チャールズ国王が、君主に即位後初めてとなる肖像画を公開した。バッキンガム宮殿でお披露目されたのは、高さが2.6メートルもある巨大なキャンバスに描かれた油絵だ。王室ファンはSNSで「素晴らしい!」と称賛したものの、肖像画全体が赤色で覆われていたことから「地獄にいるよう」「これまでで最悪の肖像画」と困惑する声も見受けられた。
現地時間14日午後、チャールズ国王の即位後初となる肖像画の除幕式がバッキンガム宮殿の「青の客間(ブルー・ドローイング・ルーム)」で行われた。
国王は、高さがおよそ2.6メートルもある青い布で覆われた巨大なキャンバスの前に立つと、赤い紐を引いて肖像画を披露した。
新たな肖像画は、チャールズ皇太子(当時)が2022年に慈善団体「ドレイパーズ・カンパニー」のメンバーとして50年目を迎えることに先立ち、2020年に英国人アーティストのジョナサン・ヨー氏に依頼されたものだ。
「ドレイパーズ・カンパニー」はあらゆる慈善分野を手掛ける団体で、特に教育、受刑者のリハビリテーション、高齢者のケアに重点を置いている。
ジョナサン氏は2021年6月から2023年11月にかけて、英グロスターシャー州にある国王の私邸ハイグローブとロンドンの自宅クラレンス・ハウスでそれぞれ4回、国王をモデルにデッサンを描き、その合間にロンドンのスタジオで制作に取り組んだ。
肖像画が制作される間、2022年9月にエリザベス女王が崩御し、翌年5月にはチャールズ国王の戴冠式が執り行われるという大きな出来事があった。
そうして完成した肖像画は、チャールズ国王が1975年から連隊大佐を務める、イギリス近衛連隊ウェルシュガーズの軍服を着た姿だ。国王は両手で剣を支えており、肩には蝶が近づく様子が描かれている。絵画全体は、ウェルシュガーズの軍服の色である赤で覆われている。
ジョナサン氏はこの配色について、自身の公式ウェブサイトで「ユニフォームの真っ赤な上衣と重なり、多くの歴史的肖像画に見られるように王家の伝統と共鳴するだけでなく、力強い色合いで伝統的な描写に現代的なコントラストを与えている」と説明した。
さらに国王の肩の上で舞う蝶は、イングランド王ウィリアム3世にちなんで名付けられた「The Monarch butterfly(オオカバマダラ)」という種類だ。越冬のために長距離を移動することから、気候変動による影響を最も受けている蝶でもある。
ジョナサン氏は蝶を加えたことについて、「自然の美しさと不安定さの象徴であり、国王がその生涯の大半を費やして提唱してきた、環境保護活動を浮き彫りにするもの」と述べ、こう続けた。
「(蝶は)構図的な目的も兼ねており、軍服と剣の軍事的な鋼鉄さとの視覚的なコントラストを提供している。美術史において、蝶はしばしば変態と再生の象徴である。この肖像画が制作された時期である、皇太子から君主への変遷とも類似している。」
バッキンガム宮殿の公式SNSが新たな肖像画を披露すると、王室ファンは「伝統的な肖像画とは一線を画す、美しい絵画だ」「驚いた! 素晴らしい」「とても才能あるアーティストだ。ゴッド・セイブ・ザ・キング!」と称賛した。
しかし一方で、赤で覆われた肖像画に困惑した人も多かったようで、このようなコメントも見受けられた。
「良く分からないけど…なんだか怖い気がする。」
「申し訳ないが、国王が地獄にいるように見えるよ。」
「無礼な意味はないけど、これまで見た中で最悪の王室の肖像画だわ。」
「顔は素晴らしいけど、その他は血の海のように見える。」
画像は『The Royal Family Instagram「The King is pictured in the Centre Room at Buckingham Palace during the filming of this year’s Christmas Broadcast.」「It was a privilege and pleasure to have been commissioned by The Drapers’ Company to paint this portrait of His Majesty The King,」』より
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)
現地時間14日午後、チャールズ国王の即位後初となる肖像画の除幕式がバッキンガム宮殿の「青の客間(ブルー・ドローイング・ルーム)」で行われた。
国王は、高さがおよそ2.6メートルもある青い布で覆われた巨大なキャンバスの前に立つと、赤い紐を引いて肖像画を披露した。
新たな肖像画は、チャールズ皇太子(当時)が2022年に慈善団体「ドレイパーズ・カンパニー」のメンバーとして50年目を迎えることに先立ち、2020年に英国人アーティストのジョナサン・ヨー氏に依頼されたものだ。
「ドレイパーズ・カンパニー」はあらゆる慈善分野を手掛ける団体で、特に教育、受刑者のリハビリテーション、高齢者のケアに重点を置いている。
ジョナサン氏は2021年6月から2023年11月にかけて、英グロスターシャー州にある国王の私邸ハイグローブとロンドンの自宅クラレンス・ハウスでそれぞれ4回、国王をモデルにデッサンを描き、その合間にロンドンのスタジオで制作に取り組んだ。
肖像画が制作される間、2022年9月にエリザベス女王が崩御し、翌年5月にはチャールズ国王の戴冠式が執り行われるという大きな出来事があった。
そうして完成した肖像画は、チャールズ国王が1975年から連隊大佐を務める、イギリス近衛連隊ウェルシュガーズの軍服を着た姿だ。国王は両手で剣を支えており、肩には蝶が近づく様子が描かれている。絵画全体は、ウェルシュガーズの軍服の色である赤で覆われている。
ジョナサン氏はこの配色について、自身の公式ウェブサイトで「ユニフォームの真っ赤な上衣と重なり、多くの歴史的肖像画に見られるように王家の伝統と共鳴するだけでなく、力強い色合いで伝統的な描写に現代的なコントラストを与えている」と説明した。
さらに国王の肩の上で舞う蝶は、イングランド王ウィリアム3世にちなんで名付けられた「The Monarch butterfly(オオカバマダラ)」という種類だ。越冬のために長距離を移動することから、気候変動による影響を最も受けている蝶でもある。
ジョナサン氏は蝶を加えたことについて、「自然の美しさと不安定さの象徴であり、国王がその生涯の大半を費やして提唱してきた、環境保護活動を浮き彫りにするもの」と述べ、こう続けた。
「(蝶は)構図的な目的も兼ねており、軍服と剣の軍事的な鋼鉄さとの視覚的なコントラストを提供している。美術史において、蝶はしばしば変態と再生の象徴である。この肖像画が制作された時期である、皇太子から君主への変遷とも類似している。」
バッキンガム宮殿の公式SNSが新たな肖像画を披露すると、王室ファンは「伝統的な肖像画とは一線を画す、美しい絵画だ」「驚いた! 素晴らしい」「とても才能あるアーティストだ。ゴッド・セイブ・ザ・キング!」と称賛した。
しかし一方で、赤で覆われた肖像画に困惑した人も多かったようで、このようなコメントも見受けられた。
「良く分からないけど…なんだか怖い気がする。」
「申し訳ないが、国王が地獄にいるように見えるよ。」
「無礼な意味はないけど、これまで見た中で最悪の王室の肖像画だわ。」
「顔は素晴らしいけど、その他は血の海のように見える。」
画像は『The Royal Family Instagram「The King is pictured in the Centre Room at Buckingham Palace during the filming of this year’s Christmas Broadcast.」「It was a privilege and pleasure to have been commissioned by The Drapers’ Company to paint this portrait of His Majesty The King,」』より
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)