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【海外発!Breaking News】3000万円のフェラーリを別の客に「どうぞ」 高級ホテルのバレーパーキングで大失態(米)

TechinsightJapan 2018年1月28日 18時40分

アメリカでは非常に多用されているバレーパーキング。便利なところで車を止め荷物だけ持ったら車はそのまま係員に託し、駐車場に入れておいてもらうというサービスで、ホテル、大きめのレストラン、繁華街の飲食店、コンサート会場、大病院などでは実によく見られる光景である。利用者は引換券をもらい出庫時に料金とチップを支払うことになるが、フロリダ州の高級リゾート・ホテルではバレーパーキングの係員に託されたフェラーリが盗まれ、ついに裁判沙汰になってしまったようだ。

事件が起きたのは、フロリダ州のセントピーターズバーグにあるラグジュアリーホテルにゴルフ場が併設された「ザ・ヴィノイ・ルネッサンス・セントピーターズバーグ・リゾート&ゴルフクラブ(The Vinoy Renaissance St. Petersburg Resort & Golf Club)」で昨年7月のこと。バレーパーキング係員のミスで、約30万ドル(約3,300万円)で購入した鮮やかな黄色が美しい2014年製フェラーリ458スパイダーを見ず知らずの男に奪われた男性が、ヒルズボロ郡巡回裁判所に起訴状を提出。これにより事件が明るみに出た。

原告となるのは、オーランドの「ファウラー・オクイン・フィニー&スニード法律事務所」で代表を務めるジェームズ・“スキップ”・ファウラーさん(James “Skip” Fowler、73)。弁護士会の会合に出席するため昨年7月27日午前にそのホテルを訪れ、すべての用事を済ませて同日の深夜にバレーパーキングの係員に出庫を依頼した。ところが「そのような車は見当たらない」と言われて愕然としたという。

車が行方不明になってからおよそ30分後、テールランプを点けずに走行がややおぼつかない高級スポーツカーを警察が公道で発見、呼び止めた。尋問するうちにコカインが見つかり、さらに運転手が「車は自分のものではない」と白状したため事件が発覚した。乗っていたリーヴァイ・マイルズ(28)、クロエ・リマー(24)という男女は車両窃盗の疑いで逮捕された。2人は出会ったばかりだったという。車は自分のものだとリマーに嘘をついたことを認めたマイルズだが、窃盗容疑に関しては「盗んでなんかいない。バレーパーキングの係員がこの車の鍵をくれたんだ。数時間後には返却するつもりだった」などと主張した。

ホテルの前に停めてあったフェラーリを見て、「女にカッコイイところをみせたい」と邪なことを考えてしまったというマイルズ。「チケットは車の中にあるから後で渡す」と嘘をついてフェラーリの鍵を要求し、しばらくすると走り去ってしまった。深夜の忙しい時間帯であったことから係員はそれを鵜呑みにしたばかりか、運転テクが足りずにフェラーリの発進にもたつくマイルズの様子も見逃してしまった。

鍵がついたまま顧客の車を預かるバレーパーキングの責任は重い。出庫の際には引換券と車をしっかりと照合するべきところ、係員はそれを怠ったままフェラーリを別の顧客に渡していたのだ。もっとも組織化された窃盗団がこうした超高級車を狙い、巧妙な手口で盗む事件は頻繁に起きている。この事件の背後にそうした窃盗団の存在がないか慎重な捜査が必要であろう。

ファウラーさんはメディアの取材に対し「愛車を奪われた精神的な苦痛のみならず、盗まれていた間に何かが起きていた可能性もあるため、戻ってきたフェラーリについては各種の検査を経て修繕が行われた。こうした事件に巻き込まれると高級車としての価値はぐんと下がってしまう。起訴も含め私はこの事件で相当な金額を負担させられている。無責任な仕事をしていた彼らの責任を徹底的に追及し、損害賠償を求めたい」と話している。

同州のメディア『Tampa Bay Times』は、訴えられたのは「ザ・ヴィノイ・ルネッサンス~」とその親会社である「マリオット・インターナショナル」社。そしてバレーパーキングを運営していた「717 Parking Enterprise」社であると伝えている。原告は超ベテラン弁護士であり、各社の顧問弁護士も慌てているに違いない。

画像は『Tampa Bay Times 2018年1月25日付「Valet gave keys to $300,000 Ferrari to the wrong guy, lawsuit claims」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)

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