「ゴキブリ」と聞くだけで嫌悪感を抱く人は多いだろう。そんな世間から忌み嫌われるゴキブリの入ったパンが、このほどブラジルで開発された。ただしゴキブリが誤ってパンに混入したのではなく、研究を重ねて特別に繁殖させたゴキブリを使用したものであり、普通の小麦粉だけを使ったパンと比較して約40%もタンパク質が豊富なのだという。『Oddity Central』が伝えている。
つい先日、映画のプロモーションのためにカンボジアを訪れたアンジェリーナ・ジョリーが子供たちとタランチュラを調理して食べたことが伝えられたが、昆虫はタンパク質を豊富に含んでおりその栄養価は高いと言われている。
これまでも昆虫入りの食品が世間を賑わせたことがあったが、それがゴキブリとなると聞いただけでゾッとするという人も少なくないだろう。このほどブラジルのリオグランデ連邦大学で、食品化学を研究する学生のアンドレッサ・ルーカスさんとローレン・メネゴンさんがゴキブリを混ぜた小麦粉を使ってパンを焼いたところ、タンパク質の含有量が普通の小麦粉だけのパンよりも約40%も高いことが判明したのである。
ブラジル国家衛生監督局(ANVISA)によると、研究に使われたゴキブリは“ハイイロゴキブリ”と呼ばれる種類で、果物と野菜をエサに特別に繁殖させたゴキブリなのだそうだ。
ルーカスさんとメネゴンさんによれば、この「特別な」ゴキブリはタンパク質の含有率が70%と非常に高く、9つの必須アミノ酸のうちの8つが含まれているほか、オメガ3やオメガ9などの高品質の脂肪酸が含まれており優秀な昆虫だという。
「ゴキブリ1匹にこれだけの栄養価値があるんです。タンパク質が豊富なので特に栄養失調の人などにはお勧めですし、普通の食生活に取り入れてもたっぷりと栄養を摂取することができるのです。」
栄養価において「ゴキブリを10%パンに混ぜると、最大49.16%のタンパク質が増加した」という事実は大きい。肝心の味だが、普通のパンと大差ないとのこと。しかしながら「ゴキブリ入りのパン」とあえて知らせて試食をすすめてみたところ、口にしたがらない人がほとんどだったそうだ。
現在、ゴキブリ以外にもゴキブリやカブトムシでの研究も行っているルーカスさんとメネゴンさんは、以下のように話している。
「国連は、2050年までには全人口に供給できるだけの食料を生産する土地のスペースが地球上になくなると見積もっているようです。昆虫を食べることに嫌悪感を示す人は少なくないですが、もし昆虫を食品化することが一般的になれば、牛を飼うような広大な土地や水もあまり必要とせず経済的です。たとえば牛は食用になる部分は限られていますが、昆虫は余すところなく食品に使用することができます。今のところ現実的ではないですが、将来人々の見解が変わり、たくさんの人がゴキブリを栄養価値の豊富な昆虫と捉えるようになってくれればと願っています。」
特別に繁殖された食用のゴキブリとはいえ、それを人間が普通に食べる光景が将来見られるのかどうかは非常に興味深いところだ。
出典:http://www.odditycentral.com
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
つい先日、映画のプロモーションのためにカンボジアを訪れたアンジェリーナ・ジョリーが子供たちとタランチュラを調理して食べたことが伝えられたが、昆虫はタンパク質を豊富に含んでおりその栄養価は高いと言われている。
これまでも昆虫入りの食品が世間を賑わせたことがあったが、それがゴキブリとなると聞いただけでゾッとするという人も少なくないだろう。このほどブラジルのリオグランデ連邦大学で、食品化学を研究する学生のアンドレッサ・ルーカスさんとローレン・メネゴンさんがゴキブリを混ぜた小麦粉を使ってパンを焼いたところ、タンパク質の含有量が普通の小麦粉だけのパンよりも約40%も高いことが判明したのである。
ブラジル国家衛生監督局(ANVISA)によると、研究に使われたゴキブリは“ハイイロゴキブリ”と呼ばれる種類で、果物と野菜をエサに特別に繁殖させたゴキブリなのだそうだ。
ルーカスさんとメネゴンさんによれば、この「特別な」ゴキブリはタンパク質の含有率が70%と非常に高く、9つの必須アミノ酸のうちの8つが含まれているほか、オメガ3やオメガ9などの高品質の脂肪酸が含まれており優秀な昆虫だという。
「ゴキブリ1匹にこれだけの栄養価値があるんです。タンパク質が豊富なので特に栄養失調の人などにはお勧めですし、普通の食生活に取り入れてもたっぷりと栄養を摂取することができるのです。」
栄養価において「ゴキブリを10%パンに混ぜると、最大49.16%のタンパク質が増加した」という事実は大きい。肝心の味だが、普通のパンと大差ないとのこと。しかしながら「ゴキブリ入りのパン」とあえて知らせて試食をすすめてみたところ、口にしたがらない人がほとんどだったそうだ。
現在、ゴキブリ以外にもゴキブリやカブトムシでの研究も行っているルーカスさんとメネゴンさんは、以下のように話している。
「国連は、2050年までには全人口に供給できるだけの食料を生産する土地のスペースが地球上になくなると見積もっているようです。昆虫を食べることに嫌悪感を示す人は少なくないですが、もし昆虫を食品化することが一般的になれば、牛を飼うような広大な土地や水もあまり必要とせず経済的です。たとえば牛は食用になる部分は限られていますが、昆虫は余すところなく食品に使用することができます。今のところ現実的ではないですが、将来人々の見解が変わり、たくさんの人がゴキブリを栄養価値の豊富な昆虫と捉えるようになってくれればと願っています。」
特別に繁殖された食用のゴキブリとはいえ、それを人間が普通に食べる光景が将来見られるのかどうかは非常に興味深いところだ。
出典:http://www.odditycentral.com
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)