オーストラリアのビクトリア州にあるスーパーマーケットに突然、野生のコアラがやってきてスタッフや来店客を驚かせた。森林伐採などによりコアラの生息地が減少したことで、通常は見られない場所での目撃情報も増えている。そうしたコアラは街中で交通事故の犠牲になったり、病気になったりと問題が多く、オーストラリア全土でコアラが棲みやすい都市づくりが課題となっている。豪ニュースメディア『Guardian Australia』などが伝えた。
ビクトリア州メルボルンから車で約2時間の場所にある田舎町ミーニヤン(Meeniyan)のスーパーマーケット「IGA」に16日、野生のコアラが現れた。このコアラは店の正面玄関からすんなりと入り、店内の通路を歩き回った。
同店のオーナー、キーリーン・シャーベルさん(Kaelene Shervell)によると、スタッフがコアラを正面玄関に戻そうとしたが、強く抵抗したそうだ。
このコアラは10代のオスということが分かっており、約20分間、店内を物珍しそうにうろついた。IGAがInstagramで公開した写真には、コアラが新聞スタンドに登ったり、ハーブのコーナーを探検し、ぬいぐるみに手を伸ばす姿が写っている。コアラの可愛らしい姿に、フォロワーからは「今までで一番可愛いお客さん!」「本当に素晴らしい光景」といった声が寄せられている。
シャーベルさんも「素晴らしい経験をさせてもらいました。でも、私たちはコアラの健康状態をとても心配しており、興奮しすぎず冷静に対応しようと努めました」と話した。
また当時、来店客が地元の野生動物保護の専門家に電話をして、そのコアラがいる間にアドバイスを受けた。最終的に、スタッフがコアラを脚立に誘導し、安全に店外に運び出して道路から遠ざけることに成功した。
シャーベルさんによると、この地域ではコアラがサイクリング道沿いの木々や庭に出没することがあるが、店内で見かけるのは珍しいそうで、以下のように明かしている。
「この店を経営して10年ほどになりますが、こんなに近くでコアラに会ったのは初めてです。普段は道路向かいの木にいるか、サイクリングコースを歩いている姿を見るだけですが、店の中で出会うことはありませんでした。」
なお、クイーンズランド大学のコアラ生態学者ビル・エリス博士(Bill Ellis)は、繁殖期のこの時期にはコアラが通常より活動的になると説明している。オスのコアラは新しい環境を求めて移動し、メスもまた繁殖相手を探すために普段の生息地から離れることがある。また、森林伐採によってコアラの生活空間がひっ迫し、本来の生息地以外の場所に移動せざるを得ない状況に追い込まれている可能性があると指摘した。さらに、エリス博士は以下のように述べた。
「コアラはより小さな区画での生活を余儀なくされ、彼らの生息地はどんどん減少しています。彼らは本当に行き場がなくなり、通常では考えられない場所にも現れるようになっています。コアラが直面する最大の問題は、車、犬、病気、そして木々の不足です。クイーンズランド州南東部では、都市環境をコアラにとってより過ごしやすくする取り組みが進められており、それを他の地域でも取り入れるべきだと考えています。すでにこれらの都市環境を作ってしまったことは変えられませんが、それをコアラにとって過ごしやすく、野生動物に優しい環境にすることは可能です。いつの日か、都市部で命を失ったコアラよりも生きているコアラを普通に見られるようになることを願っています。」
今年、ミーニヤン周辺では少なくとも2件のコアラが轢かれた報告があり、1月と9月11日に発生した。
エリス博士は、IGAでの出来事において、野生動物保護の専門家に連絡したことを称賛し、野生動物が多い地域に住む人々には、地元の野生保護の専門家の連絡先を控えておくように勧めている。
画像は『Meeniyan IGA Local Grocer plus Liquor Instagram「Omg! We had an exciting visitor today!」』より
(TechinsightJapan編集部 MM)
ビクトリア州メルボルンから車で約2時間の場所にある田舎町ミーニヤン(Meeniyan)のスーパーマーケット「IGA」に16日、野生のコアラが現れた。このコアラは店の正面玄関からすんなりと入り、店内の通路を歩き回った。
同店のオーナー、キーリーン・シャーベルさん(Kaelene Shervell)によると、スタッフがコアラを正面玄関に戻そうとしたが、強く抵抗したそうだ。
このコアラは10代のオスということが分かっており、約20分間、店内を物珍しそうにうろついた。IGAがInstagramで公開した写真には、コアラが新聞スタンドに登ったり、ハーブのコーナーを探検し、ぬいぐるみに手を伸ばす姿が写っている。コアラの可愛らしい姿に、フォロワーからは「今までで一番可愛いお客さん!」「本当に素晴らしい光景」といった声が寄せられている。
シャーベルさんも「素晴らしい経験をさせてもらいました。でも、私たちはコアラの健康状態をとても心配しており、興奮しすぎず冷静に対応しようと努めました」と話した。
また当時、来店客が地元の野生動物保護の専門家に電話をして、そのコアラがいる間にアドバイスを受けた。最終的に、スタッフがコアラを脚立に誘導し、安全に店外に運び出して道路から遠ざけることに成功した。
シャーベルさんによると、この地域ではコアラがサイクリング道沿いの木々や庭に出没することがあるが、店内で見かけるのは珍しいそうで、以下のように明かしている。
「この店を経営して10年ほどになりますが、こんなに近くでコアラに会ったのは初めてです。普段は道路向かいの木にいるか、サイクリングコースを歩いている姿を見るだけですが、店の中で出会うことはありませんでした。」
なお、クイーンズランド大学のコアラ生態学者ビル・エリス博士(Bill Ellis)は、繁殖期のこの時期にはコアラが通常より活動的になると説明している。オスのコアラは新しい環境を求めて移動し、メスもまた繁殖相手を探すために普段の生息地から離れることがある。また、森林伐採によってコアラの生活空間がひっ迫し、本来の生息地以外の場所に移動せざるを得ない状況に追い込まれている可能性があると指摘した。さらに、エリス博士は以下のように述べた。
「コアラはより小さな区画での生活を余儀なくされ、彼らの生息地はどんどん減少しています。彼らは本当に行き場がなくなり、通常では考えられない場所にも現れるようになっています。コアラが直面する最大の問題は、車、犬、病気、そして木々の不足です。クイーンズランド州南東部では、都市環境をコアラにとってより過ごしやすくする取り組みが進められており、それを他の地域でも取り入れるべきだと考えています。すでにこれらの都市環境を作ってしまったことは変えられませんが、それをコアラにとって過ごしやすく、野生動物に優しい環境にすることは可能です。いつの日か、都市部で命を失ったコアラよりも生きているコアラを普通に見られるようになることを願っています。」
今年、ミーニヤン周辺では少なくとも2件のコアラが轢かれた報告があり、1月と9月11日に発生した。
エリス博士は、IGAでの出来事において、野生動物保護の専門家に連絡したことを称賛し、野生動物が多い地域に住む人々には、地元の野生保護の専門家の連絡先を控えておくように勧めている。
画像は『Meeniyan IGA Local Grocer plus Liquor Instagram「Omg! We had an exciting visitor today!」』より
(TechinsightJapan編集部 MM)