西アフリカのセネガルに暮らす男性は、顔にできたメロン大の腫瘍のせいで天職として勤めてきた教師の仕事を退職した。男性は自分の姿を気にし、外出もままならなかったが、無償で医療サービスを提供する慈善団体による手術を受け、再び教師として復帰することができた。英ニュースメディア『The Sun』などが伝えた。
このほど国際的な医療慈善団体「Mercy Ships」のウェブサイトで、セネガル在住のオーギュストさん(Auguste、64)が紹介され、複数のメディアで取り上げられた。オーギュストさんは10年以上前の51歳の時に左の顎の辺りに腫瘍ができ、それは時間とともにメロン大にまで肥大した。
オーギュストさんの腫瘍は当初、シミのように見えたが、その後、急速に大きくなった。心配になったオーギュストさんは地元の医師に診察してもらったところ、嚢胞と診断された。しかし、治療してくれる病院を探したものの見つからず、腫瘍が大きくなるにつれて、小学校の校長および教師として働いていたオーギュストさんを児童たちが怖がるようになり、2018年にやむなく退職した。
また、近所の人たちから「病気が伝染するのでは」と恐れられ、オーギュストさんは次第に周りから避けられるようになった。その頃、オーギュストさんは、人目を避けるために夜明け前に外出していた。彼は「私の活動は全て止まってしまいました。本当に何もできませんでした」と振り返った。
その後も最適な治療を求めて病院を探していたオーギュストさんだったが、医療設備が十分とは言えないセネガルでは、彼の手術を受け入れる病院が見つからなかった。そのうち、大きな腫瘍のせいで食べ物が噛みづらくなり、話すこともままならない上に、腫瘍が邪魔をして十分に睡眠をとることもできずにいた。
そしてある日のこと、オーギュストさんは「Mercy Ships」所有の医療設備を完備した大型船「Global Mercy」が自宅から16キロほどのダカール港に停泊していることを知った。希望を胸に船に乗り込んだオーギュストさんは、耳鼻咽喉科のジョシュ・ヴィーデルマン医師(Dr Josh Wiederman)の診察を受け、下顎に発生した「エナメル上皮腫」と診断された。これは細胞の嚢胞化によって、歯を形成するエナメル器と呼ばれる組織にできる良性の腫瘍だという。ヴィーデルマン医師は、米国のように医療が発達した国では、歯科検診や放射線検査の際に、まだ外見では分からない初期の段階で発見できるものだと話している。
オーギュストさんは2023年3月13日に無償で手術を受け、6週間ほど船内で入院した後、家族の待つ自宅に戻った。腫瘍のない彼の姿に家族は大喜びしたそうで、オーギュストさんは「手術後の私の姿を見た時の彼らの反応は、言葉にできません。歓迎してくれて温かく迎えてくれました」と明かした。
そしてオーギュストさんは、すでに定年退職している年齢であったが、念願がかない、6年ぶりに自身が“天職”と考える教師に復帰した。かつて働いていた小学校に戻った彼は、児童たちと温かい抱擁を交わした。
次のオーギュストさんの夢は、他にも学校を開校することで、彼はこのように語っている。
「恵まれない子どもたちや孤児を助けるために、自分はここにいるのです。私はできる限り、子どもたちに勉強を教えて支援していくつもりです。」
画像は『Mercy Ships 「Returning to His Calling」』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)
このほど国際的な医療慈善団体「Mercy Ships」のウェブサイトで、セネガル在住のオーギュストさん(Auguste、64)が紹介され、複数のメディアで取り上げられた。オーギュストさんは10年以上前の51歳の時に左の顎の辺りに腫瘍ができ、それは時間とともにメロン大にまで肥大した。
オーギュストさんの腫瘍は当初、シミのように見えたが、その後、急速に大きくなった。心配になったオーギュストさんは地元の医師に診察してもらったところ、嚢胞と診断された。しかし、治療してくれる病院を探したものの見つからず、腫瘍が大きくなるにつれて、小学校の校長および教師として働いていたオーギュストさんを児童たちが怖がるようになり、2018年にやむなく退職した。
また、近所の人たちから「病気が伝染するのでは」と恐れられ、オーギュストさんは次第に周りから避けられるようになった。その頃、オーギュストさんは、人目を避けるために夜明け前に外出していた。彼は「私の活動は全て止まってしまいました。本当に何もできませんでした」と振り返った。
その後も最適な治療を求めて病院を探していたオーギュストさんだったが、医療設備が十分とは言えないセネガルでは、彼の手術を受け入れる病院が見つからなかった。そのうち、大きな腫瘍のせいで食べ物が噛みづらくなり、話すこともままならない上に、腫瘍が邪魔をして十分に睡眠をとることもできずにいた。
そしてある日のこと、オーギュストさんは「Mercy Ships」所有の医療設備を完備した大型船「Global Mercy」が自宅から16キロほどのダカール港に停泊していることを知った。希望を胸に船に乗り込んだオーギュストさんは、耳鼻咽喉科のジョシュ・ヴィーデルマン医師(Dr Josh Wiederman)の診察を受け、下顎に発生した「エナメル上皮腫」と診断された。これは細胞の嚢胞化によって、歯を形成するエナメル器と呼ばれる組織にできる良性の腫瘍だという。ヴィーデルマン医師は、米国のように医療が発達した国では、歯科検診や放射線検査の際に、まだ外見では分からない初期の段階で発見できるものだと話している。
オーギュストさんは2023年3月13日に無償で手術を受け、6週間ほど船内で入院した後、家族の待つ自宅に戻った。腫瘍のない彼の姿に家族は大喜びしたそうで、オーギュストさんは「手術後の私の姿を見た時の彼らの反応は、言葉にできません。歓迎してくれて温かく迎えてくれました」と明かした。
そしてオーギュストさんは、すでに定年退職している年齢であったが、念願がかない、6年ぶりに自身が“天職”と考える教師に復帰した。かつて働いていた小学校に戻った彼は、児童たちと温かい抱擁を交わした。
次のオーギュストさんの夢は、他にも学校を開校することで、彼はこのように語っている。
「恵まれない子どもたちや孤児を助けるために、自分はここにいるのです。私はできる限り、子どもたちに勉強を教えて支援していくつもりです。」
画像は『Mercy Ships 「Returning to His Calling」』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)