スキーのリフト(チェアリフト)がまさかの暴走をみせ、降りる場所(ターミナル)まで進んでしまったスキーヤーは遠心力で激しく振り落とされた。考えるだけでも恐ろしいリフトの事故がジョージア(旧国名グルジア)で16日に発生し、その様子は動画やニュースで世界に伝えられている。事故の原因について様々な調査が必要と思われるなか、そのスキー場は事故直後から営業を再開していたもようだ。
恐ろしいリフトの逆走・暴走事故が起きたのはコーカサス山脈の一部で、ロシアとの国境付近に位置するジョージア・グダウリの「Gudauri Ski Resort」というスキー場。チェアリフト1基がある時から逆走して異常な高速に転じ、スキーヤーが次々と振り落とされ、猛スピードでターミナルを回転するとロープからはずれてしまったリフトが激しい音を立て次々と折り重なった。そこに衝突する方が危険だとして、人々は後続のリフトに座っているスキーヤーにある程度の低さまで来たら飛び降りるよう指示。悲鳴や怒号が飛び交う緊迫した現場の様子を捉えた動画はYouTubeにも多数投稿され、世界のメディアが大きく伝えた次第である。
その後、事故の原因に関しては「オペレーターがマシンを誤って逆回転させ、するといきなり通常の2倍の速度になった」との目撃情報があがってきたとして、ロシアのメディア『Pravda Report』は“人災の可能性が極めて高い”と報じている。また「停電が起きていた」との情報もあるようだ。ただしケーブルやブレーキの異常など様々な原因が考えられるため、このリゾートの開発にあたった「マウンテン・リゾート・デベロップメント・カンパニー(Mountain Resorts Development Company)」はスキーリフトを製造した「ドッペルマイヤー・ガラベンタ・グループ(Doppelmayr Garaventa group)」に連絡。詳しい原因について調べていると説明された。
なおジョージアのメディア『IPN/InterpressNews』によれば、第一副首相で経済・持続的発展大臣のディミトリ・クムシシヴィリ氏は病院に運ばれた負傷者を見舞っており、国外からさらなる調査団の派遣を検討中だという。また同スキー場を訪れている客の一人は「事故のあったリフト以外は平常通り運転されていて、ロープウェイなども快調。天候も良く誰もが楽しい休暇を過ごしていますよ」と話している。
一方でジョージアの内務省は「鉄道、船舶、航空、ケーブルカーなどの安全な運行を妨げたものを罰する刑法第275条に基づき、この事故を調査する」としていたが、リフト設置の責任者となる「マウンテン・リゾート・デベロップメント・カンパニー」はジョージアの国営企業である。人災との見方も強まっていることから、現場にはそれほどの緊迫感がないのかもしれない。謝罪にまた次のシーズンも来て欲しいという気持ちを添え、このたびの事故の負傷者には複合型大型リゾート・スパ施設「Gudauri Resort Residences&Spa」の無料利用券が配布されたという。
またダヴィト・セルゲエンコ労働・保健・社会保障大臣は当初負傷者の数を8名としていたが、最新情報では11名に改められ、国籍はスウェーデン人1名、ロシア人6名、ウクライナ人4名と発表されたことを『Georgia Today』が伝えている。
スキー場ではごくまれにこうした事故が発生している。3年前には米メイン州の「シュガーローフ・マウンテン・リゾート・スキー場」で多数の客を乗せたチェアリフトが1分間にわたり逆走。乗っていたスキーヤーのうち7名が次々と落下し、3名が病院に救急搬送されていた。
画像は『WDBJ7 2018年3月16日付「Ski-lift failure in Georgia sends people flying into the air」(CBS News/WTKR)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)
恐ろしいリフトの逆走・暴走事故が起きたのはコーカサス山脈の一部で、ロシアとの国境付近に位置するジョージア・グダウリの「Gudauri Ski Resort」というスキー場。チェアリフト1基がある時から逆走して異常な高速に転じ、スキーヤーが次々と振り落とされ、猛スピードでターミナルを回転するとロープからはずれてしまったリフトが激しい音を立て次々と折り重なった。そこに衝突する方が危険だとして、人々は後続のリフトに座っているスキーヤーにある程度の低さまで来たら飛び降りるよう指示。悲鳴や怒号が飛び交う緊迫した現場の様子を捉えた動画はYouTubeにも多数投稿され、世界のメディアが大きく伝えた次第である。
その後、事故の原因に関しては「オペレーターがマシンを誤って逆回転させ、するといきなり通常の2倍の速度になった」との目撃情報があがってきたとして、ロシアのメディア『Pravda Report』は“人災の可能性が極めて高い”と報じている。また「停電が起きていた」との情報もあるようだ。ただしケーブルやブレーキの異常など様々な原因が考えられるため、このリゾートの開発にあたった「マウンテン・リゾート・デベロップメント・カンパニー(Mountain Resorts Development Company)」はスキーリフトを製造した「ドッペルマイヤー・ガラベンタ・グループ(Doppelmayr Garaventa group)」に連絡。詳しい原因について調べていると説明された。
なおジョージアのメディア『IPN/InterpressNews』によれば、第一副首相で経済・持続的発展大臣のディミトリ・クムシシヴィリ氏は病院に運ばれた負傷者を見舞っており、国外からさらなる調査団の派遣を検討中だという。また同スキー場を訪れている客の一人は「事故のあったリフト以外は平常通り運転されていて、ロープウェイなども快調。天候も良く誰もが楽しい休暇を過ごしていますよ」と話している。
一方でジョージアの内務省は「鉄道、船舶、航空、ケーブルカーなどの安全な運行を妨げたものを罰する刑法第275条に基づき、この事故を調査する」としていたが、リフト設置の責任者となる「マウンテン・リゾート・デベロップメント・カンパニー」はジョージアの国営企業である。人災との見方も強まっていることから、現場にはそれほどの緊迫感がないのかもしれない。謝罪にまた次のシーズンも来て欲しいという気持ちを添え、このたびの事故の負傷者には複合型大型リゾート・スパ施設「Gudauri Resort Residences&Spa」の無料利用券が配布されたという。
またダヴィト・セルゲエンコ労働・保健・社会保障大臣は当初負傷者の数を8名としていたが、最新情報では11名に改められ、国籍はスウェーデン人1名、ロシア人6名、ウクライナ人4名と発表されたことを『Georgia Today』が伝えている。
スキー場ではごくまれにこうした事故が発生している。3年前には米メイン州の「シュガーローフ・マウンテン・リゾート・スキー場」で多数の客を乗せたチェアリフトが1分間にわたり逆走。乗っていたスキーヤーのうち7名が次々と落下し、3名が病院に救急搬送されていた。
画像は『WDBJ7 2018年3月16日付「Ski-lift failure in Georgia sends people flying into the air」(CBS News/WTKR)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)