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【海外発!Breaking News】炎に包まれた家から妹を救助 8歳兄に消防署から表彰状(米)

TechinsightJapan 2017年8月1日 21時10分

緊急時に冷静に対応することは大人であっても難しい。しかしこのほど火事になった自宅から8歳少年が幼い妹を連れて避難、911へ緊急通報するという機転を利かせ、家族全員が無事であった。“勇気ある小さなヒーロー”のニュースを『FOX6Now.com』『unionleader.com』など複数の米メディアが伝えている。

7月23日、米ニューハンプシャー州ダマーに暮らすジョン・ホルトさんは、庭の芝刈りを終えた後、芝刈り機を納屋に置き壁を隔てた自宅に戻った。しかしリビングにいると20分ほどして煙の臭いに気付き、ジョンさんはすぐに消火器を手にして納屋へ向かおうとし、同時に電話を掴んで8歳になる息子のハリソン君に911通報するように伝えた。

納屋に走り、ジョンさんは芝刈り機に向けて消火器を噴射したが、すでに炎は広がっていた。そこで一旦納屋から出てハリソン君に助けを求めるように言い、再び納屋に戻って4輪バギーを使い燃えている芝刈り機を納屋から引っ張り出そうと試みた。

炎が広がる中で父親が悪戦苦闘していた時、ハリソン君は実に冷静に行動していた。自宅が燃える様子を目の当たりにしながら、ハリソン君は生後11か月の妹マリーちゃんを抱きかかえ外に連れ出した。5歳の弟パトリック君は自力で避難した。

ジョンさんが気付いた時には、普段「家族の避難場所」として指定してあった前庭の楢の木の下に妹を抱きかかえたハリソン君と弟の姿があったという。ハリソン君は父に指示された通り911に的確に通報していた。

不運にもホルト家はほぼ全焼した。しかし一家は近隣住民から食料や衣類、避難小屋を提供してもらうなど手厚い支援を受けた。最初は家族でジョンさんのおばにあたるダイアンさんの家に身を寄せていたが、燃えた家のすぐ近くに家を借りて現在はそこに住んでいる。

ダイアンさんは「ハリソンとパトリックは、家族の緊急時の避難に備えて普段から言われていたことを正確に実行したのです。ハリソンはとてもしっかりした子だと思います」と感心している。また、ダマー町委員のエリザベス・ルーディガーさんも「ハリソン君はとても勇敢な少年です。あれだけ大きな炎があがった家から安全に避難するのは困難なこと。それをやってのけた彼はヒーローです」と称賛した。

現場に駆け付けたマイラン・ダマー消防署のバド・チャップマン署長は「もしも火事が夜に発生したり、ハリソン君が機転を利かすことがなければ、事態は更なる悲劇を招いていたことでしょう。切迫した状況の中で、子供がこれだけ素早く的確な判断を下すということはそうそうあるものではありません。実際にやってのけたハリソン君は本当に素晴らしいです」と述べ、後にハリソン君は消防署から名誉会員として認められ表彰された。

さらにチャップマン署長は「火災が発生した時に家からどのように避難するか訓練をしておくこと、また煙探知機がどのように働くのかということを子供たちに普段からきちんと教えておくことは、いざという時に慌てないためにも非常に大切です」と話している。

家は全焼してしまったものの、家族全員が無事であったことが何よりだ。燃えた自宅は1930年代にジョンさんの大おじのおじに当たる人物が建てたもので、4年前にいとこから購入し広範囲に改築をしたばかりだった。ジョンさんによると家には保険がかけられてあり、妻のヘザーさんとともに自宅を再建する計画をしているという。

画像は『WRGT: Dayton News 2017年7月29日付「New Hampshire 8-year-old saves sister, is made honorary fireman」(CNN Newsource)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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