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【海外発!Breaking News】病院の乳児取り違え事件で親子が勝訴 22歳の献血で判明(オーストリア)

TechinsightJapan 2017年6月16日 17時30分

愛情豊かな母親と愛しい娘は長年にわたりたくさんの思い出を作り、良好な関係を築いてきた。しかし娘は初めての献血で、2人の間に血のつながりがないというショッキングな事実を突きつけられてしまう。やはり疑わしいのは病院側の「取り違え」ミスであるが…。

『krone.at』などが伝えたところによれば、赤ちゃんの取り違えミスを犯していたことが疑われるのは、オーストリア・シュタイアーマルク州グラーツ市の大学病院「University Hospital Graz」。そこで1990年10月31日に生まれたドリス・グリュンヴァルトさんは、22歳の時に初めてした献血で親と血液型が一致しないことを知り、続いて受けたDNA検査の結果にも愕然となった。母親のイヴリンさんは帝王切開手術で女児を出産し、麻酔が覚めてからわが子を初めて授乳のために抱いたといい、その20時間内に赤ちゃんの取り違えが発生したと考えられるという。

言葉にならないほど強い精神的苦痛を受けたとして、親子は病院および管轄の保健当局を提訴した。法廷のドリスさんは「実の母親の情報すらいまだつかめていない」とした上で、「その女性も22年間育ててきた子が実の娘ではないと知ったら大変なショックを受けるに違いない」と訴えた。

このほど行われた裁判で、判事は病院側に重大な過失があったとするグリュンヴァルトさん親子の訴えを全面的に認め、被告に損害賠償および慰謝料として父、母、娘の3人に3万ユーロ(約370万円)ずつ支払うよう命じた。もっとも保健当局は「赤ちゃんの取り違えが病院内で起きたと裁判所が決めつけるのはおかしい。判決は不服だ」として上訴を予定している。昨年この病院は同じ時期に出産で入院していた200名の女性に無償でのDNA検査に協力するよう求めたが、実施されたのは30名だけでドリスさんの実の母親は特定できていない。ドリスさんもFacebookを通じて検査および情報提供への協力を呼び掛けている。

なお病院では同姓同名でも患者の取り違えが発生しがちである。米マサチューセッツにある「セント・ヴィンセント病院」では、腫瘍が生じたある患者の腎臓を摘出するはずが別の患者から健康な腎臓を誤って摘出してしまった。2人は同姓同名であったが年齢が離れていた。スタッフの連携ミスが原因とも疑われたが、カルテ上の生年月日や年齢を患者にも尋ねるという簡単な確認作業がなかったことが特に問題だと報じられた。

画像は『RTÉ.ie 2017年6月12日付「Austrian hospital faces 90k bill for mixing up babies 27 years ago」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)

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