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【海外発!Breaking News】救急隊員、余命僅かの女性の最期の願いを叶えるためビーチへ(豪)

TechinsightJapan 2017年11月29日 21時0分

このほど豪クイーンズランド州の救急サービス「Queensland Ambulance Service(QAS)」がFacebookに投稿した1枚の写真が大きな反響を呼んだ。末期の病を患う高齢の女性患者を病院へ搬送する途中、救急隊員が女性の最期の願いを聞きビーチへと立ち寄ったのである。海を眺める救急隊員と女性の後ろ姿の写真は、多くの者の涙を誘った。米メディア『PEOPLE.com』『ABC News』などが伝えている。

11月22日、クイーンズランド州ハービー・ベイ地区担当の救急隊員グレイム・クーパーさんは、同僚のダニエル・ケランさんと救急車で末期の病を抱えた高齢者女性を地元病院の緩和ケア病棟へと搬送中だった。しかしその女性が「もう一度海を見たかった」と口にしたことから、グレイムさんは上司に許可を得て彼女の最期の願いを叶えるべくハービー・ベイへと救急車を迂回させた。

グレイムさんはバーラム国立公園や埠頭、フレーザー島が一望できる小高い丘に女性を医療担架に乗せたまま連れて行き、女性に寄り添い海を眺めた。出来ることなら女性を岸まで連れていきたかったグレイムさんだが、そこは岩が多く担架では移動できない。そこでせめて海の水でもと思い女性のもとに運んで持っていくと、彼女はそれを口に含みとても喜んでいたという。

グレイムさんと女性の姿を後ろから撮影したダニエルさんが、救急車に戻ってきた女性に海を見てどう思ったか尋ねると、彼女は「とても穏やかな気持ちになった。もうこれで思い残すことはないわ」と満足そうに話したそうだ。

後にメディアの取材に応えたグレイムさんは「人の死に直面した仕事をしている我々は、患者の最期の願いを耳にすることがよくあります。これから旅立つ人にはできるだけ幸せな気持ちになってもらいたいので、できる限りのことをしています。我々にとっては患者であってもその人は誰かの父親であり、母親であり、きょうだいであるのです。もし思いやりを失くしてしまったら、この仕事はできません」と話し、見知らぬ女性の最期をともにした時を振り返り涙した。

グレイムさんと女性の写真が投稿されたFacebook「Queensland Ambulance Service(QAS)」には、「人を救うというのは、薬や訓練、技術だけではありません。患者の心に寄り添うことが何よりも大切であり、女性の最期の願いを叶えたグレイムとダニエルをとても誇りに思います」と綴られている。このニュースを知った人々からは「これこそ患者をケアするという真の意味なんだろうね」「思いやりのある素晴らしい救急隊員だ」「素敵なストーリーのシェアをありがとう」といった声が寄せられている。

画像は『Queensland Ambulance Service(QAS) 2017年11月22日付Facebook「This story told to us by Helen Donaldson the Officer in charge of Hervey Bay is too good not to share.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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