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【海外発!Breaking News】母乳育児を望む乳がん女性のため、乳がん闘病経験者が母乳寄付を呼びかけ(米)

TechinsightJapan 2017年12月20日 21時0分

「がんは全てを奪ってしまうもの。でも絶対に負けたくない」―強い心で乳がんと闘うことを決めた3児の母親。しかし産まれたばかりの娘に母乳を与え続けたいという願いが叶わず葛藤していた時に、手を差し伸べてくれたのは世間の女性たちだった。見知らぬ多くの人々からの温かい思いやりに、女性は感謝の気持ちを述べている。米メディア『Inside Edition』『ABC News』『KETV』などが伝えた。

米アイオワ州アンケニー在住のジャッキー・ホルシャーさん(33歳)は今年の5月、ステージ2の乳がんの告知を受けた。第3子となる女児ジェネヴィエーヴちゃんを数週間前に出産したばかりのジャッキーさんは、上の子たちのように「2年間は授乳を続けたい」と思っていたが、治療のためにそれが不可能になり悲しむしかなかった。

そこでジャッキーさんは親友のメーガンさんに救いを求めると、メーガンさんは搾乳してジャッキーさんに提供した。また、別の友人ブランデーさんの協力で、地元のママたちもジャッキーさんのために搾乳した母乳を寄付してくれた。その量は半年間ジェネヴィエーヴちゃんに与えるには十分であったが、やはり限られた人数では限界があった。

11月3日の両乳房切除術が近づいていた頃、ジャッキーさんは乳がん治療を受けている時に共通の友人を通して知り合ったネブラスカ州オマハに住む3児の母アシュリー・ブレムさん(35歳)と再び会った。ジャッキーさんが娘に十分な母乳を与えて育ててあげることができない不安を吐露すると、アシュリーさんはFacebookや自身のブログで母乳の寄付を求める投稿をした。

実はアシュリーさん自身も乳がん闘病者であり、昨年に両乳房切除術を受けている。だからこそ同じ病と闘うジャッキーさんの葛藤が理解できたのだろう。アシュリーさんはこのように話した。

「ジャッキーさんが娘のために市販のミルクを買えばいいということはわかっています。でも彼女には、どうしても自分の子供たち全員を母乳で育てたいという強い気持ちがありました。がんは病と闘う人から多くの願いを奪ってしまうものです。でも私はジャッキーさんの願いが叶うようにサポートしたかったのです。」

この寄付の呼びかけはまたたく間に拡散し、24時間以内に予想を遥かに上回る反響があったそうだ。寄付してくれる人々から母乳を集めるために、エリアごとに収集場所を決めなければならなかったのだが、「うちの近くなら冷凍庫を貸してあげる」と申し出てくれる女性がいたり、カナダに住む女性からは「ドライアイスと一緒に母乳を送ります」といったオファーがあったという。現在がん治療中のある女性は、娘が搾乳した1,300オンス(約38リットル)の母乳をカンザス州から2時間かけて車で届けてくれたこともあったそうだ。そんな人々の親切にアシュリーさんは感激した。

「集まっても200オンス(約5.7リットル)ぐらいかなとは思っていたのですが、あまりの反響に涙が溢れました。世間の人々の温かい思いやりの心は決して失われてはいなかったのだと感動しました。」

呼びかけ以来、1週間で4,500オンス(約133リットル)の母乳が集まったことを知ったジャッキーさんも、信じられないほど多くの女性からのサポートに深く感謝し、このように明かしている。

「がんになると多くのことを諦めなければならず、それはとても辛いことです。でも告知を受けた時に『負けてたまるか。がんに全てを奪われたりせずに、私はハッピーになってみせる』と決心したんです。私は3人目も母乳で子育てしたいという思いが強かったし、高額な医療費のために市販のミルクを買うことは経済的にも大変でした。多くの母乳を寄付してもらうことができて、どれほど安堵し救われたことか。みなさんの温かい思いやりには本当に感謝しています。がんは私から全てを奪うことなどできません。」

現在、多くのサポートのおかげでジャッキーさんとアシュリーさん宅の冷凍庫はいっぱいになっており、寄付への呼びかけは一時中断しているそうだが、来年には再び寄付を募る予定だそうだ。ジャッキーさんはジェネヴィエーヴちゃんの小児科医にドナーからの母乳を飲ませることの承認を得ており、思いやりの心が詰まった多くの女性らからの母乳を飲んでいるジェネヴィエーヴちゃんは、すくすくと元気に育っているという。また、ジャッキーさん自身もこのことが励みになったようで「乳房切除後は、思っていたよりも元気に回復しています」と話している。

画像は『Inside Edition 2017年12月9日付「Breast Cancer Survivor Helps Mom Who Could No Longer Breastfeed Due To Her Own Diagnosis」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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