Infoseek 楽天

【海外発!Breaking News】ホエールウォッチングで寄ってきたクジラに…違法行為のツアー客に罰金刑か(米)<動画あり>

TechinsightJapan 2018年3月1日 15時6分

クジラを見つけては歓喜の声があがるホエールウォッチング・ツアー。チャンスをひたすら待ち、クジラとのツーショットを撮りたがる観光客も大勢いる。また静かに船に寄ってくるクジラがいたら…!? そんな時に禁忌とされる行為があることをご存じであろうか。『Miami Herald』などがホエールウォッチングにおける意外な罰則について紹介している。

違法行為があったのは、サンフランシスコから200kmほど北に位置するメンドシーノ郡フォートブラッグの港からホエールウォッチングのクルーザーを運行している「アンカー・チャーター・ボーツ(Anchor Charter Boats)」と、そのツアーに参加した客たち。クルーザーの脇腹に寄り添って泳ぐコククジラ(英名:Eschrichtius robustus /gray whale)に観光客が興奮し、自撮り棒を用いてクジラとのツーショットを試みる者、その背を撫でてみようと手を伸ばす者が続出。楽しそうな様子を撮影した動画を「アンカー~」社がFacebookのページに紹介し、批判が相次いで当局への通報となった。

理由は、海洋に生息する哺乳類に対してヒトが300フィート(91.4メートル)以内に近づくことを米・海洋哺乳類保護法が禁じているため。「生物多様性センター(Center for Biological Diversity)」のスティーブ・ジョーンズさんは、サンフランシスコのCBS系メディア『KPIX-TV』に「なんと恥知らずで卑劣な人々。これはホエールウォッチング・ツアー会社がとんだ違反行為を犯しているという証拠の映像ですよ。明るみに出た以上、彼らは2万5千ドルもの罰金刑に直面し、船を失う可能性すらあります」と怒りをあらわにしている。また観光客グループについても、それぞれ最高1万ドルの罰金刑と最高1年の懲役刑を言い渡される可能性があると指摘した。

しかしアンカー社の代表でクルーザーの船長でもあるリチャード・ソーントンさんは、『Lost Coast Outpost』や『USAトゥデイ』のインタビューに対し、このように答えている。

「今回はクジラの方から近づいてきたのです。もちろんクジラを痛めつけるような行為があった場合は論外ですが、参加したお客さんのなかにそういう悪い人はいませんでした。クジラが人間にとても従順でフレンドリーなことに皆さんとても驚いた様子で、一生に一度の貴重な経験ができたとしてツアーも評判でした。」

「ホエールウォッチングには適切な時間帯と場所というものがあり、私達はその通りクルージングしただけです。クジラは船にすっと寄ってきて1時間半ほど一緒にいましたが、愛玩犬がもっと撫でて欲しいと求めてくる、そんな感じでしたよ。」

アメリカ海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration)は『KPIX-TV』の取材に、「そのことについては把握しています。クジラを見つけた時に最もやってはならないこと、まさにその事例ですね」とするも、罰則などに関してはコメントを控えたもようだ。

ただしコククジラは最大で体長15メートル、体重が36トンにもなる。一旦怒りを感じれば、尾を激しく振ったり体当たりしてクルーザーを攻撃し、怪我人や死者が出る危険性があるということをツアー催行会社が軽視してはなるまい。危機管理の認識の甘いアンカー社に対しては何らかの行政指導が必要であろう。



画像は『Anchor Charter Boats 2018年2月25日付Facebook「Lots of footage from today’s whale on the Ambush.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)

この記事の関連ニュース