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【海外発!Breaking News】道端で保護された犬、車から抜け出して虐待され息絶えた相棒犬のもとへ導く(米)

TechinsightJapan 2024年7月9日 20時55分

アメリカの動物保護団体が、道端で保護した犬についてFacebookに投稿したところ、多くの人に衝撃を与えた。犬は保護団体のスタッフに向かって何かを訴えるかのように吠え、草むらの中で息絶えた相棒犬のもとへ導いたという。米ニュースメディア『WYMT』などが伝えている。

米ケンタッキー州フロイド郡プレストンズバーグにある動物保護施設「フロイド郡アニマルシェルター(Floyd County Animal Shelter)」が6月12日、保護犬とその相棒犬についてFacebookに投稿したところ、多くの人の涙を誘うとともに怒りの声があがった。保護犬はピットブルのオスで、のちに“ルドウィック(Ludwik)”と名前が付けられた。

その投稿によると、ルドウィックを保護する1週間ほど前のこと、同施設の敷地近くの小路に80ポンド(約36キロ)ほどの腐った生肉が捨てられていることに気付いたという。散歩中の犬がそれを食べてしまう危険性があったため、同施設はこの件を地元警察に報告した。そして6月12日に肉が片付けられているか確認するため、同施設のマネージャーであるエレクシス・クラフトさん(Elexis Craft)とアリソン・コバーンさん(Allison Cobern)が小路に向かった。すると、肉はまだ片付けられておらず、何者かがその肉を食べた形跡があった。

胸騒ぎがしたエレクシスさんたちが車を走らせると、次のカーブに差しかかった時、車の前に突然ルドウィックが飛び出してきたそうだ。2人はルドウィックを保護して車に乗せたが、ルドウィックは車から飛び降りて草むらの方へと走り出し、立ち止まって2人に向かって激しく吠え始めた。



投稿では、当時のルドウィックの様子が次のように綴られている。

「ルドウィックが私たちに何かを訴えようとしていることは分かっていました。でも、こんな光景を目にするとは思いませんでした。その犬の後を追って林の中へと歩いていくと、別の犬が木に吊るされた状態で死んでいたのです。首にはロープがきつく縛られていて足が地面に着くか着かないかの状態で木に吊るされていました。」

「おそらくこの犬は、数日間苦しんだのちに息を引き取ったのでしょう。私たちはすぐに駆け寄って犬を助けようとしましたが、すでに手遅れでした。ルドウィックは死んだ友人のそばに座り、鼻で体を撫でながら弱々しく鳴き声をあげていました。それはまるで私たちに『お願い助けて、助けてあげて欲しいんだ』とでも言っているかのようでした。」

「私たちはルドウィックを車に戻そうとしましたが、友人のそばから離れようとしませんでした。私たちはどうしていいか分からず、『なぜ、かつて愛したペットにどうしてこんなことができるのか』と理解に苦しみ、その場で泣き崩れてしまいました。」



ルドウィックは、虐待によって命を落とした仲間を助けるべく、エレクシスさんとアリソンさんに向かって吠えながら相棒犬のもとへと導いたのだった。のちにメディアの取材に応じた2人は、「私たちはショックで数分ほどそこに立ち尽くしてしまいました」と話している。

また、犬の死骸には顔を殴られた痕跡があり、木には犬が引っ掻いたような爪痕が残っていたという。アリソンさんは、「多分、苦しみから逃れようと少しでも息ができるようにもがいていたのでしょう」と語っている。ルドウィックは相棒のそばを離れようとしなかったが、2人はルドウィックに餌を与え、その隙に車に乗せて施設に連れていったそうだ。

同施設では、非業の死を遂げたルドウィックの相棒犬に“ナクシャ(Nakusha)”と名前を付け、ナクシャの遺灰の一部をルドウィックの首輪に取り付けて、一緒にいられるようにしてあげたという。幸いにもルドウィックには新しい家族が見つかり、現在は適切なケアを受けている。しかしながらエレクシスさんたちは、ルドウィックとナクシャを同施設の近くに置き去りにした人物の情報を求めており、同施設の支援者の中には、犯人逮捕につながる有力な情報提供者への報奨金を寄付する人もいるという。

エレクシスさんは、最後にメディアを通じてこのように訴えた。

「私たちはただ、これからの未来を動物たちが適切に世話を受けられるような世の中にしたいだけなのです。私たちがここにいるのは、フロイド郡内の動物虐待と闘うためなのです。これは本当に恐ろしいことですから…。」

画像は『WYMT 「Pit bull leads shelter employees to hanged dog in Floyd Co.」』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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