Infoseek 楽天

【海外発!Breaking News】1億匹に1匹 綿菓子のようなパステルカラーのロブスターに捕獲した漁師も興奮(米)

TechinsightJapan 2024年8月3日 17時55分

先月21日、米ニューハンプシャー州の沖合で珍しいロブスターが水揚げされた。通常は赤茶色の体を持つロブスターだが、今回捕獲された個体は、紫やピンクのような色が混ざっており、その色合いから綿菓子を意味する“コットン・キャンディ”というカテゴリーに分類される。ロブスターの色の変化は遺伝子変異によるもので、綿菓子のようなパステルカラーが発現する確率は約1億分の1であることを、米ニュースメディア『Seacoastonline.com』などが伝えた。

珍しいロブスターを捕獲したのは、米ニューハンプシャー州ロッキンガム郡ストラザム在住で、同郡ポーツマスにある水産会社「Atlantic Lobster Company」のオーナーであるジョセフ・クレーマーさん(Joseph Kramer、25)だ。

ジョセフさんは、高校生の頃からメイン州南部のロブスター漁師のもとで働き始め、その後はニューヨークで引き船の作業員として働いた。今年の夏はこれまでの経験を活かし、自分でロブスターの罠を仕掛けて捕獲する初めての夏だった。

先月21日午後、ジョセフさんはアシスタントとして父親とガールフレンドを船に乗せ、沖へ向かった。設置していた20個の仕掛けを順番に回収し、最後の仕掛けを引き上げた時に見慣れない色がジョセフさんの目に入った。そこには、青紫のような色をした1匹のロブスターがいた。

通常、ロブスターの体は赤茶色をしているが、今回ジョセフさんが捕獲した個体は、ハサミの先から尾の部分まで青紫の鮮やかな色に包まれていた。

ジョセフさんはこの珍しい色のロブスターを、同郡ライにある博物館「シーコースト・サイエンス・センター(Seacoast Science Center)」に持ち込んだ。同博物館の水生生物学者サム・ルトカさん(Sam Rutka)が確認すると、捕獲されたのは6~14歳の雄で“コットン・キャンディ・ロブスター”と呼ばれるグループに属する個体だと分かった。



ロブスターは、遺伝子の突然変異により通常とは異なる色をした個体が誕生することがある。サムさんによると、ロブスターはアスタキサンチンとして知られる赤色の天然色素(カロテノイド)を何層にも重ねることで、赤や黄、青などの層を生み出す。これらの層が積み重なることで、オレンジや赤、青、ピンク、紫、黄、茶などの色をした斑点が作り出され、カモフラージュするための模様となる。

まれにこれらの色のうち1つが発現しなかったり、過剰に発現することがあると言い、その結果、鮮やかな色のロブスターが誕生する。

サムさんは、「こうした美しい生き物を見ていると、指紋や雪の結晶のようにそれぞれ違うことが分かります。色によって同じグループに分けられても、それぞれの模様は異なるのです。今回のロブスターは、ラベンダー色や紫色、ピンク色のような色合いが美しく、“コットン・キャンディ(英語で綿菓子の意味)”のカテゴリーに分類されます」と説明した。

また、コットン・キャンディ・ロブスターのような色が発現する確率は約1億匹に1匹で、非常にレアな発見だった。

捕獲したジョセフさんは、過去に同僚が青いロブスターを捕まえたのをそばで見たことがあったという。青いロブスターは約200万匹に1匹と言われるほど珍しいケースだったが、まさか独立して初めてのロブスター漁で、1億分の1の確率を引き当てるとは思っておらず、ジョセフさんは興奮した様子でこのように語っている。

「色の違うロブスターは、滅多に捕まえられるものではありません。ましてや、独立して初めての年で捕獲できるなんて、そうそうあることじゃないですよ。今回の発見が、今シーズンの繁栄と自分の漁の成功をもたらしてくれると願っています。」

ジョセフさんは捕獲したコットン・キャンディ・ロブスターをシーコースト・サイエンス・センターに寄贈しており、これから教育目的での展示が予定されている。



ちなみに珍しいロブスターと言えば、2023年12月に米メイン州の沖合で、左が青色で雄、右がオレンジで雌と、2色の体と2つの性を持つ個体が捕獲されていた。

画像は『Seacoastonline.com 「‘Cotton candy’ colored lobster caught off New Castle is 1 in 100 million」(Provided/Joseph Kramer)』『Popular Science 「One in 100 million cotton candy lobster caught in New Hampshire」(Seacoast Science Center)』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)

この記事の関連ニュース