オーストラリア北東部クイーンズランド州北部で今月3日、40歳の男性が川に転落し、家族の目の前でワニに襲われた。当局は5日、ワニの捕獲に成功し、その後の調査でワニの体内から見つかった遺体が男性のものであることを確認した。米ニュースメディア『ABC News』などが事故の詳細を伝えた。
3日午後2時10分頃、クイーンズランド州北部クックタウン南部に位置するアナン川で、妻と3人の息子(2歳、5歳、7歳)と一緒に釣りに来ていた医師のデイヴ・ホグビンさん(Dave Hogbin、40)がワニ(クロコダイル)に襲われた。
デイヴさんは豪南東部ニューサウスウェールズ州ニューカッスルからトレーラーハウスで旅行しており、川岸の小道を歩いていたところ、土手の一部が崩れ落ちてアナン川に転落した。
妻ジェーンさん(Jane)は水しぶきの音を聞いて夫の腕を掴んだものの、土手は急で滑りやすくなっており、背が高く、力が強く、体を鍛えていたデイヴさんであっても土手を這い上がることはできなかった。
ジェーンさんは、当時のことを「なんとか夫の腕を掴んだけれど、自分も川の中に落ちてしまいそうだった」と明かし、このように語ったそうだ。
「デイヴの最後の決然とした行動は、『このままでは妻を道連れにしてしまう』と気付いた時、私の腕を放したことなの。私の腕が彼の唯一の命綱だったのに…。そしてその直後、彼はワニに水中へと引きずり込まれた。彼は私の命を救ったの…。」
クックタウン警察署の巡査長グレッグ・フィヌケーン氏(Greg Finucane)によると、襲撃を目の当たりにした家族はトラウマを抱えているものの、ジェーンさんは気丈にもこう述べたという。
「もし自分の命が奪われていたとしたら、子供たちだけでなく事故に関わった全ての人にとっても数百万倍悲しい結果になっていた。私がこうして生きていられることを嬉しく思っている。」
実は、デイヴさんが釣りをしていた場所では大きなワニが度々目撃され、川が湾曲した一帯は「クロコダイル・ベンド(Crocodile Bend)」と呼ばれている。専門家は「あの場所では最近、体長4.8メートルほどのワニがドローンで撮影されていた」と報告しており、地元住民はケアンズのニュースメディア『The Cairns Post』に次のように話している。
「クロコダイル・ベンドでは、車などに撥ねられた動物の死骸を投げ入れる者がいる。そのためワニは、水深約4.5メートル(15フィート)付近で餌が与えられるのを待っていた可能性がある。最近は雨がよく降っていて地盤がかなり緩んでいたから、川岸の近くに立っていなくても転落してしまったのだろう。」
「家族の目の前でこんなことが起きるなんて、本当に恐ろしいこと。みんなが家族のことを思っているよ。」
また、クックタウンの住民バート・ハリソンさん(Bart Harrison)は「地元で30年ほど釣りをしているけど、クロコダイル・ベンドは釣りをするには危険な場所だよ」と語り、このように続けた。
「あの場所は川岸に草が茂っていて柵がなく、川は急に深くなる。また干潮時には、真向かいにある浅瀬の砂浜で大きなワニを見ることができる。男性が最後に目撃されたのがどの場所なのかは分からないけど、僕だったらクロコダイル・ベンドでの釣りを誰かに勧めることはないね…。川岸から8メートルはワニに襲われる危険地帯だろうから、一度水中に落ちたら上がってくることはできないと思う。それに雨期が来るたび、川岸の侵食が進んでいたようだ。」
フィヌケーン巡査長によると、現場には警察官のほかクイーンズランド州の救急サービスのスタッフ、環境科学イノベーション省、野生動物管理官らが動員されたという。また、クックタウンから約300キロ南に位置するケアンズからも特別部隊が駆けつけ、ドローンやボートなどを駆使した活動が行われた。そして5日、現場から約4キロ上流の小川に体長4.9メートルのワニがいるのをヘリコプターが発見し、捕獲した。
さらに6日、安楽死されたワニの体内から遺体が発見され、当局はその後、この遺体がデイヴさんのものであることを確認した。
この悲劇のニュースには、次のような声が寄せられた。
「あの場所が釣り人に人気なら、安全柵などを設けるべき。ワニは頂点捕食者。人々は水辺で十分注意を払うべき。」
「あそこで何度か釣りをしているが、怖いと感じたことはない。ただ転落の危険があるから川岸には近づかないね。」
「男性はヒーロー。家族のことを思うと本当に心が痛む。」
「ワニは素早いからね。男性が何も感じなかったことを願うよ。」
「危険を冒してまで、こんな場所で釣りやキャンプをしたり泳いだりすべきではない。」
「恐ろしい事故。悲劇だと思う。」
ちなみにインド東部オディシャ州の川では昨年8月、沐浴中の女性がワニ(クロコダイル)に襲われて死亡した。当時の様子は対岸にいた人々が目撃して撮影しており、ワニが取ったあまりにも残酷な行動に震えあがっていた。
画像は『New York Post 「Hero dad of 3 killed by 16-foot crocodile after saving wife’s life」(Family Photo via news.com.au)』『The Sun 「DIED A HERO Dad’s heroic final act before he was killed by 16ft croc as wife tried to save him while he was dragged to his death」(Credit: GoFundme)』『Australian Broadcasting Corporation 「Search for fisherman after suspected crocodile attack near Cooktown」(Supplied: Rob Giblin)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
3日午後2時10分頃、クイーンズランド州北部クックタウン南部に位置するアナン川で、妻と3人の息子(2歳、5歳、7歳)と一緒に釣りに来ていた医師のデイヴ・ホグビンさん(Dave Hogbin、40)がワニ(クロコダイル)に襲われた。
デイヴさんは豪南東部ニューサウスウェールズ州ニューカッスルからトレーラーハウスで旅行しており、川岸の小道を歩いていたところ、土手の一部が崩れ落ちてアナン川に転落した。
妻ジェーンさん(Jane)は水しぶきの音を聞いて夫の腕を掴んだものの、土手は急で滑りやすくなっており、背が高く、力が強く、体を鍛えていたデイヴさんであっても土手を這い上がることはできなかった。
ジェーンさんは、当時のことを「なんとか夫の腕を掴んだけれど、自分も川の中に落ちてしまいそうだった」と明かし、このように語ったそうだ。
「デイヴの最後の決然とした行動は、『このままでは妻を道連れにしてしまう』と気付いた時、私の腕を放したことなの。私の腕が彼の唯一の命綱だったのに…。そしてその直後、彼はワニに水中へと引きずり込まれた。彼は私の命を救ったの…。」
クックタウン警察署の巡査長グレッグ・フィヌケーン氏(Greg Finucane)によると、襲撃を目の当たりにした家族はトラウマを抱えているものの、ジェーンさんは気丈にもこう述べたという。
「もし自分の命が奪われていたとしたら、子供たちだけでなく事故に関わった全ての人にとっても数百万倍悲しい結果になっていた。私がこうして生きていられることを嬉しく思っている。」
実は、デイヴさんが釣りをしていた場所では大きなワニが度々目撃され、川が湾曲した一帯は「クロコダイル・ベンド(Crocodile Bend)」と呼ばれている。専門家は「あの場所では最近、体長4.8メートルほどのワニがドローンで撮影されていた」と報告しており、地元住民はケアンズのニュースメディア『The Cairns Post』に次のように話している。
「クロコダイル・ベンドでは、車などに撥ねられた動物の死骸を投げ入れる者がいる。そのためワニは、水深約4.5メートル(15フィート)付近で餌が与えられるのを待っていた可能性がある。最近は雨がよく降っていて地盤がかなり緩んでいたから、川岸の近くに立っていなくても転落してしまったのだろう。」
「家族の目の前でこんなことが起きるなんて、本当に恐ろしいこと。みんなが家族のことを思っているよ。」
また、クックタウンの住民バート・ハリソンさん(Bart Harrison)は「地元で30年ほど釣りをしているけど、クロコダイル・ベンドは釣りをするには危険な場所だよ」と語り、このように続けた。
「あの場所は川岸に草が茂っていて柵がなく、川は急に深くなる。また干潮時には、真向かいにある浅瀬の砂浜で大きなワニを見ることができる。男性が最後に目撃されたのがどの場所なのかは分からないけど、僕だったらクロコダイル・ベンドでの釣りを誰かに勧めることはないね…。川岸から8メートルはワニに襲われる危険地帯だろうから、一度水中に落ちたら上がってくることはできないと思う。それに雨期が来るたび、川岸の侵食が進んでいたようだ。」
フィヌケーン巡査長によると、現場には警察官のほかクイーンズランド州の救急サービスのスタッフ、環境科学イノベーション省、野生動物管理官らが動員されたという。また、クックタウンから約300キロ南に位置するケアンズからも特別部隊が駆けつけ、ドローンやボートなどを駆使した活動が行われた。そして5日、現場から約4キロ上流の小川に体長4.9メートルのワニがいるのをヘリコプターが発見し、捕獲した。
さらに6日、安楽死されたワニの体内から遺体が発見され、当局はその後、この遺体がデイヴさんのものであることを確認した。
この悲劇のニュースには、次のような声が寄せられた。
「あの場所が釣り人に人気なら、安全柵などを設けるべき。ワニは頂点捕食者。人々は水辺で十分注意を払うべき。」
「あそこで何度か釣りをしているが、怖いと感じたことはない。ただ転落の危険があるから川岸には近づかないね。」
「男性はヒーロー。家族のことを思うと本当に心が痛む。」
「ワニは素早いからね。男性が何も感じなかったことを願うよ。」
「危険を冒してまで、こんな場所で釣りやキャンプをしたり泳いだりすべきではない。」
「恐ろしい事故。悲劇だと思う。」
ちなみにインド東部オディシャ州の川では昨年8月、沐浴中の女性がワニ(クロコダイル)に襲われて死亡した。当時の様子は対岸にいた人々が目撃して撮影しており、ワニが取ったあまりにも残酷な行動に震えあがっていた。
画像は『New York Post 「Hero dad of 3 killed by 16-foot crocodile after saving wife’s life」(Family Photo via news.com.au)』『The Sun 「DIED A HERO Dad’s heroic final act before he was killed by 16ft croc as wife tried to save him while he was dragged to his death」(Credit: GoFundme)』『Australian Broadcasting Corporation 「Search for fisherman after suspected crocodile attack near Cooktown」(Supplied: Rob Giblin)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)