野生動物獣医として働く女性が、SNSに1本の動画を公開して話題を呼んでいる。動画には、麻酔を投与されたライオンの口元が映っており、その舌にはApple Watchが巻かれていた。これは心拍を測定するための手段で、大型動物専用の測定機器がないためにApple Watchで代用しているという。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えた。
先月31日に動画をInstagramでシェアしたのは、野生動物獣医として働くオーストラリア出身のクロエ・ブイティングさん(Chloe Buiting)だ。動画はライオンを診察する様子を撮影したもので、麻酔を投与されて眠りに落ちたライオンの顔がアップで映っている。
ライオンは仰向けでいびきをかいてぐっすりと眠っており、口から垂れた大きな舌にはApple Watchが巻かれていた。これはライオンの心拍数を測るための手段で、同僚の野生動物獣医ファビオラ・ケサダ氏(Fabiola Quesada)とブレンダン・ティンダル氏(Brendan Tindall)とともに思い付いたアイディアだった。
クロエさんは投稿で、「ライオンのいびきと、Apple Watchがライオンの心拍を測定できるという発見、どちらがよりすごいことなんでしょう」と綴っている。クロエさんによると、野生動物を診療する際、現場には病院のように様々な医療機器が揃っているわけではないので、どうやって麻酔をかけた状態でモニタリングするのかが課題になっていた。
動物用の心拍測定器はあるものの、ほとんどはライオンよりも小さい動物用のもので、大型動物用の測定器はなかった。しかし、ファビオラ氏がApple Watchで野生動物の心拍を測定できることを発見し、この課題が解決した。大きな機器を持ち運ぶ必要もなく、Apple Watchがあれば心拍を測定することができるという。
Apple社のウェブサイトによると、Apple Watchは“光電式容積脈波記録法”で心拍測定を行っているという。「血液は赤色の光を反射して緑色の光を吸収する」という事実に基づき、緑色のLEDライトと感光性フォトダイオードを組み合わせて血流量を検出し、光の吸収量の変化を用いて心拍数が算出される。
クロエさんは他の動物でもApple Watchを活用できるか試したそうで、ゾウの耳に貼り付けて心拍を測ることができたという。
テクノロジーの発展により、Apple Watchの他にも絶滅危惧種の位置をリアルタイムで追跡するGPS機能付き首輪や、熱探知カメラ、ドローンなども密猟対策に役立っているとクロエさんは説明しており、「Apple社はこんな使い方を想定していなかったと思いますが、自然保護におけるテクノロジーの進歩は素晴らしいです。テクノロジーが持つ信じられないほどの可能性と、絶滅の危機に瀕している動物たちの希望を思い出させてくれます」と語っている。
ちなみに2022年9月には、健康診断を受けていたゴリラが、不安で看護師の手を握る姿が捉えられ、「ゴリラだって病院が怖い」と話題を呼んでいた。
この投稿をInstagramで見る Dr Chloe Buiting | Wildlife Vet(@jungle_doctor)がシェアした投稿
画像は『Dr Chloe Buiting | Wildlife Vet Instagram「Back home on Kangaroo Island and hitting the ground running out at the makeshift wildlife hospital」「I don’t know what’s more impressive…」』『LADbible 「Gorilla clutches nurse’s hand as he undergoes health check」(Credit: Caters News Agency)』『Yorkshire Wildlife Park X「What happens when a Polar Bear has tooth ache?」』『Care for Wild Rhino Sanctuary Facebook「FIRST EVER CT SCAN ON A LIVE ADULT RHINO IN SOUTH AFRICA!」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)
先月31日に動画をInstagramでシェアしたのは、野生動物獣医として働くオーストラリア出身のクロエ・ブイティングさん(Chloe Buiting)だ。動画はライオンを診察する様子を撮影したもので、麻酔を投与されて眠りに落ちたライオンの顔がアップで映っている。
ライオンは仰向けでいびきをかいてぐっすりと眠っており、口から垂れた大きな舌にはApple Watchが巻かれていた。これはライオンの心拍数を測るための手段で、同僚の野生動物獣医ファビオラ・ケサダ氏(Fabiola Quesada)とブレンダン・ティンダル氏(Brendan Tindall)とともに思い付いたアイディアだった。
クロエさんは投稿で、「ライオンのいびきと、Apple Watchがライオンの心拍を測定できるという発見、どちらがよりすごいことなんでしょう」と綴っている。クロエさんによると、野生動物を診療する際、現場には病院のように様々な医療機器が揃っているわけではないので、どうやって麻酔をかけた状態でモニタリングするのかが課題になっていた。
動物用の心拍測定器はあるものの、ほとんどはライオンよりも小さい動物用のもので、大型動物用の測定器はなかった。しかし、ファビオラ氏がApple Watchで野生動物の心拍を測定できることを発見し、この課題が解決した。大きな機器を持ち運ぶ必要もなく、Apple Watchがあれば心拍を測定することができるという。
Apple社のウェブサイトによると、Apple Watchは“光電式容積脈波記録法”で心拍測定を行っているという。「血液は赤色の光を反射して緑色の光を吸収する」という事実に基づき、緑色のLEDライトと感光性フォトダイオードを組み合わせて血流量を検出し、光の吸収量の変化を用いて心拍数が算出される。
クロエさんは他の動物でもApple Watchを活用できるか試したそうで、ゾウの耳に貼り付けて心拍を測ることができたという。
テクノロジーの発展により、Apple Watchの他にも絶滅危惧種の位置をリアルタイムで追跡するGPS機能付き首輪や、熱探知カメラ、ドローンなども密猟対策に役立っているとクロエさんは説明しており、「Apple社はこんな使い方を想定していなかったと思いますが、自然保護におけるテクノロジーの進歩は素晴らしいです。テクノロジーが持つ信じられないほどの可能性と、絶滅の危機に瀕している動物たちの希望を思い出させてくれます」と語っている。
ちなみに2022年9月には、健康診断を受けていたゴリラが、不安で看護師の手を握る姿が捉えられ、「ゴリラだって病院が怖い」と話題を呼んでいた。
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画像は『Dr Chloe Buiting | Wildlife Vet Instagram「Back home on Kangaroo Island and hitting the ground running out at the makeshift wildlife hospital」「I don’t know what’s more impressive…」』『LADbible 「Gorilla clutches nurse’s hand as he undergoes health check」(Credit: Caters News Agency)』『Yorkshire Wildlife Park X「What happens when a Polar Bear has tooth ache?」』『Care for Wild Rhino Sanctuary Facebook「FIRST EVER CT SCAN ON A LIVE ADULT RHINO IN SOUTH AFRICA!」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)