Infoseek 楽天

【海外発!Breaking News】不注意運転で後部座席の7歳孫が事故死 祖母「私が死ねばよかった」(北アイルランド)

TechinsightJapan 2018年1月31日 6時0分

運転には気を付けていたに違いない祖母がコントロールを失い、衝突事故で大切な孫を死なせてしまうという悲劇が2015年に起こった。このほどその裁判が行われ、実刑を免れた祖母は憔悴しきった姿で「私が死ねばよかった」と口にした。英メディア『Belfast Live』『Mirror』『The Sun』などが伝えている。

2015年12月26日、北アイルランドのニュータウンアビーで2人の孫を乗せて日産マイクラ(日本ではマーチ)を運転していたマーガレット・サンダース(73歳)は、2台の車と事故を起こし、当時7歳だったジャクソン・ターナー君を死亡させた。

事故発生は既に暗くなっていた午後6時~6時半の間とされており、雨は降っていなかったが道路は濡れていたという。きっかけとなったのは、マーガレットの車のサイドミラーが反対方向から走ってきたシトロエン・ピカソのサイドミラーに接触し、外れてしまったことだった。これがマーガレットのコントロールを失わせ、80cmほど車線を越えてしまったことで、対向車線を走る女性ドライバーの日産アルメーラと正面衝突した。

この衝撃でマーガレットの車は激しくスピンし、運転席の真後ろに座っていた孫のジャクソン君はシートベルトを装着していたものの、脊髄が2か所切断され意識不明でほぼ即死した。助手席に乗っていたジャクソン君の姉は、幸いにも無傷で難を逃れた。

マーガレットは脳内出血と骨盤骨折を含む多発骨折をしており、病院で5週間の治療を受けた。後に警察に対して「衝突時のことを覚えていない。覚えているのは病院で目覚めた時だけだ」と話している。マーガレットの車は事故後、検査されたが技術的な欠陥は見つかっておらず、また時速60マイル(時速96.5km)の速度制限がある道路で、マーガレットがどれほどのスピードを出していたのかは定かではないが、専門家は過度のスピードがこの事故の原因ではないという見方をしている。

自分の不注意運転で最愛の孫を亡くしたマーガレットの裁判は、1月26日にベルファスト刑事法院で行われた。パトリック・リトル弁護士はマーガレットの人となりについて、法廷でこのように述べた。

「被告は14歳の時に学校を辞め、その4日後から仕事を始めました。後に医療サービスの職に就いてからは6年前に退職するまで、30年以上地域のケアワーカーとして働き、夫と3人の娘、息子のいる家庭を支えるために仕事に励んできました。40年の運転歴を持つ被告ですが、これまで一度も裁判所を訪れたこともなく汚点の無い人生を送ってきたといえるでしょう。今回の事故はまったくもって大きな悲劇です。被告は不注意運転の罪を全面的に認め、深く反省し、『孫の代わりに自分が死ねばよかった』と話しています。この出来事は、ジャクソンの父である被告の息子や義理の娘など家族全員にたとえようもない悲しみを残す結果となってしまいました。」

あまりの不運な事故に裁判所の記録係も「何と言うべきかわからない」と口にした後、「ジャクソン君の両親は、この事故の影響がどれほど一家に大きな打撃を与えたかという記述書を残している。クリスマスの時期が来るたびに事故が蘇り、両親にとっては息子を、ジャクソン君の姉にとっては弟を失った悲しみが募ることは否めないようだ」と語った。

マクファーランド判事は「北アイルランドの道路では、不注意運転による事故または未遂事故が日常茶飯事に起こっている。大事故を起こしても軽傷で済む場合もあれば、軽度の事故が深刻な結果となる場合もある」と述べた上で、マーガレットの反省や後悔は正真正銘のものであるという点からも、実刑ではなく150時間の地域奉仕活動命令を下すだけに留まった。加えて12か月の免停期間を受けたマーガレットだが、再び運転を望むのであれば、再試験を受けなければならないという。

このニュースを知った人からは、「孫を死なせた罪を一生背負っていかなきゃならないのは悲劇としかいいようがない」「どんな運転者でもミスをしたことはあると思う。でもだいたいは些細なミスが事故にならずに済んでホッとする人も多いはず。この女性は飲酒運転もしていなければ、スピードの出しすぎでもなかったようだし、本当に純粋な過ちを犯して孫を亡くしてしまったのでしょうね。今回の判決は、正当だと思う」「家族によって家族の一員を失ってしまうことほど悲しいことはない」「実刑を免れたとはいえ、自分が引き起こした事実にきっと無期懲役のような気分になっているだろうね。気の毒としか言いようがない」「悲劇には違いないけれど、故意に引き起こした事故ではないとはいえやっぱり孫を死なせてしまったのだから、事実は変わらないしこの女性が悪いと思う」といった声があがっている。

画像は『Mirror 2018年1月26日付「Gran who killed her seven-year-old grandson in head-on horror crash walks free from court」(Image: Photopress Belfast)』『Belfast Live 2018年1月26日付「Granny given community service for crash which killed her grandson」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

この記事の関連ニュース