南アフリカのあるゴルフコースで、ライオン、ハイエナ、ワニの肉食動物たちが現れ、獲物を奪い合う様子をカメラが捉えた。食べられてしまったインパラは不運だったものの、厳しい自然界の光景を目の当たりにしたゴルファーたちは、珍しいシーンに釘付けだったと、米ゴルフサイト『Golf Digest』などが伝えた。
驚きの光景は、クルーガー国立公園内にある「スククザ・ゴルフクラブ(Skukuza Golf Club)」のレストランで食事をしていたゴルファーによって撮影された。プレーを終え、テラス席で夕食を楽しんでいた人々のそばでは1頭のインパラがのんびりと草を食んでいた。静かな時間が流れていたが、大きな音で事態は一変した。
ゴルフコースの管理を行う、グリーンキーパーのジャン・ロッソウさん(Jean Rossouw、33)は、「突然、ものすごい咆哮と音が聞こえました。2頭のライオンがどこからか現れて、ゴルファーたちの目の前でインパラを捕まえたんです」と当時を振り返る。
2頭の雌ライオンは空腹だったようで、その場でインパラを食べ始めた。弱肉強食の自然界の厳しさを目の当たりにしたゴルファーたちが、動画を撮影し始めると、別の肉食動物たちが姿を見せた。
動画には、食事中のライオンの周囲に残飯を目当てにした4頭のハイエナたちの姿が映っていた。遠巻きにライオンたちの様子をうかがうハイエナたちの近くには、グリーンの上に1頭の巨大なワニも確認できる。
ジャンさんは、当時の緊迫した状況をこのように説明した。
「ライオンたちはインパラを引き裂いて食べ始めました。その音に誘われて、4頭のハイエナが夕食にありつこうと駆けつけ、巨大なワニまで現れたのです。ライオン2頭はハイエナたちの存在など気にも留めず、インパラに夢中になっていました。しかし巨大なワニが現れた途端に、肉をくわえて一目散に逃げ出しました。」
ハイエナたちは、すぐにライオンを追いかけた。一方で、ライオンが食事をしていた場所に向かったワニは、近づいてくるハイエナを威嚇しながら、ライオンが食べ残した比較的大きな肉を食べていた。
ジャンさんは、「その場に居合わせた25人ほどのゴルファーやゲストたちは、夕食そっちのけで18番ホールでの思わぬ野生動物の食事に釘付けでしたよ! ワニが湖に戻ると、ハイエナたちが残った肉をきれいに平らげていました」とその結末を明かしている。
同ゴルフコースのフェアウェイにはフェンスがなく、ゴルファーと野生動物の双方にとってオープンなコースとして知られている。2年前には、2頭のライオンが3番ホールでキリンを仕留めていたが、その翌朝にジャンさんは、キリンの死骸をクレーン付きのトラックを使ってフェアウェイから運び出さなければならなかった。
ジャンさんは、自身の仕事について「ここは世界で最もワイルドなゴルフコースとして知られています。毎朝、私が最初にすることは、フェアウェイとグリーンを車で走り、夜間に殺された動物や肉食動物がいないかを確認することです」と話している。
こうした背景があり、スククザ・ゴルフクラブではプレー中に野生動物に襲われてもクラブは責任を負わないという免責事項に署名しなければ、コースに出ることはできない。しかし、同ゴルフクラブには200名の会員がおり、年会費110ポンド(約2万1000円)、1ラウンドにつき8ポンド(約1500円)を支払ってゴルフを楽しんでいる。
ケープタウンに駐在しているイギリス人のマイケル・ボウラーさん(Michael Bowler、52)は、過去の経験を次のように語っている。
「これまで6回プレーしたことがありますが、毎回どんな動物に遭遇するか分かりません。あらゆる種類の野生動物を見ましたよ。スククザでゴルフをする際の鉄則は、ゴルフボールをたくさん持っていくことです。ラフに打ち込んでしまったら、探しにいかないこと。また、湖にはワニがたくさんいるので注意が必要ですね。」
ただ危険な一方、それなりの魅力もあるようで、マイケルさんは「スククザでのゴルフの魅力は、毎回違う状況のコースを楽しめることです。次のフェアウェイに何が待ち受けているか、本当に予測不可能です。ヒヒが走ってきてボールを盗んだり、旗を盗んだりすることさえありますよ」と話している。
数々の野生動物に遭遇する危険が潜むゴルフコースだが、これまでにゴルファーが死亡したり、怪我したケースは発生していない。
今回撮影された映像がネット上で拡散されると、人々からは「地元民でもこれは驚きだ」「この動画を見ると、ここでプレーするのが怖くなるね」「こんな場所でゴルフをするなんてクレイジーだよ」「ゴルフバッグに猟銃を用意しておかないと」「グリーンキーパーの人は大変だろうな」といった声があがっている。
ちなみに昨年9月にはケニアで、生後間もないへその緒がついた赤ちゃんカバを振り回し、水面に叩きつけるワニの恐ろしい姿がSNSに投稿されて話題になっていた。
This is insane! Two lions had killed an impala on the final green @skukuzagolfclub while restaurant guests watched on. They were then chased off by hyenas and a crocodile! Not your regular golf course occurrence. Kruger National Park, South Africa.🇿🇦 pic.twitter.com/7pReME30LA— Andrew Rice (@AndrewRiceGolf) August 13, 2024
画像は『IOL 「Lions, crocodile, and hyenas feast at Skukuza Golf Club’s final green」』『The US Sun 「BATTLE OF THE BEASTS Moment lions, hyenas and a CROCODILE battle for prey on golf course in front of players - but who comes on top?」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)
驚きの光景は、クルーガー国立公園内にある「スククザ・ゴルフクラブ(Skukuza Golf Club)」のレストランで食事をしていたゴルファーによって撮影された。プレーを終え、テラス席で夕食を楽しんでいた人々のそばでは1頭のインパラがのんびりと草を食んでいた。静かな時間が流れていたが、大きな音で事態は一変した。
ゴルフコースの管理を行う、グリーンキーパーのジャン・ロッソウさん(Jean Rossouw、33)は、「突然、ものすごい咆哮と音が聞こえました。2頭のライオンがどこからか現れて、ゴルファーたちの目の前でインパラを捕まえたんです」と当時を振り返る。
2頭の雌ライオンは空腹だったようで、その場でインパラを食べ始めた。弱肉強食の自然界の厳しさを目の当たりにしたゴルファーたちが、動画を撮影し始めると、別の肉食動物たちが姿を見せた。
動画には、食事中のライオンの周囲に残飯を目当てにした4頭のハイエナたちの姿が映っていた。遠巻きにライオンたちの様子をうかがうハイエナたちの近くには、グリーンの上に1頭の巨大なワニも確認できる。
ジャンさんは、当時の緊迫した状況をこのように説明した。
「ライオンたちはインパラを引き裂いて食べ始めました。その音に誘われて、4頭のハイエナが夕食にありつこうと駆けつけ、巨大なワニまで現れたのです。ライオン2頭はハイエナたちの存在など気にも留めず、インパラに夢中になっていました。しかし巨大なワニが現れた途端に、肉をくわえて一目散に逃げ出しました。」
ハイエナたちは、すぐにライオンを追いかけた。一方で、ライオンが食事をしていた場所に向かったワニは、近づいてくるハイエナを威嚇しながら、ライオンが食べ残した比較的大きな肉を食べていた。
ジャンさんは、「その場に居合わせた25人ほどのゴルファーやゲストたちは、夕食そっちのけで18番ホールでの思わぬ野生動物の食事に釘付けでしたよ! ワニが湖に戻ると、ハイエナたちが残った肉をきれいに平らげていました」とその結末を明かしている。
同ゴルフコースのフェアウェイにはフェンスがなく、ゴルファーと野生動物の双方にとってオープンなコースとして知られている。2年前には、2頭のライオンが3番ホールでキリンを仕留めていたが、その翌朝にジャンさんは、キリンの死骸をクレーン付きのトラックを使ってフェアウェイから運び出さなければならなかった。
ジャンさんは、自身の仕事について「ここは世界で最もワイルドなゴルフコースとして知られています。毎朝、私が最初にすることは、フェアウェイとグリーンを車で走り、夜間に殺された動物や肉食動物がいないかを確認することです」と話している。
こうした背景があり、スククザ・ゴルフクラブではプレー中に野生動物に襲われてもクラブは責任を負わないという免責事項に署名しなければ、コースに出ることはできない。しかし、同ゴルフクラブには200名の会員がおり、年会費110ポンド(約2万1000円)、1ラウンドにつき8ポンド(約1500円)を支払ってゴルフを楽しんでいる。
ケープタウンに駐在しているイギリス人のマイケル・ボウラーさん(Michael Bowler、52)は、過去の経験を次のように語っている。
「これまで6回プレーしたことがありますが、毎回どんな動物に遭遇するか分かりません。あらゆる種類の野生動物を見ましたよ。スククザでゴルフをする際の鉄則は、ゴルフボールをたくさん持っていくことです。ラフに打ち込んでしまったら、探しにいかないこと。また、湖にはワニがたくさんいるので注意が必要ですね。」
ただ危険な一方、それなりの魅力もあるようで、マイケルさんは「スククザでのゴルフの魅力は、毎回違う状況のコースを楽しめることです。次のフェアウェイに何が待ち受けているか、本当に予測不可能です。ヒヒが走ってきてボールを盗んだり、旗を盗んだりすることさえありますよ」と話している。
数々の野生動物に遭遇する危険が潜むゴルフコースだが、これまでにゴルファーが死亡したり、怪我したケースは発生していない。
今回撮影された映像がネット上で拡散されると、人々からは「地元民でもこれは驚きだ」「この動画を見ると、ここでプレーするのが怖くなるね」「こんな場所でゴルフをするなんてクレイジーだよ」「ゴルフバッグに猟銃を用意しておかないと」「グリーンキーパーの人は大変だろうな」といった声があがっている。
ちなみに昨年9月にはケニアで、生後間もないへその緒がついた赤ちゃんカバを振り回し、水面に叩きつけるワニの恐ろしい姿がSNSに投稿されて話題になっていた。
This is insane! Two lions had killed an impala on the final green @skukuzagolfclub while restaurant guests watched on. They were then chased off by hyenas and a crocodile! Not your regular golf course occurrence. Kruger National Park, South Africa.🇿🇦 pic.twitter.com/7pReME30LA— Andrew Rice (@AndrewRiceGolf) August 13, 2024
画像は『IOL 「Lions, crocodile, and hyenas feast at Skukuza Golf Club’s final green」』『The US Sun 「BATTLE OF THE BEASTS Moment lions, hyenas and a CROCODILE battle for prey on golf course in front of players - but who comes on top?」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)