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【エンタがビタミン♪】ZIGGY森重樹一“どん底”からの復活「自分の美意識を信じてここまで続けられた」

TechinsightJapan 2017年10月28日 17時25分

デビュー30周年を迎えるZIGGYが10月25日に10年ぶりのニューアルバム『2017』をリリースした。発売前の18日、ボーカルの森重樹一がニコニコ生放送のヴィジュアル系番組『ニコびじゅ』の“ZIGGY NEW ALBUM『2017』リリース記念特番”でZIGGYを通して自身の「どん底」時代を振り返った。

森重樹一は1984年、21歳の時に中心メンバーとなりZIGGYを結成する。1987年にはアルバム『ZIGGY ~IN WITH THE TIMES~』でメジャーデビューを果たし、1988年5月に出した2ndアルバム『HOT LIPS』の収録曲『GLORIA』が大ヒットした。しかし森重によると、その頃から「メンバーとの音楽性に葛藤」を感じてバンドの継続に疑問を持ったという。

彼だけでなくZIGGYのメンバーがそれぞれの音楽性にこだわったことで、入れ替わりや活動休止を繰り返したのだろう。ただ、良い作品を作った時には充実感があり気持ちは上向いた。そんななかで森重は2008年頃が「どん底」だったと明かす。「本当に生きてるのが嫌だったし、酒ばっかり飲んでいる」状態で、折しも2007年に娘が生まれ父親としての在り方に悩んだことも輪をかけた。

それでも2009年に「俺の人生まだなんとかなるかも」と気持ちが上向いたのは、父親としての成長も手伝ったのではないか。そこから「本当に自分に正直な気持ちなりたい」との思いを音楽で形にしようともがきながら、少しずつ積み上げてきた。それが実ってメジャーデビュー30周年に再始動してニューアルバム『2017』を完成するのだ。

「どん底」だった頃はZIGGYの活動を休止しており、彼は「どん底がなければ今もなかった」と必然性を感じつつ「俺にとってZIGGYがすごい大事なものだった」と振り返っていた。



“ZIGGY NEW ALBUM『2017』リリース記念特番”では、森重がアルバム『2017』の楽曲について解説したり“ZIGGYザグ・グラフトーク”のなかで「30年前の自分へ」と自身でしたためた手紙を読んだが、主張が一貫していることと繊細な表現力が光った。深みのある言葉は早稲田大学第一文学部哲学科卒ということが関係しているのかもしれない。

特に「踊らされたくない、自分の意思でやりたい。アイデアや美意識を信じてやりたい。だから運もあるけどここまで続けてこられた」というこだわりが彼の柱にあるようだ。それは楽曲に対して「メロディだけでも歌詞だけでもない、両方が合致した時の“完成感”」を大切にすることであり、どのように「ハイライト」を作るかに苦心することからも分かる。

また、新曲『うたた寝の途中』のミュージックビデオにて「ウェディングドレス」や「チャイナドレス」を着るアイデアは彼によるもので、チャイナドレスは中華街、パジャマは高島屋に自分で買いに行ったという。ZIGGYではあまりやらなかった「グラムっぽい感じ」を本作のMVで実現させようと考えて「自身の美意識」にこだわったのである。

アルバム『2017』についても1曲1曲にメッセージを込めており「俺が思うZIGGYはこういうバンド」と納得できるものに仕上がった。「メロディと歌詞」による相乗効果やギターフレーズに転調など、聴き込むほどに味わい深い作品だ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

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