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【海外発!Breaking News】巨大蜘蛛と勘違いされた生後6か月の赤ちゃん 踏み付けられ殺される(豪)

TechinsightJapan 2018年3月1日 10時0分

オーストラリアで2016年6月のある朝、赤ちゃんが母親の同棲相手に殺される事件が起きていた。逮捕・起訴から裁判まで被告の男は一貫して「眠っていたなか突然腹部に乗ってきたものを巨大な蜘蛛と勘違してしまった」と主張している。自然豊かなオーストラリアで民家に現れる大きな蜘蛛やヘビは大変恐れられており、こんな事件も起こり得るものかと世界のメディアが注目。しかし被告は事件の少し前に覚せい剤を使用していたこともわかってきた。『The West Australian』ほかが伝えている。

事件が起きたのは豪メルボルンのグレンロイという町で2016年6月26日朝8時頃のこと。ドウェイン・リンゼイ(34)が眠っていたなか、同棲中のミシェル・ディアリングさんの連れ子であるチャイス・ディアリング君(生後6か月)が腹の上に乗ってきたため、驚いて目を覚ましたドウェインはその体を激しく殴り、足で踏みつけたという。ミシェルさんは当日の朝4時からメリッサ・ジョーンさんら女友達2名と24時間営業のKマートに買い物に出かけていて不在であった。

ドウェインはそれが蜘蛛ではなくチャイス君であったことに気づき、呼吸をしていないことからミシェルさんに連絡。すぐに帰宅したミシェルさんに、ドウェインは「俺の胸元から転り落ちたチャイスがヒーターに頭を強打した」と説明した。チャイス君は搬送先の病院で2日後に死亡。鼻血を流して頸部に絞められたような跡もあり、重度の脳挫傷、性器の重傷、脊髄損傷などが確認され、司法解剖の結果もドウェインの主張と一致しないことから検察当局が捜査を開始し、ドウェインの逮捕・起訴に至った。

友人たちは警察に、ドウェインからの電話が8時22分に入り、その内容に激しいショックを受けたミシェルさんが崩壊寸前であったこと、ドウェインは救急車を要請しておらず通報をしたのはミシェルさんであったことなどを証言した。だが隣人は「チャイス君が搬送される前の夜、お隣からは何時間にもわたり言い争うような声が漏れていた」と証言しており、これについてミシェルさんは「その数日前の夜にプロポーズを受け、結婚の予定について2人で話し合っていた」と法廷で述べており、口論のように感じたという隣人の証言とは一致していない。

さらにその隣人は、ぐったりとして動かなくなっていたチャイス君をドウェインが起こそうと試みたとみられる朝8時頃、「Hey, you!」というドウェインの大声での呼びかけを60回ほど聞き、続いて彼の遠吠えのような変わった声を聞いたと証言。また通報により駆け付けた救急隊員は、部屋の床にドラッグの吸引器具やリチウム電池が転がっていることを確認していた。事件の数時間前にはミシェルさんと女友達、ドウェインの4名が、オーストラリアの人々が「アイス」と呼ぶメタンフェタミンによる強烈な覚せい剤を居間で吸入していたこともわかってきた。生後6か月の乳児がいながら覚せい剤に興じ、一緒に吸ったボーイフレンドに育児を任せて母親が外出することの是非についても焦点が集まっているようだ。

病院搬送後は行方をくらまし、まったく異なる土地で逮捕されていたドウェイン被告。ビクトリア州最高裁判所でついにその裁判が始まったが、チャイス君のまだ幼い体を激しく殴り踏みつけたことを認めるも、被告は一貫して「寝ぼけていて巨大な蜘蛛と勘違いした。蜘蛛にひどい恐怖心がある」などと主張している。

「クモを見ると恐怖で心臓が止まったかと思うほど動転してしまう」という人をクモ恐怖症(英名:Arachnophobia)と呼ぶ。脳の内側側頭葉の左扁桃体に原因があると言われているが、まだ完全には解明されていない。運転中に腕に小さなクモを見つけてパニックに陥り、車ごと湖に落下、ガソリンスタンドで給油中にクモを見つけ、思わずライターで火をつけ炎を吹き上げたという男性など、クモ恐怖症が発端となるアクシデントは世界中で頻発している。ドウェイン被告がこれであるかどうかはわかっていないが、本人が覚えたという異様な恐怖心が覚せい剤の影響という可能性は十分にありそうだ。裁判の行方に注目が集まっている。

画像は『Metro 2018年2月27日付「Man ‘killed six-month-old stepson after mistaking him for a spider’」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)

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