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【エンタがビタミン♪】『アンナチュラル』が“いじめ問題”にメス 猟奇殺人事件から思わぬ展開に

TechinsightJapan 2018年2月25日 11時39分

石原さとみ主演ドラマ『アンナチュラル』(TBS系)の第7話「殺人遊戯」が2月23日に放送された。主人公であるUDIラボの法医解剖医・三澄ミコト(石原)の義弟・三澄秋彦(小笠原海/超特急)が、講師を務める予備校に通う男子高校生から「法医学」に興味があると持ちかけられる。だが彼が約束の時間に現れなかったため、ミコトは秋彦を通して携帯番号を伝えた。

その高校1年の男子生徒からミコトにメールで届いたリンクを開くと、「殺人者S」と名乗る学生が自分が殺したという「Yくん」の遺体を映し「ミコト先生、Yくんの死因はなんでしょう?」と挑戦状を突き付けてきた。「殺人者S」の顔は赤いパプリカの画像で隠されており、軽いゲーム感覚で行う「殺人遊戯」の様相を呈す。

ところが、ミコトやUDIラボのメンバーたちが真相を追うに従い、「殺人者S」と「Yくん」は高校のクラスメート数人から日常的にいじめられていたことが分かる。しかも先生や他のクラスメートはいじめに薄々気づきながら何もしてくれない。

2人は密かに相談していじめの実態を訴え、復讐する方法を考えた。「Yくん」が刃物の上に自ら倒れて命を絶ちトリックで凶器を隠し、いじめ首謀者の男子生徒が携行していたナイフを凶器にすることで殺人犯に仕立てようというものだ。

しかし、途中で予定が狂い「Yくん」の自殺が無駄になってしまう。そこで「殺人者S」が「Yくん」の遺体を別の場所に移動して「殺人実況生中継」を行い復讐を継続しようとした。

ミコトがつきとめた真相を話したところで、「殺人者S」は配信映像に素顔を晒し自らナイフで死のうとする。

「あなたが死んで何になるの? あなたを苦しめた人の名前を遺書に残して、それが何? 彼らはきっと転校して名前を変えて新しい人生を生きていく。あなたの人生を奪ったことなんかすっかり忘れて。」

「あなたが命を差し出しても あなたの痛みはけっして彼らに届かない。それでも死ぬの? あなたの人生はあなたのものだよ」と呼びかけるミコトの言葉を聞いて、彼はライブ配信を止めた。

一方、UDIラボの中堂系(井浦新)、東海林夕子(市川実日子)、久部六郎(窪田正孝)は「殺人者S」が潜んでライブ配信を行っていた工事現場の空き部屋を見つけ出す。

サッシのガラスを割って突入した中堂は、ナイフを喉にあてて今にも死のうとする「殺人者S」と対峙した。

「Yは死んだ。僕だけが生きていていいのかな…」という彼に、中堂は「死んだ奴は答えてくれない。この先も、許されるように生きろ」と言い聞かせるのだった。

『アンナチュラル』はこれまでにも「長時間労働による過労死」や「自殺系サイト」さらには「最愛の人を殺されたことに対する“死の報復”」など重いテーマを事件の背景に据えている。

今回は学校の教師が「プロレスごっこのようなもの」といじめから目を背け、クラスメートもいじめを相談されながら「自分で先生に言いなさいよ」と突き放すリアルな実態が描かれた。

折しも同日放送のバラエティ番組『爆報!THEフライデー』に、ピーコがゲスト出演していた。世間がオネエタレントにまだ冷たかった頃、「おすぎとピーコ」に興味を持って可愛がってくれた恩人が永六輔さんである。

しかし、辛口コメントが注目された「おすぎとピーコ」だが、一方では批判もありメディア出演が減ってしまう。そんな時、永六輔さんが食事しながら「いいかい、君たちは炭鉱のカナリアになりなさい」と言い聞かせた。

炭鉱夫はカナリアが有毒ガスなど空気の変化を敏感に察知して鳴き叫んで知らせることから炭鉱に連れて入ったという。つまり「世の中のあらゆる変化に対して、勇気を出して声をあげ、みんなに知らせる存在になりなさい」というのだ。

“いじめ問題”にしても長年論じられながら「いじめはなくならないよ」という声さえ聞かれる。だが、今回の『アンナチュラル』のように何らかの形で「声をあげ続ける」ことを止めてはならない。

画像は『【公式】TBSドラマ『アンナチュラル』 2018年2月21日付Twitter「アンナチュラル、第7話はとある私立高校が舞台になる物語。」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

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