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【海外発!Breaking News】ゴミ箱に捨てられたゴールデン・レトリバー、四肢切断後セラピー犬として活躍(米)

TechinsightJapan 2017年10月31日 21時12分

四肢をワイヤーで縛られた状態でゴミ箱に捨てられていたゴールデン・レトリバーが、四肢切断という辛い出来事を乗り越え、現在はセラピー犬として多くの人々を癒す存在になっている。『Today』や『KVOA』などが伝えた。

ゴールデン・レトリバーの“チチ(Chi Chi)”は、韓国でゴミ箱の中にいたところを動物救済・保護団体「Animal Rescue, Media&Education、以下ARME」に救われた。しかしワイヤーで縛られていたチチの四肢は壊死を起こしており、4本とも切断を余儀なくされた。チチの四肢切断手術後の様子がARMEのFacebookに投稿されたことで、それを見た米アリゾナ州フェニックス在住のエリザベス・ハウエルさんは、チチが再び歩くことができるようになるのか分からない状況でありながらも「この犬を引き取りたい」と思ったそうだ。

「何度も繰り返してビデオを見ました。不幸な虐待と酷い怪我にもかかわらず、チチが尻尾を振っている姿やその目に惹かれました。」

エリザベスさんはすぐに連絡を取り、チチを引き取りたいと申し出た。そして2016年4月、チチはARMEスタッフの1人に連れられてソウルからロサンゼルスへと飛び、車でハウエルさん一家のもとへとやって来た。

チチは、エリザベスさんと娘メーガンさん(14歳)にすぐになついた。エリザベスさんの夫リチャードさんに慣れるまでには数週間を要したが、今では強い信頼関係で結ばれており、リチャードさんはチチの義肢の取り外しを毎日行っている。

チチがやってきた当初は、スポーツ用靴下に綿を詰めたものを履かせて対応していたが、フェニックスの地元で人間の義肢装具士を紹介してもらったことでチチの義肢は劇的な改善を遂げた。しかしチチの場合、四肢がそれぞれ違う箇所で切断されたために、1本ずつ適合する義肢を作らなければならなかった。

その後、獣医の助手によって動物専門の義肢装具士を見つけることができたため、今年中にはチチのために特別な義肢をカスタマイズしてもらう予定だという。

リチャードさんは障がいのある犬を引き取ったことについて、このように話している。

「チチを引き取ることは大変でした。でも親として、娘に『最良の決断と思われることでも、それを実行に移すことは決して楽ではない。時には困難なことでも立ち向かっていかなければならない』ということを教えることもできました。今ではチチを引き取ったことは1,000倍の価値があったと言えますよ。」

また一家にとって何より嬉しいのは、苦難を乗り越えたチチが現在はセラピー犬としての資格を得て、様々な人々に癒しを与える存在になっていることだ。

毎週フェニックス中を回り、軍人病院に入院している退役軍人やアルツハイマーを患う人、読み方を学んでいる子供たちや身体的なリハビリ療養を受けている患者たちのもとを訪れるチチが、人々に与える影響の大きさをハウエルさん夫妻はこのように語っている。

「片脚を切断した女性がいるリハビリ施設を訪れた時に、彼女が『チチは四肢全てを失ってもこうして乗り越えているのだから、私だってきっと大丈夫』と話してくれたんです。チチの存在は、出会う人全てに『決して諦めなければ、人生のどん底から這い上がり回復できる』という希望を与えています。どんなに辛い出来事に遭ってもそれを受け入れることができれば、前向きに人生を歩むことができるのだという強い決意をチチから感じることができるのです。」

人間に虐待を受け、計り知れない苦難を乗り越えたチチが再び人を信じ、今度は人に癒しを与え救うという毎日を送っている。そんなチチの強さをハウエルさん一家は誇りに感じていることだろうが、その世話は容易ではない。

現在チチは歩行に問題はないが、四肢の付け根が痛むようでそれを和らげるために獣医院で冷却レーザー治療を受けている。また自己免疫疾患の難病「エリテマトーデス」も抱えており、そのための薬も一生必要とされている。さらに今後は四肢の付け根に負担がかかるのを抑える義肢も考えられており、その費用も決して安くはない。寄付金サイト『GoFundMe』にアカウントを設置したハウエルさん一家は、「集まったお金は全てチチの義肢や治療のために使用します。どうか募金を」と寄付を呼び掛けている。

画像は『Chi Chi Rescue Dog 2017年10月11日付「When I get my new prosthetics, I will need to decide what color I want them to be.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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