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【海外発!Breaking News】自死願望の女子高生に近づき教唆とほう助 男子高校生も終身刑か(米)

TechinsightJapan 2018年2月25日 20時46分

友人が自殺願望を打ち明けてきた時、「では望み通り死ぬといいよ」などと言って無責任にその背中を押してはならない。もしも自死の方法を指導したり手を貸してしまったら、あなたの人生も“終わり”となることを忘れてはならないのだ。米ユタ州で起きたある少女の自殺に関し、教唆、ほう助を認めた少年についての裁判が始まろうとしている。

ソルトレークシティのメディア『FOX 13 News』ほかが伝えたところによれば、ユタ郡スパニッシュ・フォークのジャンドラ・ブラウンさん(Jchandra Brown)という当時16歳の少女が自殺したのは2017年のこと。彼女が自死願望を示唆していたなか、当時17歳のティレル・プレジビーシエン(Tyerell Przybycien)が「よい方法を教える」として彼女に接近。ジャンドラさんは首吊り自殺を決行し、ティレルはその一部始終をスマートフォンで撮影していた。

ユタ郡保安官事務所はジャンドラさんの遺体をペイソン・キャニオンにあるメープル・レイク・キャンプ場近くで発見。木の枝に垂らしたロープで首を吊っており、現場検証中に現れたティレルは警察官にジャンドラさんの遺体のそばにある携帯電話を確認するよう促した。そこには自殺の一部始終を捉えた10分間ほどの動画データがあり、大きな石の上に立っているジャンドラさんはエアゾール缶のスプレーを吸入すると足元が崩れ、ロープに首が絞まり、帰らぬ人となっていた。

ティレルは悪びれることなく、警察にその動画を撮影したのは自分だと説明。自殺に使用されたロープ、エアゾール缶スプレーなどはティレルがクレジットカードで購入したもので、レシートも遺体のそばに置いてあった。こうしたことから自殺の教唆やほう助を疑い、警察はティレルの身柄を拘束。取り調べに対してティレルは「死というものに魅了され、誰かが死ぬのを見てみたかった。ジャンドラさんに自殺を踏みとどまるよう説得したり、首吊りを引き留めたりはしなかった」などと供述したという。

ティレルは友人に「自殺ほう助も立派な人助け。殺人とはまったく異なる」などと話していた。そのため彼の弁護士は2017年10月、死の責任を負うべきは被告ではなくジャンドラさん自身であるとし、被告に悪意がなかったことを強調。裁判に耐え得る精神状態ではないと主張したが、診断ののちに精神状態・責任能力ともに問題がないとみなされたことから、ジェームズ・ブレイディ判事はティレルに3月27日の予備審問への出廷を命じた。第一級殺人ほかの罪により起訴されたティレルは有罪判決が下った場合、メディアにもよるが懲役15年~終身刑、あるいは仮釈放なしの終身刑が言い渡されるであろうなどと伝えられている。

同様の事件は3年前に米マサチューセッツ州ブリストル郡のキングフィリップ地域高校(King Philip Regional High School)でも起きていた。SNSで「悲しい、寂しい」と綴っていた18歳の男子生徒コンラッド・ロイIII君に、ミシェル・カーターという女子生徒が近づいて「死になさい」と助言。それまでは残される家族の悲しみを想像して自殺をためらっていたコンラッド君であったが、ミシェルに促される形で決行。駐車場に停めた車の排気ガスで一酸化炭素中毒死を遂げた。友人に無責任にも死ぬよう促したミシェルが、裁判で断罪されたことは言うまでもない。

自殺を図るも一命をとりとめた経験者が、「最後のほんの一瞬に全身を射抜いたのは“死にたくない。本当はもっと生きたかった”という本音と強烈な後悔だった」と語ることがある。今の時代、苦しみや悩みを抱く者がSNSなどで「死にたい」と発信すると、ティレルのような者が興味本位で近づき自死行為を幇助しようとする可能性がある。しかし真に求められているのは心の悩みに向き合い、“早まってはいけない”“あなたが死んでしまったら悲しむ人々が大勢いる”と言って自死を引き留めようとする言葉なのだ。また相手の苦悩があまりにも難しく、自分では対応しきれないと感じた場合は「こころのホットライン」など無料で相談にのってくれる電話があることを教えてあげて欲しい。

画像は『FOX 13 News 2018年2月20日付「Teen accused of helping Utah girl hang herself found competent for trial」(Image by Mark Johnson, FOX 13 News)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)

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