立て続けに起こっている航空会社と乗客とのトラブルだが、今度はブリティッシュ・エアウェイズ機内で発生したことを英紙『The Telegraph』や『Mirror』など複数メディアが伝えた。ロンドンを発ちジャマイカへ向かうフライトで大西洋の小さな島に緊急着陸し、男性客と女性客の計2名を降機させたのである。
4月26日の午後0時35分、ロンドン・ガトウィック空港からジャマイカのキングストンへ向けて、BA2263便は離陸した。しかしこの1時間後、乗客とCA(客室乗務員)との間にトラブルが発生したのだ。
ロンドン南部在住のクワミ・バントゥさん(65歳)は前立腺がんと糖尿病を抱えていたが、故郷の家族に会うために搭乗した。ジャマイカまでは約9時間半のフライトであったが、離陸後間もなくバントゥさんはめまいと脚の腫れを感じ、ストレッチするためにエコノミークラスの座席からファーストクラスの座席にCAの許可なく座った。
ブリティッシュ・エアウェイズ側によると「CAが予約した席に戻るように再三注意したにもかかわらず、バントゥさんは拒否し続けた。さらにCAに暴言を吐き他の乗客に迷惑を引き起こした」ことから、CAらは最後の手段としてバントゥさんを抑え込み、手足や肩、首などを紐で縛ると手錠を掛けてエコノミーの座席に連れ戻したという。
手足を拘束されたまま尿意を催した様子のバントゥさんを見て、隣の席に座っていたヨークシャー州在住の女性実業家ジョイ・ストーニーさん(40歳)はCAを呼びバントゥさんのことを擁護した。CAはパイロットを呼んだためにストーニーさんは「私がこの人をトイレにエスコートするので、トイレに行かせてあげて」と頼むと、「排便したければ座席にすればいい」という返答だったそうだ。
しかもCAらはバントゥさんに機内食を与えず、小さなパン1個とコップ1杯の水を与えたのみだったという。あまりにも酷い対応に、ストーニーさんらは携帯電話でこの状況を動画に収めている。
その間、ブリティッシュ・エアウェイズはバントゥさんとストーニーさんを機内から降ろすために、緊急着陸の態勢を取っていた。
午後4時20分、大西洋に浮かぶポルトガル領の島の一つ、テルセイラ島のラジェス航空基地に飛行機は緊急着陸した。そして地元の警察官らが機内へと乗り込み、バントゥさんとストーニーさんを拘束した。
2人は逮捕に至っていないが、取調室で身元確認と事情聴取がなされたという。彼らには機内に預けた荷物さえ引き渡されることはなかった。ストーニーさんは「小さな島で、飛行機から降ろされて荷物もないまま質問を受けた。英国領事館に助けを求めることも許されなかった」と話している。
パンドゥさんとストーニーさんが拘束されていた間、機内の乗客も一旦飛行機を降ろされることになった。しかしこの時の対応に不満を抱く乗客も少なくなかったようで、乗客のジョー・ヘンリーさん(28歳)は「島に緊急着陸した時、CAは機内に搭乗したままで乗客たちを誘導することもなく、私たちは勝手に空港の待合室に行かなければなりませんでした。着陸後は警察官ら6、7人が機内に乗り込んできたのですが、航空会社側はちょっとやり過ぎだと感じました」と明かす。
「乗客の安全を考慮することを最優先にしている」と主張するブリティッシュ・エアウェイズに対し、「バントゥさんを拘束しトイレにも行かせないのは非人道的で不合理だ」とストーニーさんは言う。
またバントゥさんは「私の病気に対してもCAは全く聞く耳を持たなかった。奴隷のように扱われ、侮辱された。彼らに人権を侵害されました」と怒りを露わにしている。
この便は結局、緊急着陸したテルセイラ島からジャマイカへ飛ぶことはなかった。小さな島の待合室で待たされ疲れ果てた乗客らを乗せて午後7時15分に出発した便は、同日の午後10時36分にロンドンのガトウィック空港に戻り、乗客らはそのままホテルに宿泊する羽目になったようだ。
この件に関しては、世間では「病気だからとゴネたら簡単にアップグレードしてもらえると思う方がおかしい」「相当のお金を払ってないくせにビジネスクラスやファーストクラスに座れるはずがないだろう」「客も客だが、トイレにも行かせないCAは酷すぎる」「黒人乗客だったから差別も絶対にあるだろう」「とばっちりを受けた他の乗客と降ろされた女性がかわいそう」といった声があがっている。
なおブリティッシュ・エアウェイズでは、昨年12月にも87歳の高齢女性が尿意を催しているにもかかわらずトイレの許可を出さなかったために、女性は座席で失禁するというアクシデントが起こっていた。
「他の乗客の安全を優先して」トラブルのもととなる乗客を排除しようとする航空会社側だが、更なるトラブルを引き起こしている感がどうにも否めない。他の航空会社でもCAの暴言や荒々しい行為が問題になっているだけに、改めて乗客への人道的な対応とCAのプロフェッショナリズムが望まれるのではないだろうか。
出典:http://www.telegraph.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
4月26日の午後0時35分、ロンドン・ガトウィック空港からジャマイカのキングストンへ向けて、BA2263便は離陸した。しかしこの1時間後、乗客とCA(客室乗務員)との間にトラブルが発生したのだ。
ロンドン南部在住のクワミ・バントゥさん(65歳)は前立腺がんと糖尿病を抱えていたが、故郷の家族に会うために搭乗した。ジャマイカまでは約9時間半のフライトであったが、離陸後間もなくバントゥさんはめまいと脚の腫れを感じ、ストレッチするためにエコノミークラスの座席からファーストクラスの座席にCAの許可なく座った。
ブリティッシュ・エアウェイズ側によると「CAが予約した席に戻るように再三注意したにもかかわらず、バントゥさんは拒否し続けた。さらにCAに暴言を吐き他の乗客に迷惑を引き起こした」ことから、CAらは最後の手段としてバントゥさんを抑え込み、手足や肩、首などを紐で縛ると手錠を掛けてエコノミーの座席に連れ戻したという。
手足を拘束されたまま尿意を催した様子のバントゥさんを見て、隣の席に座っていたヨークシャー州在住の女性実業家ジョイ・ストーニーさん(40歳)はCAを呼びバントゥさんのことを擁護した。CAはパイロットを呼んだためにストーニーさんは「私がこの人をトイレにエスコートするので、トイレに行かせてあげて」と頼むと、「排便したければ座席にすればいい」という返答だったそうだ。
しかもCAらはバントゥさんに機内食を与えず、小さなパン1個とコップ1杯の水を与えたのみだったという。あまりにも酷い対応に、ストーニーさんらは携帯電話でこの状況を動画に収めている。
その間、ブリティッシュ・エアウェイズはバントゥさんとストーニーさんを機内から降ろすために、緊急着陸の態勢を取っていた。
午後4時20分、大西洋に浮かぶポルトガル領の島の一つ、テルセイラ島のラジェス航空基地に飛行機は緊急着陸した。そして地元の警察官らが機内へと乗り込み、バントゥさんとストーニーさんを拘束した。
2人は逮捕に至っていないが、取調室で身元確認と事情聴取がなされたという。彼らには機内に預けた荷物さえ引き渡されることはなかった。ストーニーさんは「小さな島で、飛行機から降ろされて荷物もないまま質問を受けた。英国領事館に助けを求めることも許されなかった」と話している。
パンドゥさんとストーニーさんが拘束されていた間、機内の乗客も一旦飛行機を降ろされることになった。しかしこの時の対応に不満を抱く乗客も少なくなかったようで、乗客のジョー・ヘンリーさん(28歳)は「島に緊急着陸した時、CAは機内に搭乗したままで乗客たちを誘導することもなく、私たちは勝手に空港の待合室に行かなければなりませんでした。着陸後は警察官ら6、7人が機内に乗り込んできたのですが、航空会社側はちょっとやり過ぎだと感じました」と明かす。
「乗客の安全を考慮することを最優先にしている」と主張するブリティッシュ・エアウェイズに対し、「バントゥさんを拘束しトイレにも行かせないのは非人道的で不合理だ」とストーニーさんは言う。
またバントゥさんは「私の病気に対してもCAは全く聞く耳を持たなかった。奴隷のように扱われ、侮辱された。彼らに人権を侵害されました」と怒りを露わにしている。
この便は結局、緊急着陸したテルセイラ島からジャマイカへ飛ぶことはなかった。小さな島の待合室で待たされ疲れ果てた乗客らを乗せて午後7時15分に出発した便は、同日の午後10時36分にロンドンのガトウィック空港に戻り、乗客らはそのままホテルに宿泊する羽目になったようだ。
この件に関しては、世間では「病気だからとゴネたら簡単にアップグレードしてもらえると思う方がおかしい」「相当のお金を払ってないくせにビジネスクラスやファーストクラスに座れるはずがないだろう」「客も客だが、トイレにも行かせないCAは酷すぎる」「黒人乗客だったから差別も絶対にあるだろう」「とばっちりを受けた他の乗客と降ろされた女性がかわいそう」といった声があがっている。
なおブリティッシュ・エアウェイズでは、昨年12月にも87歳の高齢女性が尿意を催しているにもかかわらずトイレの許可を出さなかったために、女性は座席で失禁するというアクシデントが起こっていた。
「他の乗客の安全を優先して」トラブルのもととなる乗客を排除しようとする航空会社側だが、更なるトラブルを引き起こしている感がどうにも否めない。他の航空会社でもCAの暴言や荒々しい行為が問題になっているだけに、改めて乗客への人道的な対応とCAのプロフェッショナリズムが望まれるのではないだろうか。
出典:http://www.telegraph.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)