米オレゴン州東部で今月2日、トラックを運転中の62歳の男性が渓谷に転落して重傷を負った。男性の命を救ったのは同乗していた中型のオス犬で、友人が待つ6キロ以上離れたキャンプ場まで走り、飼い主の危機を知らせたという。米ニュースメディア『New York Times』などが伝えた。
事故にあったのはブランドン・ギャレットさん(Brandon Garrett、62)で、深い渓谷と絶景で知られるヘルズ・キャニオン国立保養地をトラックで移動中だった。
ブランドンさんは友人が待つキャンプ地に4頭の飼い犬を連れて向かっており、トラックはカーブを曲がり切れず、ガードレールがない川沿いの土手を転落して横転した。
そしてなんとかトラックから脱出したブランドンさんはその後、約91メートル(100ヤード)ほどの距離を這って移動したが、現場は道路を走行する車からは見えない場所で、動けぬまま不安な夜を過ごしたのだった。
一方、飼い犬でウィペットの“ブルー(Blue)”は事故後、約6.4キロ(4マイル)の森の中を駆け抜け、ブランドンさんの友人が待つキャンプ地まで助けを求めてやってきたという。ブルーは以前、このキャンプ地を訪れたことがあり、友人は数時間前に到着しているはずのブランドンさんがなかなか現れないことで気を揉み、ブルーを見て「何かあったに違いない」とピンと来たそうだ。
こうして家族や友人らは2日夜、ブランドンさんの捜索を開始。翌朝の9時半頃、ブランドンさんの兄弟タイリーさん(Tyree)が渓谷に転落したトラックを発見した。
タイリーさんによると、トラックのそばには怪我をした犬たちが横になっていて、ブランドンさんの名前を呼んでも反応がなかったそうで、当時のことをこう振り返る。
「心臓が止まるかと思い、『あれでは助からないだろう』と衝撃を受けました。あの夜は雨が降っていて寒かったし、彼が生きているとは考えられなかったです。」
現場の土手は急で、車がある場所まで降りるにはラペリング(急峻な斜面や岩壁など高所からの懸垂下降)に使う道具が必要だったため、タイリーさんはその後、携帯電話が繋がる場所まで車で移動してベーカー郡保安官事務所に通報した。
現場に急行した救急隊は、ブランドンさんが助けを求めて叫ぶ声を聞き、まずはチェーンソーを使って道を切り開いた。そしてブランドンさんを見つけるとロープで繋いだバスケット担架に乗せて引き揚げ、救急ヘリコプターで近くの病院に搬送した。
タイリーさんはブランドンさんの容体について、「足首にヒビが入り、体は打撲傷が相当ひどい。年も年だし、自分の足で歩けるようになるまでには時間がかかるだろうね」と明かし、飼い犬たちについては「1頭は股関節を骨折し、大腿骨に怪我をしていた。そしてもう1頭は脚を2か所骨折していたよ」と語っていた。
なおブランドンさんの救助には米国森林局、ベーカー郡サーチ&レスキューや地元消防隊のボランティアなどが関わっており、ベーカー郡保安官事務所は4日、Facebookで感謝の言葉を綴っていた。
そしてこのニュースには、「素晴らしいチームワーク」「いい仕事をしたね」「この事故で生きていたのは本当にラッキーだったね」「ブルー、よくやった」「ブルーの写真を見たい」といったコメントが相次ぎ、ベーカー郡保安官事務所は11日、ブランドンさんとブルーの写真を改めて投稿。「早く良くなるといいね」といった声が多数寄せられた。
ちなみに2021年にはイギリスで、山登り中に発作を起こして意識を失った飼い主に対し、愛犬2匹が見事なチームワークで助けを呼び話題となっていた。
画像は『Baker County Sheriff’s Office Facebook「Press Release: Halfway Man Rescued After Car Crash Leaves Him Stranded Overnight」「We understand folks have been patiently waiting to see a photo of Blue」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
事故にあったのはブランドン・ギャレットさん(Brandon Garrett、62)で、深い渓谷と絶景で知られるヘルズ・キャニオン国立保養地をトラックで移動中だった。
ブランドンさんは友人が待つキャンプ地に4頭の飼い犬を連れて向かっており、トラックはカーブを曲がり切れず、ガードレールがない川沿いの土手を転落して横転した。
そしてなんとかトラックから脱出したブランドンさんはその後、約91メートル(100ヤード)ほどの距離を這って移動したが、現場は道路を走行する車からは見えない場所で、動けぬまま不安な夜を過ごしたのだった。
一方、飼い犬でウィペットの“ブルー(Blue)”は事故後、約6.4キロ(4マイル)の森の中を駆け抜け、ブランドンさんの友人が待つキャンプ地まで助けを求めてやってきたという。ブルーは以前、このキャンプ地を訪れたことがあり、友人は数時間前に到着しているはずのブランドンさんがなかなか現れないことで気を揉み、ブルーを見て「何かあったに違いない」とピンと来たそうだ。
こうして家族や友人らは2日夜、ブランドンさんの捜索を開始。翌朝の9時半頃、ブランドンさんの兄弟タイリーさん(Tyree)が渓谷に転落したトラックを発見した。
タイリーさんによると、トラックのそばには怪我をした犬たちが横になっていて、ブランドンさんの名前を呼んでも反応がなかったそうで、当時のことをこう振り返る。
「心臓が止まるかと思い、『あれでは助からないだろう』と衝撃を受けました。あの夜は雨が降っていて寒かったし、彼が生きているとは考えられなかったです。」
現場の土手は急で、車がある場所まで降りるにはラペリング(急峻な斜面や岩壁など高所からの懸垂下降)に使う道具が必要だったため、タイリーさんはその後、携帯電話が繋がる場所まで車で移動してベーカー郡保安官事務所に通報した。
現場に急行した救急隊は、ブランドンさんが助けを求めて叫ぶ声を聞き、まずはチェーンソーを使って道を切り開いた。そしてブランドンさんを見つけるとロープで繋いだバスケット担架に乗せて引き揚げ、救急ヘリコプターで近くの病院に搬送した。
タイリーさんはブランドンさんの容体について、「足首にヒビが入り、体は打撲傷が相当ひどい。年も年だし、自分の足で歩けるようになるまでには時間がかかるだろうね」と明かし、飼い犬たちについては「1頭は股関節を骨折し、大腿骨に怪我をしていた。そしてもう1頭は脚を2か所骨折していたよ」と語っていた。
なおブランドンさんの救助には米国森林局、ベーカー郡サーチ&レスキューや地元消防隊のボランティアなどが関わっており、ベーカー郡保安官事務所は4日、Facebookで感謝の言葉を綴っていた。
そしてこのニュースには、「素晴らしいチームワーク」「いい仕事をしたね」「この事故で生きていたのは本当にラッキーだったね」「ブルー、よくやった」「ブルーの写真を見たい」といったコメントが相次ぎ、ベーカー郡保安官事務所は11日、ブランドンさんとブルーの写真を改めて投稿。「早く良くなるといいね」といった声が多数寄せられた。
ちなみに2021年にはイギリスで、山登り中に発作を起こして意識を失った飼い主に対し、愛犬2匹が見事なチームワークで助けを呼び話題となっていた。
画像は『Baker County Sheriff’s Office Facebook「Press Release: Halfway Man Rescued After Car Crash Leaves Him Stranded Overnight」「We understand folks have been patiently waiting to see a photo of Blue」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)