アメリカ在住の結婚を控えた女性が、10人の友人と共に独身最後の時間を祝うバチェロレッテパーティのため、ノースカロライナ州アッシュビルにある山小屋を訪れた。その直後、大型ハリケーン「ヘリーン(Helene)」が襲来し、2日間にわたり恐怖を味わったことを米マサチューセッツ州ボストンのテレビ局『WBZ-TV』が伝えた。彼女たちは地元の人々の助けもあって無事に下山したが、現在は恩返しをするために、クラウドファンディングを通じて支援を呼びかけている。
米マサチューセッツ州出身でまもなく花嫁になるケイラ・ドネリーさん(Kayla Donnelly)は現地時間9月26日、10人の友人と共にバチェロレッテパーティを行うため、ノースカロライナ州アッシュビルにあるエルク山(Elk Mountain)に向かった。しかし、到着すると大型ハリケーン「ヘリーン」が襲来し、楽しいはずの週末が一変し、命の危険を感じる状況になった。
ケイラさん一行は、エルク山にある人里離れた小屋でお祝いする予定だったが、翌日、予想外の事態に直面した。朝目覚めた時には停電しており、木が屋根に直撃して天井が崩れ、屋内に雨が入り始めた。
彼女たちはその後、米マサチューセッツ州ボストンのテレビ局『WBZ-TV』のインタビューに応じ、当時の経験を語った。
ケイラさんの結婚式でブライズメイド(花嫁付添人)を務める予定のジーナ・コスタさん(Gina Costa)は、「今でも思い出すと胃が痛くなります。山小屋の外に出て状況を確認しましたが、右を見ても左を見ても混乱状態でした。本当にひどく、もうここからは脱出できないと思いました」と振り返った。
さらに彼女たちは全員、携帯電話が使えなくなり、外部との連絡が取れなくなってしまった。ケイラさんは、「それが一番辛かったですね。私は普段、家族や友人、婚約者と頻繁に連絡を取るので、私からの連絡が途絶えたら、彼らは何かがおかしいと感じるだろうと思いました」と明かした。
しばらくして水道も止まり、冷蔵庫が使えないため食料も底をつきかけた。そこでケイラさんたちは、山道を歩いて下ることを決意した。20分ほど歩いたところで民家を見つけ、住人らがホースで水を提供してくれた。しかし、その後も2日間は山中に閉じ込められたままで、彼女たちはますます恐怖を感じていた。
ジーナさんは「全員が泣き始めるほど過酷でした」と話しており、声に出して祈っていた友人もいたという。
そして9月28日の午後6時頃、彼女たちは山の頂上から「誰か下にいるのか?」という男性の声を聞いた。ジーナさんは、その時のことを「友人の一人が必死に叫び始め、男性の注意を引くために裸足で丘の頂上まで走っていきました」と述べた。
この男性は、山中で取り残された人を探しており、ケイラさんたちが山から出られるように計画するのを助けた。さらに男性は、ケイラさんたちに「もし山のふもとまで歩いて来られるなら、翌日救助に来る」と約束した。
彼女たちはエルク山を3時間かけて下山したが、山のふもとに到着すると、トラックで米大手ホームセンター「ロウズ(Lowe’s)」に連れて行かれ、食事を提供してもらった。その後、彼女たちはノースカロライナ州シャーロットにある空港まで送迎され、無事に帰宅することができた。
ジーナさんは、現地の人々について「本当に素晴らしい人たちでした。シャワーを浴びに来ないかとか、送って行こうとか、いろいろ申し出てくれたのです」と話しており、ケイラさんも「アッシュビル地域、特にあの山の人たちは、これまで出会った中で最も親切な人々でした」と同意した。
なお、マサチューセッツ州に帰宅後、同行したメンバーの一人は下山時に蜂に刺された際の合併症で入院し、また数人はツタウルシの一種であるポイズンアイビー(Poison ivy)で皮膚がかぶれる被害に遭った。
ケイラさんたちは、現地で助けてくれた人々への恩返しをしようと、クラウドファンディングプラットフォーム「GoFundMe」に専用ページを設けて寄付を募った。エルク山周辺では、食糧や水が不足しており、高齢者や幼い子どもたちが山を下りるのは困難だと伝えている。寄付金は現地の救助活動にあてられる予定で、目標額1万ドル(約147万8000円)を上回る1万3000ドル(約192万2000円)が集まっている。
画像は『CBS News 「Massachusetts bachelorette party gets stranded on North Carolina mountain after Hurricane Helene」(CBS Boston)』より
(TechinsightJapan編集部 MM)
米マサチューセッツ州出身でまもなく花嫁になるケイラ・ドネリーさん(Kayla Donnelly)は現地時間9月26日、10人の友人と共にバチェロレッテパーティを行うため、ノースカロライナ州アッシュビルにあるエルク山(Elk Mountain)に向かった。しかし、到着すると大型ハリケーン「ヘリーン」が襲来し、楽しいはずの週末が一変し、命の危険を感じる状況になった。
ケイラさん一行は、エルク山にある人里離れた小屋でお祝いする予定だったが、翌日、予想外の事態に直面した。朝目覚めた時には停電しており、木が屋根に直撃して天井が崩れ、屋内に雨が入り始めた。
彼女たちはその後、米マサチューセッツ州ボストンのテレビ局『WBZ-TV』のインタビューに応じ、当時の経験を語った。
ケイラさんの結婚式でブライズメイド(花嫁付添人)を務める予定のジーナ・コスタさん(Gina Costa)は、「今でも思い出すと胃が痛くなります。山小屋の外に出て状況を確認しましたが、右を見ても左を見ても混乱状態でした。本当にひどく、もうここからは脱出できないと思いました」と振り返った。
さらに彼女たちは全員、携帯電話が使えなくなり、外部との連絡が取れなくなってしまった。ケイラさんは、「それが一番辛かったですね。私は普段、家族や友人、婚約者と頻繁に連絡を取るので、私からの連絡が途絶えたら、彼らは何かがおかしいと感じるだろうと思いました」と明かした。
しばらくして水道も止まり、冷蔵庫が使えないため食料も底をつきかけた。そこでケイラさんたちは、山道を歩いて下ることを決意した。20分ほど歩いたところで民家を見つけ、住人らがホースで水を提供してくれた。しかし、その後も2日間は山中に閉じ込められたままで、彼女たちはますます恐怖を感じていた。
ジーナさんは「全員が泣き始めるほど過酷でした」と話しており、声に出して祈っていた友人もいたという。
そして9月28日の午後6時頃、彼女たちは山の頂上から「誰か下にいるのか?」という男性の声を聞いた。ジーナさんは、その時のことを「友人の一人が必死に叫び始め、男性の注意を引くために裸足で丘の頂上まで走っていきました」と述べた。
この男性は、山中で取り残された人を探しており、ケイラさんたちが山から出られるように計画するのを助けた。さらに男性は、ケイラさんたちに「もし山のふもとまで歩いて来られるなら、翌日救助に来る」と約束した。
彼女たちはエルク山を3時間かけて下山したが、山のふもとに到着すると、トラックで米大手ホームセンター「ロウズ(Lowe’s)」に連れて行かれ、食事を提供してもらった。その後、彼女たちはノースカロライナ州シャーロットにある空港まで送迎され、無事に帰宅することができた。
ジーナさんは、現地の人々について「本当に素晴らしい人たちでした。シャワーを浴びに来ないかとか、送って行こうとか、いろいろ申し出てくれたのです」と話しており、ケイラさんも「アッシュビル地域、特にあの山の人たちは、これまで出会った中で最も親切な人々でした」と同意した。
なお、マサチューセッツ州に帰宅後、同行したメンバーの一人は下山時に蜂に刺された際の合併症で入院し、また数人はツタウルシの一種であるポイズンアイビー(Poison ivy)で皮膚がかぶれる被害に遭った。
ケイラさんたちは、現地で助けてくれた人々への恩返しをしようと、クラウドファンディングプラットフォーム「GoFundMe」に専用ページを設けて寄付を募った。エルク山周辺では、食糧や水が不足しており、高齢者や幼い子どもたちが山を下りるのは困難だと伝えている。寄付金は現地の救助活動にあてられる予定で、目標額1万ドル(約147万8000円)を上回る1万3000ドル(約192万2000円)が集まっている。
画像は『CBS News 「Massachusetts bachelorette party gets stranded on North Carolina mountain after Hurricane Helene」(CBS Boston)』より
(TechinsightJapan編集部 MM)