英国の大御所俳優イアン・マッケラン(85)が、生前のエリザベス女王から勲章を授与された時のエピソードを回想した。イアンは女王から“ある質問”を受けたことを明かすと、「こんなことを聞くなんて、かなり無礼だ!」と怒りを露わにした。さらにイアンは、晩年の女王について「正気ではなかった」とも語った。こういった発言に対し、女王の元報道官は「嫌味で卑怯な攻撃だ」と猛批判。王室伝記作家は、ベテラン俳優であるイアンが「想像したもの」と見解を述べた。
エリザベス女王が2022年9月8日(以下、現地時間)にスコットランドのバルモラル城にて96歳で崩御してから、今年で2年が経過した。
女王の命日の前に、英大御所俳優イアン・マッケランが英紙『The Times』のインタビューに応じ、生前の女王と対面した時のエピソードを語った。
シェイクスピア演劇や映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズなど、舞台と映画の両方で活躍するイアンは、ゲイであることを公表しており、世界中のLGBT擁護運動に参加してきた。
1991年には舞台芸術への貢献が認められ、「ナイト」の称号を授与。2008年には演劇と人権平等活動への貢献により、エリザベス女王から「コンパニオン・オブ・オナー勲章(Order of the Companions of Honour)」が授与された。
そんなイアンは、同紙のインタビューで「晩年の女王は、正気ではなかったと思う。私は数少ない機会で彼女に会ったが、かなり無礼だった」と暴露した。
そして、2008年に女王から勲章を受け取った時について、このように振り返った。
「私が演技のことで勲章をもらった時、彼女は『あなたは非常に長い間、この仕事をしているんですね』と言ったんだ。」
「それで私が『まあ、あなたほど長くはありませんがね』と答えると、ロイヤルスマイルを返してくれた。すると女王は『今も実際に、劇場に来る人がいるのですか?』と聞いたんだ。」
イアンは女王の言葉を皮肉だと受け取り、「勲章を授ける場面でこんなことを言うなんて、かなり無礼だよ!」と憤慨し、こう続けた。
「これは『お前のことなんか、誰も気にかけていない。なぜなら私がそう思っているから。さっさと出て行け!』という意味なんだ!」
今回のイアンの発言を受け、かつて女王の報道官を務めたディッキー・アービター氏が『Express.co.uk』の取材に応じ、イアンの毒舌を猛批判した。
「女王が『人々は今も、劇場に足を運んでいるのですか』と聞いたことが無礼に当たるというなんて、イアン・マッケランは若干ずうずうしく、過度に反応しすぎです。」
そして、「劇場は長年、高額な経費と客不足に悩んできました。極めてまっとうな質問です。彼がそう感じたなら、なぜこの栄誉を受け取ったのでしょう?」と述べ、こう付け加えた。
「あれほど知的な男性が言うとは思えないほど、嫌味な攻撃でした。問題は、亡き女王が本当にそう言ったのか、もしそうなら、なぜ今になってそれを話すのかが問題だ。まったく卑怯な攻撃です。」
また、王室伝記作家のクリストファー・ウィルソン氏も同メディアの取材に応じ、女王の無礼な姿はベテラン俳優のイアンが生み出したキャラクターだと推測した。
「彼の想像でしょう。女王が誰かに無礼な態度を取ったという記録はなく、彼はおそらくそう思いたかったのでしょう。」
「イアン卿は良い俳優かもしれないが、注目の的でなければ気が済まない。しかし、彼にとって悲しいことに、あの場で女王は悪意に満ちた舌を持つ幸運な役者より、はるかに重要な立場だったのです。」
なおイアンは、6月にロンドンの「ノエル・カワード・シアター」で公演中に足を踏み外して舞台から転落し、救急搬送された。その後、入院して治療を受けたが完全に回復しておらず、現在も自宅で療養生活を送っている。
イアンは今月初め、英誌『ビッグイシュー』のインタビューで、今年いっぱいは俳優業を休む予定だと語っていた。
画像は『The Royal Family Instagram「Ahead of Her Majesty The Queen’s Funeral,」』『The Times and The Sunday Times Instagram「McKellen, 85, seems to be feeling better after his tumble.」』『Player Kings Instagram「‘Ian McKellen’s Falstaff is remarkable’」』より
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)
エリザベス女王が2022年9月8日(以下、現地時間)にスコットランドのバルモラル城にて96歳で崩御してから、今年で2年が経過した。
女王の命日の前に、英大御所俳優イアン・マッケランが英紙『The Times』のインタビューに応じ、生前の女王と対面した時のエピソードを語った。
シェイクスピア演劇や映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズなど、舞台と映画の両方で活躍するイアンは、ゲイであることを公表しており、世界中のLGBT擁護運動に参加してきた。
1991年には舞台芸術への貢献が認められ、「ナイト」の称号を授与。2008年には演劇と人権平等活動への貢献により、エリザベス女王から「コンパニオン・オブ・オナー勲章(Order of the Companions of Honour)」が授与された。
そんなイアンは、同紙のインタビューで「晩年の女王は、正気ではなかったと思う。私は数少ない機会で彼女に会ったが、かなり無礼だった」と暴露した。
そして、2008年に女王から勲章を受け取った時について、このように振り返った。
「私が演技のことで勲章をもらった時、彼女は『あなたは非常に長い間、この仕事をしているんですね』と言ったんだ。」
「それで私が『まあ、あなたほど長くはありませんがね』と答えると、ロイヤルスマイルを返してくれた。すると女王は『今も実際に、劇場に来る人がいるのですか?』と聞いたんだ。」
イアンは女王の言葉を皮肉だと受け取り、「勲章を授ける場面でこんなことを言うなんて、かなり無礼だよ!」と憤慨し、こう続けた。
「これは『お前のことなんか、誰も気にかけていない。なぜなら私がそう思っているから。さっさと出て行け!』という意味なんだ!」
今回のイアンの発言を受け、かつて女王の報道官を務めたディッキー・アービター氏が『Express.co.uk』の取材に応じ、イアンの毒舌を猛批判した。
「女王が『人々は今も、劇場に足を運んでいるのですか』と聞いたことが無礼に当たるというなんて、イアン・マッケランは若干ずうずうしく、過度に反応しすぎです。」
そして、「劇場は長年、高額な経費と客不足に悩んできました。極めてまっとうな質問です。彼がそう感じたなら、なぜこの栄誉を受け取ったのでしょう?」と述べ、こう付け加えた。
「あれほど知的な男性が言うとは思えないほど、嫌味な攻撃でした。問題は、亡き女王が本当にそう言ったのか、もしそうなら、なぜ今になってそれを話すのかが問題だ。まったく卑怯な攻撃です。」
また、王室伝記作家のクリストファー・ウィルソン氏も同メディアの取材に応じ、女王の無礼な姿はベテラン俳優のイアンが生み出したキャラクターだと推測した。
「彼の想像でしょう。女王が誰かに無礼な態度を取ったという記録はなく、彼はおそらくそう思いたかったのでしょう。」
「イアン卿は良い俳優かもしれないが、注目の的でなければ気が済まない。しかし、彼にとって悲しいことに、あの場で女王は悪意に満ちた舌を持つ幸運な役者より、はるかに重要な立場だったのです。」
なおイアンは、6月にロンドンの「ノエル・カワード・シアター」で公演中に足を踏み外して舞台から転落し、救急搬送された。その後、入院して治療を受けたが完全に回復しておらず、現在も自宅で療養生活を送っている。
イアンは今月初め、英誌『ビッグイシュー』のインタビューで、今年いっぱいは俳優業を休む予定だと語っていた。
画像は『The Royal Family Instagram「Ahead of Her Majesty The Queen’s Funeral,」』『The Times and The Sunday Times Instagram「McKellen, 85, seems to be feeling better after his tumble.」』『Player Kings Instagram「‘Ian McKellen’s Falstaff is remarkable’」』より
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)