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【海外発!Breaking News】救急隊員の仕事を妨害 身勝手な駐車や嫌がらせメモで罰金刑も(英)

TechinsightJapan 2018年3月2日 21時1分

患者の命を一刻も早く救うために、日々懸命にその職務に尽くしている救急隊員。しかしイギリスではたびたび心無い市民により、その職務を妨害されてしまうことがあるようだ。このほどウェスト・ミッドランズ救急サービスの救急隊員が、自身のツイッターに怒りを吐露した。英メディア『Metro』『ITV』『The Sun』などが伝えている。

2月27日、ウェスト・ミッドランズ救急サービスの救急隊員が999通報を受けた現場に駆け付けた。一時停止のランプを点灯させたまま救急車を路肩に停め、隊員らは患者の対応に出向いた。ところが隊員が戻ってくると、前後に一般市民の車が駐車されており、救急車の後部ドアを開けてストレッチャーの出し入れをすることが困難となった。これにより、救急隊員は患者を病院へ搬送する時間が遅れてしまった。

この状況を写真とともにツイッターに投稿した救急隊員のサイモン・ウォンさんは、怒りのマークを添えて「市民の車が救急車を挟む形で前後の隙間なく駐車されていました。理由があるから、救急車の車体には『Keep Clear(車間距離を保ってください)』と記されてあるのです」と綴っている。

幸いにも市民の協力により車の持ち主が判明し、運転手が車を移動させたこともウォンさんは後にツイートしているが、運転手は「救急車の真後ろに停めることがそんなに問題だとは気付かなかった。身障者の身内を乗せていたので、ここに停めてもいいと思った」と話していたという。なお、その車のフロントガラスには身障者用のブルーバッジが置かれてあったようだ。とはいえ救急隊員にとって、急ぐ時に真後ろに車を駐車されることほど迷惑なことはない。

こうした救急隊員への職務妨害行為はつい最近も起こった。スタッフォードシャー州タンストールに暮らす無職のカースティー・シャーマン(26歳)は、自宅前に駐車した救急車に嫌がらせのメモを残した。

シャーマンは、999通報を受けた救急車が自宅そばにある身障者用駐車位置に一時停止した際、「私の家の前からこの車をどかせなさいよ」というメモを救急車に貼り付けた。近隣住民の話によるとシャーマンは車を持っておらず、自宅前に停める必要さえないにもかかわらずこのようなメモを残したようだ。この件でシャーマンは2月19日に公共の秩序を乱した罪で逮捕され拘留、20日にノース・スタッフォードシャーの裁判所へ出廷を求められ、罰金120ポンド(約17,500円)に加えて、裁判所費用135ポンド(約19,700円)と課徴金30ポンド(約4,400円)の支払いを命じられた。

法廷でシャーマンは自身の行いを謝罪したが、クリス・ラッシュトン判事は「全く持って卑劣な行為である」とシャーマンを厳しく糾弾した。ウェスト・ミッドランズ救急サービスのスポークスマンはこういった市民の迷惑行為について、このように話している。

「懸命に救助に奔走している我々スタッフに対して心無い行為をする人は、どんな小さな悪事であっても例外を許さず、厳しく罰する姿勢を持っています。救急隊員への妨害行為は許されるべきことではありません。直ちに止めてもらいたい。ほとんどの市民は我々の仕事に理解を示してくれていますが、我々が優先すべきことは患者を救うことです。それゆえ時には救急車を私道に駐車したり、他の車の通行を遮らなければならないこともあります。ですが、もしあなたの大切な人が救急車を必要としているのなら、治療や対応の遅れを少しでも減らすためにできるだけ近くに停めてほしいと思うことでしょう。昨年も我々はある市民から心無いメモを残されましたが、その出来事以来多くの市民からの温かいサポートを得ており、我々は非常に感謝しています。しかし悲しくも、27日には再び救急隊員がこのような出来事に遭遇してしまいました。一握りですが、狭い了見の身勝手な人は今でも存在しているのです。」

このニュースを知った人からは「障がい者バッジをつけていれば救急車の真後ろに停めてもいいと思うなんて、あまりにも愚かな運転手だ」「配慮のできない市民には呆れるね」「身勝手な市民に、救急隊員が怒りを覚えるのは当然だ」といった声があがっている。

画像は『Simon Wong 2018年2月27日付Twitter「Attended a 999 call.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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