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【エンタがビタミン♪】ポール・モーリア、オリジナル演奏の“封印”が解かれる。「ポールの愛はいつも皆様とともに」と夫人もコメント。

TechinsightJapan 2015年6月18日 18時55分

『オリーブの首飾り』や『エーゲ海の真珠』など今でもポール・モーリアの演奏をBGMで耳にすることは多い。“ラヴ・サウンズの王様”ポール・モーリアの生誕90年となる2015年、幻とされたヒット曲を含み、すべてをオリジナル・ヴァージョンで収録した完全盤が『ベスト100』として発売されることとなった。

ポール・モーリアは1925年3月4日、フランス・マルセイユに生まれた。子どもの頃から音楽を学び、やがて楽団のアレンジャーや指揮者を経験した彼は、1951年にパリへ進出する。その後、ポール・モーリア・グランド・オーケストラとして1968年に出した『恋はみずいろ』が世界的に大ヒットして、イージーリスニング界の第一人者となっていった。

日本でも1965年~1990年代はじめまで次々とアルバムを発売しており、シングル盤では『恋はみずいろ』(1968年)、『蒼いノクターン』(1969年)、『エーゲ海の真珠』(1971年)、『涙のトッカータ』(1973年)、『オリーブの首飾り』(1975年)とヒットを飛ばして“ラヴ・サウンズの王様”と呼ばれるほどの人気となる。2000年代も精力的に活動していたが、2006年11月3日、急性白血病による心不全で人生に幕を下ろした。

2015年は、ポール・モーリア生誕90年およびポール・モーリア・グランド・オーケストラ誕生50年。この記念すべきタイミングで、斬新なサウンドとおしゃれなヨーロピアン・ムードで、日本にラヴ・サウンズ旋風を巻き起こしたポール・モーリアの完全ベスト盤が発売される。ポール・モーリアをリアルタイムで聴いていたアラフィフ世代はもちろん、若い世代も「この曲は知ってる!」と楽しめる作品だ。

○○記念、○○シリーズと銘打ったベスト盤にはジャンルやテーマ別に組まれたものが少なくない。しかし、本作は約1,200曲の音源から、カテゴリーにとらわれない極め付きの100曲を厳選しており、5枚組のCDのどれもが聴き応えある名曲、ヒット曲満載となっている。

ポール・モーリアは最先端のアレンジや録音技術にこだわりを持っており、1965年のグランド・オーケストラ・デビュー以降1970年ごろまでに録音された何曲かと、再録音を行ったオリジナル録音の演奏のCD化を、レコード会社に対し、許諾しなかった。そのため、ヒット曲のオリジナル・ヴァージョンは長い間「封印」されていたのだ。

例えば1977年の幻の名曲『優しさもなく』を収録。この曲はポール・モーリアがブラジルに渡り、現地のミュージシャンを起用して録音したアルバム『Exclusivamente Brasil』(邦タイトル:ラヴ・サウンズの熱い風)に収録した1曲で、2分余りの旋律をドラマティックに奏でる名演が遂に日本初CD化収録を実現することとなった。

それほど作品の音にこだわるポール・モーリア本人が信頼を寄せていたのが音楽評論家・北川隆一氏である。本作はその北川氏アドバイスのもと、ユニバーサルミュージックが保有するマスターテープの中から状態が最も良いものを選別し、最新デジタル・リマスタリングを敢行。2014年最新デジタルリマスター音源を使用したことで、聴き慣れたはずの演奏が、初めてのように聴こえる感動体験を味わえる。

2009年11月にジャン=ジャック・ジュスタフレの指揮で、ポール・モーリア・メモリアル・オーケストラによる追悼コンサートが日本と韓国で行われた。イレーヌ夫人はその公演について、後に「日本のファンとプロモーターに対する特別の配慮で実現させたものであり、故人の遺志によりモーリアの死とともにオーケストラは消滅した」とコメントしている。

本作の発表にあたり、ポールの音楽人生を傍らで支えた、イレーヌ夫人から日本のファンへ向けて、「ポールの愛はいつも皆様とともにあります」というメッセージが贈られた。ポールの遺志を引き継ぐ夫人の思いが込められた本作は、作品のなかで永遠に生き続けるポールの魂を最新技術で再現できるように、何度も妥協せずにやり直し、ついに完成に至ったベスト盤と言える。

『ポール・モーリア ベスト100 永遠のヨーロピアン・サウンズ』(64ページ解説書付・CD5枚組・全100曲)の詳細は専用サイトにて。(http://www.um3.jp/paul_mauriat/)
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

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