryn Sturch)』『FOX 7 Austin 「6-year-old opens lemonade stand to take mom on date after dad passes away from cancer」(Photo credit: Amanda Campbell)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
アラバマ州ジャクソン郡スコッツボロに住む1児の母カーリー・ボードナーさん(Karli Bordner)が先月13日、4日後の30歳の誕生日を前に亡くなった。誰もが予想だにしなかった突然死で、カーリーさんは保険に加入しておらず、死因は今も分からないままだという。
カーリーさんのそれまでの人生は決して平坦とは言えず、生前は母ジェニファー・ボードナーさん(Jennifer Bordner)、娘エモリー・ジョンソンちゃん(Emouree Johnson、7)と一緒に暮らしていた。
エモリーちゃんの存在はカーリーさんにとって生きがいだったそうで、「人生を立て直し、いつか自分の家で娘と2人で住みたい」という夢を持ち、ファストフードチェーン「クリスタル(Krystal)」でシフトスーパーバイザーとして必死に働いていたという。
そんなカーリーさんの急死を、家族は衝撃をもって受け止めるしかなかったが、ジェニファーさんはすぐに「葬儀代を払えない」という厳しい現実に直面した。そして葬儀代の捻出に奔走するなか、エモリーちゃんは祖母にこう申し出た。
「レモネードスタンドを設置して、母の墓石を買いたい。」
こうして祖母の協力で、自宅前に小さなレモネードスタンドを設置したエモリーちゃんは、たった4個のレモンで作ったレモネードの販売を始めた。そして祖母にお願いし、レモネードスタンドでの写真をFacebookに投稿してもらったところ、これが奇跡を巻き起こしたのだった。
エモリーちゃんのレモネードスタンドにはそれ以来、近所の住民だけでなく、消防隊員、看護師、警察官などコミュニティーのメンバーが次々とやって来た。それも1カップ1ドル(約154円)のレモネードにチップを払う人が多く、中には100ドル札を置いていく人もいたそうだ。またエモリーちゃんに洋服などを手渡すなど、多くの人が家族に寄り添い、温かい言葉をかけてくれたという。
そんな善意の輪の広がりに対し、ジェニファーさんは「地域のみんながやって来てくれてね…。きっと娘も天国から見ていてくれると思うわ」と涙を流して喜び、次のように述べた。
「これは、困難な状況下での神様からの贈り物のような気がしているの。みんなが来てくれたことでエモリーは笑顔になり、私も感激で圧倒されているわ。だってコミュニティーがこうやって協力するのをこれまで見たことがないし、本当に特別なことだから…。みんなには心から感謝しているの。」
一方でエモリーちゃんは、「レモネードを作ることで、こんなに多くの人が私の家に来てくれるなんて思いもしなかった。これは楽しいことでもあるし、それと同時に信じられない思いでいるわ」と笑顔で語っていた。
ジェニファーさんによると、エモリーちゃんはとても意志が強く、傷ついている人いたら、そばに行って手を差し伸べるような優しい子だそうで、最初の1週間で1万ドル(約154万円)近くが集まったという。また一家は、クラウドファンディングサイト「GoFundMe」でも寄付を募り、カーリーさんの葬儀は無事、18日に執り行うことができたようだ。
さらに一家のことを知った記念碑の製作会社が墓石を寄付してくれたそうで、これまでに集まったお金はエモリーちゃん専用の口座に貯金され、将来必要な時に引き出すことになるという。
ちなみにエモリーちゃんは美容とメイクアップに興味があり、将来はYouTubeスターになりたいとのことで、このニュースには次のようなコメントが寄せられた。
「この子はエンジェル。ママは誇りに思っているだろう。」
「まだ7歳で母を亡くし、母の墓石のためにレモネードを売らなければならないなんて心が痛む。この子は本当に素晴らしいよ。」
「この子と家族を支えてくれた地域の人たちに感謝したいね。」
「美しい心を持った子だよ。」
「この子の悲しみを思うとつらい。本当に勇敢でたくましいと思う。」
「この子の将来が素敵なものでありますように。」
「夢が叶うことを祈っているよ!」
なお2022年には、父親を自死で亡くした米ウィスコンシン州在住の女児がレモネードスタンドを開き、集まったお金を心の病気を抱える人をサポートする団体に寄付していた。女児には「親を亡くした苦しみを、他の人には味わってほしくない」との強い思いがあったという。
画像は『FOX 8 News 「7-year-old sells lemonade to help purchase mother’s tombstone」』『Steve Belvin Facebook「Come on everyone she out here selling here lemon are let’s help her out」』『WDBJ 「7-year-old raises nearly $10,000 for mother’s headstone with lemonade stand」(Source: WAFF)』『People.com 「After Learning Her Dad Died of Suicide, 8-Year-Old Sets Up Lemonade Stand to Raise Money for Awareness」(PHOTO: COURTESY BRITTANY BRUNETTE-THIMMESCH)』『Hillary Kelly Weidner Instagram「these besties did it again!」』『Good Morning America 「Bikers line up at girl’s lemonade stand after mom helps save them during crash」(Daryn Sturch)』『FOX 7 Austin 「6-year-old opens lemonade stand to take mom on date after dad passes away from cancer」(Photo credit: Amanda Campbell)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)