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【エンタがビタミン♪】<THE ALFEEインタビュー>結成45周年を前に「バンドだから続けてこられた」 辛いことは3人で「3分の1に」

TechinsightJapan 2017年12月22日 20時8分

来年結成45周年を迎えるTHE ALFEE(桜井賢・坂崎幸之助・高見沢俊彦)が、12月20日に今年第2弾となるシングル『人間だから悲しいんだ』をリリースした。幅広いジャンルを手がける彼らだが、新曲はTHE ALFEEの真骨頂であるハード・フォークロックな楽曲だ。テックインサイトではTHE ALFEEの3人を直撃、たっぷりと話を聞いた。彼らにとっての今年の重大ニュースも聞いてみた。

■新曲のメインヴォーカルは「オーディション」で決定
―THE ALFEEは3人ともメインで歌えることも魅力のひとつですが、新曲はシングルとしては坂崎さんが16年ぶりにメインヴォーカルを務めることも話題ですね。誰にするかオーディション(3人が一人ずつ実際に歌ってみて決める)をなさったとか。
坂崎:(坂崎が前回メインヴォーカルだったシングル)『Juliet』から16年経っちゃった。それがまずびっくりですよね。今回はタイトルとフォークロック調ということで「(メインヴォーカルは)坂崎さんですね」という声が多かったんですよ。嫌な予感がしたんですけど(笑)。
高見沢:今だから言いますけど、「自分は違うな」と思っていたんですが、3人とも歌えるキーだったので、久しぶりにオーディションをやってみました。僕らはあまり(メインで)歌いたがらないグループなので、オーディションをやらないとリードヴォーカルが決まらない。現に桜井にオーディションを打診したら、お前が歌えばいいじゃんとか言って自分で放棄してましたからね(笑)。
桜井:いや、僕はもう歌いたくて歌いたくて。僕も一生懸命やりましたけど、エントリーナンバー3番の坂崎さんに負けました。
坂崎:嘘つけー。
高見沢:どの口が言ってんだか。
(一同爆笑)
坂崎:でも桜井の歌も良かったですよ。スマートになりますよね。ちょっと洋風というか。
高見沢:確かに。でも今回のシングルは坂崎が一番合いますよ。歌詞の内容もサウンド的にも声の質も含めてね。正直、坂崎の歌入れから「やっぱり思った通りだな」という感じだったけど、まぁでも来年は結成45周年なので3人で(オーディションを)やってみたって感じですね。坂崎もこの曲は入り込みやすいのではないかな。
坂崎:そうだね。「人間」とか「悲しい」というのは僕が大好きだった方々のタイトルや歌詞によく出てきた言葉ですよね。その辺からもやっぱり自分が通ってきたフォークロック系の歌なんだなと感じましたね。

―前々作のシングル『今日のつづきが未来になる』もそうですが、今回もタイトルが哲学のようですね。
高見沢:自分では哲学的とは思わないけど、日常誰もがあり得る事を歌にしたというのはあるかもしれない。あと『今日のつづきが…』も『人間だから…』も歌詞から作っているから、よりメッセージが強いかもしれませんね。いつもはアレンジやメロが先行しますが、最近のシングルは逆のパターンということです。



■新曲は「今の僕らの等身大のメッセージ」
―では、この曲ができた経緯やきっかけを教えてください。
高見沢:来年の結成45周年が大きかったですね。それに向けて弾みをつけるシングルというイメージです。たとえば20代・30代の頃だとこういう歌は出てこないと思うんですよ。今、45年経って年齢も重ねてきたからこそ歌える歌を出そうと。それが『人間だから…』になりました。今の僕らの等身大のメッセージですね。これを自分たちのアニバーサリーソングにしようという気持ちですね。基本的にTHE ALFEEの音楽的なバックボーンというのは、ハーモニーとアコースティックギターだと僕は思っていますが、高校や大学時代にコピーしていたサウンド、CSNやS&Gもアコースティック+コーラスじゃないですか。そこを原点回帰としてちょっとハードにしたサウンドを目指しましたね。まあ、当時では考えられない高いギターを坂崎は弾いていますけどね。
坂崎:値段ですか(笑)。Martin / D-45ですから、当時20歳そこそこでは持てなかったですね。

―ちなみにお値段はどのぐらいなのですか?
高見沢:1億ぐらいですか?
坂崎:そんなにしない(笑)。でも、今は僕が買ったときの倍以上になっていますね。1968年製のD-45って67台しか生産していないんですよ。戦後、最初に作られたD-45なんですけど、今はもう多分7~800万円するんじゃないですか? 加藤(和彦)さんが生前アメリカで見つけて、「3万ドルで出てるから、幸ちゃん(=坂崎)買えば?」って。「無理ですよ」って言ったら知り合いが買ったの。それで『和幸』(加藤和彦さんと坂崎のユニット)のときに借りて弾いていたんですね。それから1、2年後にD-45が欲しくて頑張って買おうかなと思っていたら、楽器屋さんにちょうど売りに出ていて、加藤さんに値引き交渉を頼んだら、僕が借りていた人が委託で出していたの。それで「幸ちゃんだったら」って。すごい縁があって、びっくりしちゃった。

―新曲はイントロからアコースティックギターがよく聞こえていますけど、そのギターで弾かれているのですか? 
坂崎:はい。あと歌の間のストロークも。あまり鳴りのいいギターをアルフィーの大音響のステージで使ってしまうと、レコーディングとは違ったキャラになってしまうので、そこがすごく生ギターの微妙なところですけど。(ステージでは)日本でも有名なギタービルダー、デザイナーのテリー中本さんのギターがほとんどですね。



■「辛いことは3分の1になる」のはバンドの強み
―ところで、この歌詞のように人生につまずいた状況のとき、どうやって抜け出しますか?
高見沢:(僕らは)バンドだったから抜けてこられたという部分もありますね。ソロだときつい部分もたくさんあったと思うんですけど、そこはバンドの強みじゃないですか? よく言っていますが、(3人だから)辛いことは3分の1になって、いいことは3倍になるから。バンドだからこそ40年以上出来たと思いますね。バンドだからこそ曲も作れたというのもあるし、一人だったら曲を作ろうと思わない。『人間だから…』は曲を聞いた方が「自分だけが悲しいんじゃない」と思ってくれればいいですね。

■カップリング曲は「アルフィーらしいサウンド」
―カップリングの『この素晴らしき愛のために』は、この秋の全国ツアー『秋フェスタ』(10月5日から12月17日まで開催)のオープニングナンバーでしたね。
高見沢:1曲目ではちょっと弱いかなと思ったんですけど、意外とそんなことはなくてこの曲が『秋フェスタ』のオープニングにふさわしい感じになりましたね。ポップでもあるし、コーラスも入ってくるし、アルフィーらしいサウンドじゃないかな。音源化していなかったので、最初のときから歌詞も変わっているし、アレンジもちょっと変えちゃったし、ステージでやっていくにしたがって変えていった楽曲ですね。

■「30年前にやっておいて良かった」オールナイトコンサート
―ライブ演奏を収めたボーナストラックは通常盤、初回限定盤A、B、Cとバージョンごとに異なっていますね。
高見沢:『夏フェスタ』(今年7月29日・30日に横浜アリーナで開催)のコンサートからですね。(夏のコンサートは)DVDとかBlu-rayになることが多いですが、「音源が欲しい」という方も結構いるんですよね。じゃあ、その中で入れてみようかなと。それぞれがメインヴォーカルで出来のいい奴を(笑)。それと今までボーナストラックになっていなかった楽曲から選びました。
坂崎:(これまでのシングルのボーナストラックの)ライブ音源集めたら結構いろんなのがあるよね。

―7月30日のコンサートでは、静岡県日本平でのオールナイトコンサートからちょうど30年という話をなさっていましたが、その象徴ともいえる『夜明けのLANDING BAHN』が初回限定盤Bに入っていますね。
高見沢:30年前にやっておいて良かったね。今、やれと言ったってね、3人のうちの誰かは倒れるかもしれない(笑)。
桜井:オーディエンスだってね、あれだけの天候が変わった中で若くなきゃ無理ですよね。
高見沢:若いってさ、そういう無謀な部分があるよね。無謀がすごくかっこよく見えたりね。今の僕らの年代だと無謀はバカだと思うから、長くやるためにも無理はしない。だからあの時にオールナイトはやっておいて良かったなと思いますね。



■ゲームは誰が強い? 負けた人は…
―ところで今回のジャケットの初回限定盤Aでは、ゲームがたくさん置いてありますけど、実際に何かしましたか?
坂崎:野球盤やりましたね。本気じゃないですけど。
高見沢:まあ、ゲームはよくやっていたからね。学生時代もトランプや麻雀とか。やることないからゲームしかないんだよね。

―どなたが強いのですか?
高見沢:トランプは坂崎が強かったよ。トランプゲームの最高峰と言われている「ナポレオン」。頭使いますね。
坂崎:面白いですよ。僕、小学校のときからやっていたんです。小学校の先生が授業やめて「今日みんなでナポレオンやろう」って。机全部下げて、床で。
高見沢:え、そうなの? いい先生だね。

―坂崎さんは小学生の頃、神童だったそうですね。その頃も強かったのではないですか。
高見沢:神童って自分で言っているだけだから、誰も知らないんだよ(笑)。信憑性には欠けるからね。
坂崎:そう。誰も見たことない。外交官になろうと。(小学生のときもナポレオンは)強かったですよ。
桜井:ナポレオンと相撲と(強かったよ)。
坂崎:脚も速かったんですよ。
高見沢:脚も速いし、手も早い。
坂崎:手は早くない(笑)。
桜井:(笑)麻雀やっていて可愛かったのはね、負けた人はツアーに行くときにみんなの荷物を持つんだよね。それはそれで大変なんだけどね。高見沢は自分が負けていると勝つまでやるって本気になってねじり鉢巻きで。こんな負けず嫌いのやついないですよ(笑)。

■THE ALFEEの今年一年を振り返って…
―最後にTHE ALFEEの今年の重大ニュースを教えてください。
高見沢:今年も元気で一年できたことかな。
桜井:トラベリングバンドで何十年もやってきていますけど、決して全部スムーズにできたわけではなくて、今年も時期外れの台風が来たりして、もしかしたら出来なくなるかもしれないというのもあるわけですよね。高知なんて本当に台風が通っていたんですから。
坂崎:新しい試みとしてはフェスに出たことですね。オリフェス(今年11月2日パシフィコ横浜にて開催した『ORICON FES.』)。これはこの何十年もなかったことですね。(対バンの)「超特急」「SPYAIR」の一世代も二世代も違うファンの前で僕らの演奏を聴いてもらったというのは、面白い体験でしたね。

―すると、今年のTHE ALFEEのニュースは、「今年一年健康で無事にツアーが出来た」と「オリフェス」ということですね。
高見沢:そういうことですね。
桜井:それに勝るものはないですからね。

よくTHE ALFEEへの質問として「バンドが長く続く秘訣は何ですか?」というものがある。しかし、今回のインタビューで高見沢が「バンドだからこそ40年以上出来たと思う」と明かしていることから、その質問は彼らにとってまったくナンセンスだと感じられる。来年結成45周年を迎える彼らだが、高見沢は「僕らが長く続けていてファンの皆さんは『私たちは幸せです』と言いますけど、僕らの方が幸せですよ。だって長く続けるには皆さんがついてきてくれないとコンサートが立ち行かなくなるんですから」とも語っていた。彼らも幸せ、ファンも幸せ―まるで“幸せの相乗効果”はアニバーサリーイヤーに向けて新曲でさらに弾みをつけていきそうだ。



(TechinsightJapan編集部 関原りあん)

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