米テネシー州にある歯科医院のスタッフが、がん患者の闘病日記を勝手に読み上げてあざ笑う様子をSNSに投稿した。人として、また医療従事者としてあるまじき行動に、人々からは「どれほど冷酷なことなのか分かっているの?」など怒りの声が寄せられている。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えた。
問題の動画が撮影された場所は、米テネシー州ノックスビルにある歯科医院「Premier Dental Group of Knoxville」だ。動画は「スナップチャット(Snapchat)」に投稿されたものだが、現在は削除されている。
動画には、歯科医院のスタッフエリアと見られる場所に、医療用ウェアのスクラブを着たスタッフ3人が登場する。カウンターに寄りかかって立つ女性スタッフは、バインダーのようなものを持ち、がん患者の闘病日記を読み上げている。
その奥でイスに座っている男性スタッフは手元の携帯に集中しているようだが、もう1人の女性スタッフは床にあぐらをかいて座り、ニヤニヤしながら読み上げられる日記に耳を傾けている。日記は放射線治療への不安を吐露したもので、読み上げているスタッフも明らかに不適切な笑みを浮かべていた。また、撮影者が吹き出すような笑い声も確認できる。
さらに動画には、「患者の日記を見つけた。読み聞かせの時間です(笑)」と不謹慎な文章が添えられていた。
人の日記を読み上げ、なおかつSNSに投稿するなど、明らかなプライバシーの侵害であり、医療従事者がこのようなことを行うのはもってのほかだ。
この投稿は、瞬く間に非難の声が殺到したため削除されたが、炎上し続けてスタッフらの勤め先が特定された。そして今月12日、同歯科医院はFacebookで「職員の一部により、失礼かつ医療従事者としてふさわしくない方法で個人の病状に触れ、不適切に作成、共有された動画でした」とスタッフによる行為と認め、謝罪した。しかしその後、Facebookアカウントが削除されたようで、確認できなくなっている。
同日中には、Googleマップ上で新たな投稿があり、今回の件に関与した女性スタッフらは即刻解雇したことが記載されていた。動画に映っていた男性スタッフは無関係とみなされ、処罰は受けていないと明かされた。
同歯科医院が謝罪したものの、スタッフらの常識外れの行動に批判の声はやまず、FacebookやTikTokなどで問題の動画が拡散されている。
弁護士のドン・ボッシュ氏(Don Bosch)は、「これは職員による不適切な行為であり、彼らに悪意や怒りの意図はなく、単なる過ちであったかもしれませんが、やってはいけないことでした。彼らを雇っている歯科医院が行政的には認可の面で、民事的には金銭の面で、責任を負うことになったのは確かです」と述べた。
今回の騒動が多数のメディアに取り上げられると、「この歯科医院に通っている人は、今すぐ通院をやめるべき」「その場にいたのにとめなかった男性スタッフも解雇するべきでしょう」「悲しいことだけど、こんな従業員はどこにだっているよね」「こんな連中、二度と医療現場で働くべきじゃない」「自分の大切な人の日記だったら、同じことはしないだろうな」「自分たちがしたことがどれほど冷酷で悪いことなのか分かっているのか」など、怒りのコメントが殺到した。
実は、同歯科医院でのトラブルは今回が初めてではなかった。昨年、利益を上げるために無資格の歯科衛生士を雇って不必要な処置をしていたことが発覚し、裁判沙汰になった。さらに、子どもを含む複数の患者を危険にさらしたとして、医療ミスが問われており、最終的に同歯科医院は和解金として約100万ドル(約1億4800万円)を支払うことになっていた。
米国の商事改善協会「Better Business Bureau(以下、BBB)」のトニー・ビンクリー会長(Tony Binkley)は、同歯科医院が治療費や治療後の痛みに関する苦情が寄せられていることを明かしている。BBBは、苦情について同歯科医院に連絡を取った際に返答がなかったことから、同歯科医院に対する総合評価は最低の“F”ランクとなっている。
しかし、今回の騒動についてBBBが連絡を取ると、「あの行為は容認できるものではない」という趣旨の返答があったそうだ。
ちなみに米アラバマ州では2020年、スタッフによる不適切な行動がネット炎上した。老人介護施設のスタッフが、亡くなった高齢者の瞼をめくって動画を撮影し、逮捕されていた。
画像は『New York Post 「Cold-hearted dental office staffers laugh as they read cancer patient’s diary, shocking video shows」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)
問題の動画が撮影された場所は、米テネシー州ノックスビルにある歯科医院「Premier Dental Group of Knoxville」だ。動画は「スナップチャット(Snapchat)」に投稿されたものだが、現在は削除されている。
動画には、歯科医院のスタッフエリアと見られる場所に、医療用ウェアのスクラブを着たスタッフ3人が登場する。カウンターに寄りかかって立つ女性スタッフは、バインダーのようなものを持ち、がん患者の闘病日記を読み上げている。
その奥でイスに座っている男性スタッフは手元の携帯に集中しているようだが、もう1人の女性スタッフは床にあぐらをかいて座り、ニヤニヤしながら読み上げられる日記に耳を傾けている。日記は放射線治療への不安を吐露したもので、読み上げているスタッフも明らかに不適切な笑みを浮かべていた。また、撮影者が吹き出すような笑い声も確認できる。
さらに動画には、「患者の日記を見つけた。読み聞かせの時間です(笑)」と不謹慎な文章が添えられていた。
人の日記を読み上げ、なおかつSNSに投稿するなど、明らかなプライバシーの侵害であり、医療従事者がこのようなことを行うのはもってのほかだ。
この投稿は、瞬く間に非難の声が殺到したため削除されたが、炎上し続けてスタッフらの勤め先が特定された。そして今月12日、同歯科医院はFacebookで「職員の一部により、失礼かつ医療従事者としてふさわしくない方法で個人の病状に触れ、不適切に作成、共有された動画でした」とスタッフによる行為と認め、謝罪した。しかしその後、Facebookアカウントが削除されたようで、確認できなくなっている。
同日中には、Googleマップ上で新たな投稿があり、今回の件に関与した女性スタッフらは即刻解雇したことが記載されていた。動画に映っていた男性スタッフは無関係とみなされ、処罰は受けていないと明かされた。
同歯科医院が謝罪したものの、スタッフらの常識外れの行動に批判の声はやまず、FacebookやTikTokなどで問題の動画が拡散されている。
弁護士のドン・ボッシュ氏(Don Bosch)は、「これは職員による不適切な行為であり、彼らに悪意や怒りの意図はなく、単なる過ちであったかもしれませんが、やってはいけないことでした。彼らを雇っている歯科医院が行政的には認可の面で、民事的には金銭の面で、責任を負うことになったのは確かです」と述べた。
今回の騒動が多数のメディアに取り上げられると、「この歯科医院に通っている人は、今すぐ通院をやめるべき」「その場にいたのにとめなかった男性スタッフも解雇するべきでしょう」「悲しいことだけど、こんな従業員はどこにだっているよね」「こんな連中、二度と医療現場で働くべきじゃない」「自分の大切な人の日記だったら、同じことはしないだろうな」「自分たちがしたことがどれほど冷酷で悪いことなのか分かっているのか」など、怒りのコメントが殺到した。
実は、同歯科医院でのトラブルは今回が初めてではなかった。昨年、利益を上げるために無資格の歯科衛生士を雇って不必要な処置をしていたことが発覚し、裁判沙汰になった。さらに、子どもを含む複数の患者を危険にさらしたとして、医療ミスが問われており、最終的に同歯科医院は和解金として約100万ドル(約1億4800万円)を支払うことになっていた。
米国の商事改善協会「Better Business Bureau(以下、BBB)」のトニー・ビンクリー会長(Tony Binkley)は、同歯科医院が治療費や治療後の痛みに関する苦情が寄せられていることを明かしている。BBBは、苦情について同歯科医院に連絡を取った際に返答がなかったことから、同歯科医院に対する総合評価は最低の“F”ランクとなっている。
しかし、今回の騒動についてBBBが連絡を取ると、「あの行為は容認できるものではない」という趣旨の返答があったそうだ。
ちなみに米アラバマ州では2020年、スタッフによる不適切な行動がネット炎上した。老人介護施設のスタッフが、亡くなった高齢者の瞼をめくって動画を撮影し、逮捕されていた。
画像は『New York Post 「Cold-hearted dental office staffers laugh as they read cancer patient’s diary, shocking video shows」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)