イスラエルの博物館で今月23日、家族と来ていた4歳男児が展示されていたつぼの中身が気になって引っ張ったところ、つぼが落下して割れてしまった。このつぼは約3500年前の貴重なものであった。しかしながら、博物館は弁償代を請求せず、一家を博物館のツアーに招待するという寛大な対応を見せた。英ニュースメディア『BBC』などが報じた。
4歳男児が割ってしまったのは、イスラエル沿岸部ハイファにある「ロイベン&エディト・ヘフト博物館(Hecht Museum)」で展示されていた青銅器時代のつぼだ。このつぼは入り口付近に展示されており、手を伸ばせば触れることのできる状態だった。
このつぼは紀元前2200年から1500年の間に作られ、ワインやオリーブオイルなどを運んだり、保管する目的で使われていたと見られている。同博物館は「ガラスケースのような障害物なしで考古学的遺物を体験することは、“特別な魅力”がある」として、展示物をガラスケースで覆っていなかった。
男児の父親であるアレックスさん(Alex)は「中に何が入っているのか気になった息子が、少しつぼを引っ張ったところ、つぼが落ちて割れてしまったようです」と、息子から聞いた話を説明する。
アレックスさんは、つぼが割れた瞬間を目撃していなかったが、粉々になったつぼの横に立つ息子の姿を見てショックを受けた。突然の事態にアレックスさんは動揺しており、「うちの子がやったはずがない」と、目の前の事実を受け入れられなかった。
泣き出した息子をなだめながら、アレックスさんは妻と一緒に散らばった破片をかき集めた。そして、博物館の警備員に声をかけ、起こった事実をそのまま伝えた。
「高額な損害賠償を請求されてしまうのでは…」と、アレックスさんは不安に感じたが、博物館側は弁償代を請求することはなかった。それどころか、博物館のツアーに一家を招待するという驚きの対応をした。
インバル・リブリン館長(Inbal Rivlin)は、「展示品が故意に破損されるケースはあり、そのような場合は警察を含めて厳重に対応します。しかし今回は、博物館を訪れた子どもが誤って壊してしまったケースであり、この事実に準じて対応を行います」とコメントしている。
破損したつぼは、専門家によって修復されることになり、修復が完了次第、再び展示される。胸をなでおろしたアレックスさんだったが、「もとの状態と同じ物ではなくなってしまうので、申し訳ないです」と罪悪感を口にした。
今回のような事故が起きながらも、同博物館は展示品をガラスケースに入れないというこだわりの展示方法を続けていくそうだ。
博物館は“神対応”をしたが、このニュースを見た人々からは、「4歳の子を博物館に連れていくのは早すぎるんじゃない?」「子ども向けの博物館に行くべき」「“誤って”と書いてあるけど、親の責任でしょう」「ちゃんと子どもを見ていないからこうなるんだよ」など、親への批判の声が相次いでいた。
ちなみに2018年には米カンザス州で、コミュニティーセンターに設置されていた彫刻像を5歳児が壊してしまい、両親が損害賠償1450万円を請求されていた。
画像は『New York Post 「4-year-old museum visitor accidentally smashes Bronze Age jar ― which had survived intact at least 3,500 years」(Hecht Museum)』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)
4歳男児が割ってしまったのは、イスラエル沿岸部ハイファにある「ロイベン&エディト・ヘフト博物館(Hecht Museum)」で展示されていた青銅器時代のつぼだ。このつぼは入り口付近に展示されており、手を伸ばせば触れることのできる状態だった。
このつぼは紀元前2200年から1500年の間に作られ、ワインやオリーブオイルなどを運んだり、保管する目的で使われていたと見られている。同博物館は「ガラスケースのような障害物なしで考古学的遺物を体験することは、“特別な魅力”がある」として、展示物をガラスケースで覆っていなかった。
男児の父親であるアレックスさん(Alex)は「中に何が入っているのか気になった息子が、少しつぼを引っ張ったところ、つぼが落ちて割れてしまったようです」と、息子から聞いた話を説明する。
アレックスさんは、つぼが割れた瞬間を目撃していなかったが、粉々になったつぼの横に立つ息子の姿を見てショックを受けた。突然の事態にアレックスさんは動揺しており、「うちの子がやったはずがない」と、目の前の事実を受け入れられなかった。
泣き出した息子をなだめながら、アレックスさんは妻と一緒に散らばった破片をかき集めた。そして、博物館の警備員に声をかけ、起こった事実をそのまま伝えた。
「高額な損害賠償を請求されてしまうのでは…」と、アレックスさんは不安に感じたが、博物館側は弁償代を請求することはなかった。それどころか、博物館のツアーに一家を招待するという驚きの対応をした。
インバル・リブリン館長(Inbal Rivlin)は、「展示品が故意に破損されるケースはあり、そのような場合は警察を含めて厳重に対応します。しかし今回は、博物館を訪れた子どもが誤って壊してしまったケースであり、この事実に準じて対応を行います」とコメントしている。
破損したつぼは、専門家によって修復されることになり、修復が完了次第、再び展示される。胸をなでおろしたアレックスさんだったが、「もとの状態と同じ物ではなくなってしまうので、申し訳ないです」と罪悪感を口にした。
今回のような事故が起きながらも、同博物館は展示品をガラスケースに入れないというこだわりの展示方法を続けていくそうだ。
博物館は“神対応”をしたが、このニュースを見た人々からは、「4歳の子を博物館に連れていくのは早すぎるんじゃない?」「子ども向けの博物館に行くべき」「“誤って”と書いてあるけど、親の責任でしょう」「ちゃんと子どもを見ていないからこうなるんだよ」など、親への批判の声が相次いでいた。
ちなみに2018年には米カンザス州で、コミュニティーセンターに設置されていた彫刻像を5歳児が壊してしまい、両親が損害賠償1450万円を請求されていた。
画像は『New York Post 「4-year-old museum visitor accidentally smashes Bronze Age jar ― which had survived intact at least 3,500 years」(Hecht Museum)』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)