アメリカのある女性は、1年前に永遠の別れを告げたはずの愛犬が動物保護団体にいることを知った。女性は獣医の勧めにより病気の愛犬を安楽死させたそうだが、現在は保護団体に対して愛犬の返還を求めているという。英ニュースメディア『UNILAD』などが伝えている。
米テキサス州サンアントニオ在住のクリスティー・ペレイラさん(Kristie Pereira、32)は2022年12月10日、当時住んでいたメリーランド州にある動物保護団体「ロストドッグ&キャットレスキュー基金(Lost Dog & Cat Rescue Foundation)」から“アモス・ハート(Amos Hart)”という名前の生後2か月の子犬を家族に迎え、“ボー(Beau)”と名付けて溺愛していた。
しかし2023年3月、クリスティーさんはボーの様子がおかしいことに気付き、獣医に診てもらうことにした。するとボーの肝臓に問題があることが判明し、しばらく投薬治療を続けた。ところが改善する様子は見られず、最終的に獣医から「痛みを引き起こす神経系の病気を患っている」と言われたそうだ。
クリスティーさんは、「ボーは眠らず、食事もせず、ただ泣き叫び続け、明らかに苦しそうだったので、動物救急病院に連れていきました」と当時を振り返る。また獣医からは、ボーの症状について詳しい検査をするには1万2000ドル(約189万円)がかかり、「確実に原因が見つかる保証はなく、治療できる可能性も低いため安楽死が最善の策」と告げられてしまったという。
その後、クリスティーさんはボーの症状が和らぐことを願って様子を見ていたが、容体は悪化するばかりで最終的にボーの安楽死を決断した。そして2023年3月下旬にメリーランド州ダーウッドにある「モンゴメリー郡アニマルサービス」へボーを連れていき、安楽死させるために15ドル(約2400円)を支払ったそうだ。
同アニマルサービスでは飼い主が立ち会うことを許可していないため、クリスティーさんはボーに別れを告げて施設を後にした。そんな悲痛な出来事から1年以上が経ち、クリスティーさんは新たに犬を迎えることにし、ボーを引き取った「ロストドッグ&キャットレスキュー基金」のウェブサイトをのぞいてみることにした。
するとクリスティーさんは、ボーにそっくりで、ボーの以前の名前と同じ“アモス・ハート”という保護犬を見つけた。驚いた彼女は、すぐにボーの安楽死を依頼した「モンゴメリー郡アニマルサービス」に電話したところ、「施設の獣医による診断で神経系の病気が見つからなかったため、安楽死はしていない」との答えが返ってきた。
のちにボーは、施設から「ロストドッグ&キャットレスキュー基金」に返され、肝臓の病気を治療するために7000ドル(約110万円)かけた手術を受けた後、徐々に回復していったという。クリスティーさんは「手術費用を払うので、ボーを返してほしい」と懇願したが、「二度と戻ることはありません」と言われ、彼女がボーを捨てて死なせてしまったかのように非難されたそうだ。
この出来事は地元メディアが大きく取り上げたことで、クリスティーさんに同情の声が集まった。一方で「ロストドッグ&キャットレスキュー基金」は「真実が捻じ曲げられて伝えられている」と主張し、声明でこのように述べている。
「私たちは、安楽死のためにペットを施設に渡した元飼い主(クリスティーさん)に再び戻すことはありません。それが私たちの『譲渡可能なペットを安楽死から救う』という基本的な使命であるからです。元飼い主はペットを手放すという決断を下す前に、ありとあらゆる手段を検討し尽くしたとは思っています。」
「しかし、彼女が(安楽死に立ち会えない)市営のシェルターにペットを連れていった理由が私たちには理解できません。なぜなら私たちは、彼女に『安楽死に立ち会える獣医のところへ行くように』と伝えていたからです。」
「2023年3月、元飼い主は2人の獣医がアモス(ボー)について『生活の質に影響を与えている神経疾患を患っていると診断し、安楽死を検討している』と私たちに報告してきました。私たちは『安楽死の際にはそばについていてほしい』とアドバイスしました。私たちはペットが安らかに旅立つ時、飼い主がそばにいることの重要性を伝えたのです。」
「もし、彼女がやむを得ない理由でそばにいてあげられないというのであれば、私たちがアモスを引き取ると伝えました。その後、彼女からアモスについての連絡を受けることは一切ありませんでした。」
「ロストドッグ&キャットレスキュー基金」は、ボーが安楽死させられるほどの疾患を患ってはいないと「モンゴメリー郡アニマルサービス」から連絡を受け、ボーを再び保護したという。声明の中で「安楽死の際にはそばにいるように」と伝えたことと、「元飼い主(クリスティーさん)を非難したとの主張を否定する」と強調しており、クリスティーさんの主張と少し食い違いがあるようだ。
ボーは現在、健康面に問題がなくなったことで“アモス・ハート”という元の名前で里親を募っている。
画像は『UNILAD 「Woman who had her puppy put down spots him alive a year later and wants him back」(Fox 5/YouTube)』『Chrissy TikTok「I can’t believe today marks 1 year with you.」』『El Periódico Mediterráneo 「Una clínica veterinaria de Castellón salva la vida a un perro al que nadie quería operar」(JAVIER FLORES)』『New York Post 「United Airlines pilot adopts dog abandoned at San Francisco airport」(United Airlines)』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)
米テキサス州サンアントニオ在住のクリスティー・ペレイラさん(Kristie Pereira、32)は2022年12月10日、当時住んでいたメリーランド州にある動物保護団体「ロストドッグ&キャットレスキュー基金(Lost Dog & Cat Rescue Foundation)」から“アモス・ハート(Amos Hart)”という名前の生後2か月の子犬を家族に迎え、“ボー(Beau)”と名付けて溺愛していた。
しかし2023年3月、クリスティーさんはボーの様子がおかしいことに気付き、獣医に診てもらうことにした。するとボーの肝臓に問題があることが判明し、しばらく投薬治療を続けた。ところが改善する様子は見られず、最終的に獣医から「痛みを引き起こす神経系の病気を患っている」と言われたそうだ。
クリスティーさんは、「ボーは眠らず、食事もせず、ただ泣き叫び続け、明らかに苦しそうだったので、動物救急病院に連れていきました」と当時を振り返る。また獣医からは、ボーの症状について詳しい検査をするには1万2000ドル(約189万円)がかかり、「確実に原因が見つかる保証はなく、治療できる可能性も低いため安楽死が最善の策」と告げられてしまったという。
その後、クリスティーさんはボーの症状が和らぐことを願って様子を見ていたが、容体は悪化するばかりで最終的にボーの安楽死を決断した。そして2023年3月下旬にメリーランド州ダーウッドにある「モンゴメリー郡アニマルサービス」へボーを連れていき、安楽死させるために15ドル(約2400円)を支払ったそうだ。
同アニマルサービスでは飼い主が立ち会うことを許可していないため、クリスティーさんはボーに別れを告げて施設を後にした。そんな悲痛な出来事から1年以上が経ち、クリスティーさんは新たに犬を迎えることにし、ボーを引き取った「ロストドッグ&キャットレスキュー基金」のウェブサイトをのぞいてみることにした。
するとクリスティーさんは、ボーにそっくりで、ボーの以前の名前と同じ“アモス・ハート”という保護犬を見つけた。驚いた彼女は、すぐにボーの安楽死を依頼した「モンゴメリー郡アニマルサービス」に電話したところ、「施設の獣医による診断で神経系の病気が見つからなかったため、安楽死はしていない」との答えが返ってきた。
のちにボーは、施設から「ロストドッグ&キャットレスキュー基金」に返され、肝臓の病気を治療するために7000ドル(約110万円)かけた手術を受けた後、徐々に回復していったという。クリスティーさんは「手術費用を払うので、ボーを返してほしい」と懇願したが、「二度と戻ることはありません」と言われ、彼女がボーを捨てて死なせてしまったかのように非難されたそうだ。
この出来事は地元メディアが大きく取り上げたことで、クリスティーさんに同情の声が集まった。一方で「ロストドッグ&キャットレスキュー基金」は「真実が捻じ曲げられて伝えられている」と主張し、声明でこのように述べている。
「私たちは、安楽死のためにペットを施設に渡した元飼い主(クリスティーさん)に再び戻すことはありません。それが私たちの『譲渡可能なペットを安楽死から救う』という基本的な使命であるからです。元飼い主はペットを手放すという決断を下す前に、ありとあらゆる手段を検討し尽くしたとは思っています。」
「しかし、彼女が(安楽死に立ち会えない)市営のシェルターにペットを連れていった理由が私たちには理解できません。なぜなら私たちは、彼女に『安楽死に立ち会える獣医のところへ行くように』と伝えていたからです。」
「2023年3月、元飼い主は2人の獣医がアモス(ボー)について『生活の質に影響を与えている神経疾患を患っていると診断し、安楽死を検討している』と私たちに報告してきました。私たちは『安楽死の際にはそばについていてほしい』とアドバイスしました。私たちはペットが安らかに旅立つ時、飼い主がそばにいることの重要性を伝えたのです。」
「もし、彼女がやむを得ない理由でそばにいてあげられないというのであれば、私たちがアモスを引き取ると伝えました。その後、彼女からアモスについての連絡を受けることは一切ありませんでした。」
「ロストドッグ&キャットレスキュー基金」は、ボーが安楽死させられるほどの疾患を患ってはいないと「モンゴメリー郡アニマルサービス」から連絡を受け、ボーを再び保護したという。声明の中で「安楽死の際にはそばにいるように」と伝えたことと、「元飼い主(クリスティーさん)を非難したとの主張を否定する」と強調しており、クリスティーさんの主張と少し食い違いがあるようだ。
ボーは現在、健康面に問題がなくなったことで“アモス・ハート”という元の名前で里親を募っている。
画像は『UNILAD 「Woman who had her puppy put down spots him alive a year later and wants him back」(Fox 5/YouTube)』『Chrissy TikTok「I can’t believe today marks 1 year with you.」』『El Periódico Mediterráneo 「Una clínica veterinaria de Castellón salva la vida a un perro al que nadie quería operar」(JAVIER FLORES)』『New York Post 「United Airlines pilot adopts dog abandoned at San Francisco airport」(United Airlines)』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)