今月21日、英ロンドンからシンガポールに向けてフライト中だったシンガポール航空機が、激しい乱気流に巻き込まれた。機内でシートベルトをしていなかった人々が座席から投げ出され、少なくとも30人以上が負傷し、イギリス在住の73歳男性が死亡した。男性は妻とともに、楽しみにしていた6週間の旅行へ出発するところだったという。米ニュースメディア『New York Post』などが報じた。
激しい乱気流に見舞われたのは、シンガポール航空(Singapore Airlines)が運航していたボーイング777-300ER型機だ。211人の搭乗客と18人のクルーを乗せた同機は、英ロンドンを出発し、シンガポールへ向けてのフライト中に乱気流に見舞われて急降下した。
同機に搭乗していたザフラン・アズミアーさん(Dzafran Azmir、28)は、当時の状況を「突然、飛行機が傾き始め、揺れが強くなったので、何かが起こるのではないかと身構えていました。そして急降下が始まり、シートベルトを着用していなかった人たちは全員、天井に投げ出されました。荷物棚にぶつかった人や、照明や酸素マスクがある場所にぶつかり、壊してしまった人もいました」と語った。
同じく搭乗客の1人であるアンドリュー・デイヴィスさん(Andrew Davies)は、乱気流に巻き込まれた時のことをこう振り返る。
「大勢が怪我をしましたが、客室乗務員は冷静にできる限りのことをしていました。急降下の前に、警告はほとんどありませんでしたね。シートベルト着用サインが点灯したので、すぐにシートベルトを締めましたが、その直後に飛行機が急降下したんです。」
「荷物が散乱し、コーヒーや水が天井に飛び散りました。現実離れした光景でしたよ。怪我人が多数いて、頭や耳から出血している人もいました。ある女性は腰を痛めて悲鳴を上げていましたが、私はどうすることもできませんでした。」
機内を撮影した写真では、天井が壊れ、格納されていた酸素マスクがぶら下がっている様子や、乗客の荷物や機内サービス用のトレー、飲食物が床に散乱している様子が確認できる。
飛行中の民間航空機の現在位置をリアルタイム表示する「フライトレーダー24(Flightradar24)」の追跡データによると、飛行開始から約11時間後、同機はインド洋のアンダマン海上空を飛行中に、わずか5分間で約37,000フィート(約11,300メートル)から31,000フィート(約9,450メートル)まで急降下していた。そして約10分間、31,000フィートを維持した後の現地時間午後3時45分、タイのバンコクに緊急着陸した。
現地で待機していた救急隊がすぐに負傷者を機内から運び出し、滑走路上で手当を行い、重傷者は救急車で病院に運ばれた。搬送された負傷者のうち、英グロスターシャー州ソーンベリーに住むジェフリー・ラルフ・キッチンさん(Geoffrey Ralph Kitchen、73)が、心臓発作により死亡した。ジェフリーさんは機体が揺れた際に、強く叩きつけられてしまったのではないかと推測されている。
ジェフリーさんは、東南アジアやインドネシア、オーストラリアなどを巡る6週間の旅行のために搭乗していた。隣人のスティーブ・ディモンドさん(Steve Dimond、73)は、「夫婦は冒険好きで、長期間かけて旅行の計画をしていましたよ。旅行で会えなくなるからと、出発前の週末はお孫さんと過ごしていました」と話している。
シンガポール航空は、「亡くなられた方のご遺族に心からのお悔やみを申し上げます。そして今回のフライトで、乗客と乗務員が経験したトラウマとなるような出来事について、深くお詫び申し上げます。機内のすべての乗客と乗務員に、可能な限りの支援を提供することを最優先事項としています。タイの地元当局と協力して必要な医療支援を提供し、バンコクにチームを派遣して、必要な追加の支援を提供しています」とコメントを公表した。
画像は『Metro 「Man who died on flight hit by severe turbulence was on ‘trip of a lifetime’ with wife」(Picture: Viralpress)(Picture: REUTERS)』『Diana Assis Instagram』『joe justice X「More photos of the insane turbulence on DL5796 today, operates by @Compassairlines.」』『New York Post 「At least 50 injured, one critically, after plane nosedives, sending bloodied passengers crashing into the ceiling」(Supplied to NZ Herald)』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)
激しい乱気流に見舞われたのは、シンガポール航空(Singapore Airlines)が運航していたボーイング777-300ER型機だ。211人の搭乗客と18人のクルーを乗せた同機は、英ロンドンを出発し、シンガポールへ向けてのフライト中に乱気流に見舞われて急降下した。
同機に搭乗していたザフラン・アズミアーさん(Dzafran Azmir、28)は、当時の状況を「突然、飛行機が傾き始め、揺れが強くなったので、何かが起こるのではないかと身構えていました。そして急降下が始まり、シートベルトを着用していなかった人たちは全員、天井に投げ出されました。荷物棚にぶつかった人や、照明や酸素マスクがある場所にぶつかり、壊してしまった人もいました」と語った。
同じく搭乗客の1人であるアンドリュー・デイヴィスさん(Andrew Davies)は、乱気流に巻き込まれた時のことをこう振り返る。
「大勢が怪我をしましたが、客室乗務員は冷静にできる限りのことをしていました。急降下の前に、警告はほとんどありませんでしたね。シートベルト着用サインが点灯したので、すぐにシートベルトを締めましたが、その直後に飛行機が急降下したんです。」
「荷物が散乱し、コーヒーや水が天井に飛び散りました。現実離れした光景でしたよ。怪我人が多数いて、頭や耳から出血している人もいました。ある女性は腰を痛めて悲鳴を上げていましたが、私はどうすることもできませんでした。」
機内を撮影した写真では、天井が壊れ、格納されていた酸素マスクがぶら下がっている様子や、乗客の荷物や機内サービス用のトレー、飲食物が床に散乱している様子が確認できる。
飛行中の民間航空機の現在位置をリアルタイム表示する「フライトレーダー24(Flightradar24)」の追跡データによると、飛行開始から約11時間後、同機はインド洋のアンダマン海上空を飛行中に、わずか5分間で約37,000フィート(約11,300メートル)から31,000フィート(約9,450メートル)まで急降下していた。そして約10分間、31,000フィートを維持した後の現地時間午後3時45分、タイのバンコクに緊急着陸した。
現地で待機していた救急隊がすぐに負傷者を機内から運び出し、滑走路上で手当を行い、重傷者は救急車で病院に運ばれた。搬送された負傷者のうち、英グロスターシャー州ソーンベリーに住むジェフリー・ラルフ・キッチンさん(Geoffrey Ralph Kitchen、73)が、心臓発作により死亡した。ジェフリーさんは機体が揺れた際に、強く叩きつけられてしまったのではないかと推測されている。
ジェフリーさんは、東南アジアやインドネシア、オーストラリアなどを巡る6週間の旅行のために搭乗していた。隣人のスティーブ・ディモンドさん(Steve Dimond、73)は、「夫婦は冒険好きで、長期間かけて旅行の計画をしていましたよ。旅行で会えなくなるからと、出発前の週末はお孫さんと過ごしていました」と話している。
シンガポール航空は、「亡くなられた方のご遺族に心からのお悔やみを申し上げます。そして今回のフライトで、乗客と乗務員が経験したトラウマとなるような出来事について、深くお詫び申し上げます。機内のすべての乗客と乗務員に、可能な限りの支援を提供することを最優先事項としています。タイの地元当局と協力して必要な医療支援を提供し、バンコクにチームを派遣して、必要な追加の支援を提供しています」とコメントを公表した。
画像は『Metro 「Man who died on flight hit by severe turbulence was on ‘trip of a lifetime’ with wife」(Picture: Viralpress)(Picture: REUTERS)』『Diana Assis Instagram』『joe justice X「More photos of the insane turbulence on DL5796 today, operates by @Compassairlines.」』『New York Post 「At least 50 injured, one critically, after plane nosedives, sending bloodied passengers crashing into the ceiling」(Supplied to NZ Herald)』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)