速水もこみちが3月22日にTBS系で放送された『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』のロケ企画に出演した。雪が残る山形県の鶴岡駅前に降りた彼は、そこから移動して相談者の菜々絵さん(29歳)と対面する。彼女の父・阿部正道さん(60)は中学の校長をしており、36年間務めた教員生活を3月で定年退職するという。
正道さんは長い間、生活指導を担当して夜中でも連絡が来ると出動して家出した生徒を探し回る熱血教師だった。そのため自宅にはあまり居ることがなく、菜々絵さんは高校生時代そんな父に反発してひどいことを言ったり家に帰らない時期があった。
彼女はそのことを「父が教師を辞める前に謝りたい」と『モニタリング』に依頼してきたのだ。速水は父親の教師姿を見たことがないという菜々絵さんを連れて中学校に向かう。
まずはスタッフがニセ取材を申し入れて、校長先生である正道さんにインタビューした。「教員生活で一番楽しかった思い出は?」との問いに「ヤンチャな生徒を扱っていた教諭時代の頃が一番!」と答える正道さん。
「当時は大変だった。何回もダマされたし、ウソもつかれたし、約束も守られなかった。でも、中学時代にヤンチャしよった子も、人生の歩みの中で“これじゃいけないっ”て思い直して、まともになっている子もいるしね。終ってしまうと、あれが楽しい思い出だったかな」というのだ。
菜々絵さんはモニターで見ながら「こういう話は家で一度もしたことなかった」と涙ぐむ。さらに正道さんは「家族サービスはあまりした覚えはないな」と娘について話し、学校で生活指導を厳しくやっているから「家でも厳しく見ちゃうよね、あれはまずかった」「娘に対して失敗したなと思う」と明かした。
高校時代は反抗して家出を繰り返した娘に、「ぶつかることが多かったが、親の務めとしては“お前が自立するまでは支援はする”。どういう方向でも最後まで見捨てない、見捨てられないじゃないですか」との気持ちだったという。それを聞いた菜々絵さんは目に涙を溢れさせるのだった。
インタビューを終えた正道さんは授業の様子を見ようと体育館に向かい、卓球をしている生徒たちに「校長先生、やりませんか?」と声を掛けられる。卓球が得意らしく、容赦ないスマッシュを打つあたり熱血なところは残っているようだ。
速水もこみちは「カメラボーイ」に扮してそんな校長先生の貴重な姿をカメラで激写、卒業アルバムとは違う父親の姿に菜々絵さんも「家宝にします」と喜んだ。
体育館を出た速水ら一行は、正道さんの関係者から情報を聞き、教え子の恭平さん(34)を訪ねる。今では立派な社会人となった彼だが、当時は札付きのワルで中学3年生の時に家出した時期がある。
友達の家を転々としていると「ある家で、ドアを開けたら正道先生がいて“見つけたー!”と掴まれて中学校に連れ戻された」という。「ここで待ってろ!」と一室に入れられて「まずい、まずい」と不安に駆られていると、先生がコンビニ弁当やサンドイッチを買ってきて「腹減ってるだろう、食え!」「うまいか、そうか」とだけ言って出て行った。恭平さんはそんな出来事を振り返り、「自分に寄り添ってくれるような、心の中のことをきちんと言ってくれるような先生でした」という。
その後、正道さんの退職をサプライズで祝おうと、恭平さんを中心に教え子へ呼びかけたところ体育館には100名以上集まった。
教頭先生に「体育館の工事の相談」だと誘導されてやって来た正道さん。横断幕が落ちて教え子たちが現れると「えっ?」としばし事態を飲みこめない。一斉に「阿部先生、36年間お疲れさまでした!」と言われて「なに? どうなってんの?」「えらい懐かしいの~」と教え子たちの顔を見て嬉しそうである。
すっかり大人になった教え子の女性から「中学校のバレーボール部時代は怖くて、厳しくて、その時に先生から養ってもらった忍耐力を、今社会に出て役に立っていると思います」と言葉を送った。別の女性は「ルーズソックスをだいぶ狩られまして、それが一番の思い出で、社会人としてちゃんとやっていけるのも先生のおかげだと思っています」と涙ながらに話した。
やがて奥から娘の菜々絵さんが「お父さん」と出て来たので、正道さんは「お前もか?」とさらに驚く。
菜々絵さんは子どもの頃に父が家にいなかったので「私より学校の方が大事なのかな、寂しいなと思ったこともありました」と切り出し、「そんな忙しいなかでも 貴重な休みに一緒にセミを捕まえに行ってくれたね。それなのに“お父さんが学校の先生じゃなかったらよかったのに”とひどい言葉もたくさん言って悲しい思いをさせてしまったね」と続ける。そして「学校のことで忙しかったのに、私まで遠回りをして迷惑をかけてしまって本当にごめんなさい。いつも支えてくれて本当にありがとう」とようやく謝ることができた。
さらに、この日分かったことから「こんなにたくさんの教え子さんたちに教員生活最後を祝ってもらえるお父さんを、本当に心から尊敬しています」「お父さんは世界一の先生であり世界一のお父さんです」との思いを伝えたのである。
正道さんは感動から言葉にならないなか、皆に向けて「よかったな…忙しいなかわざわざ来てくれてありがとう…良い思い出です」と礼を述べた。
スタジオでVTRを見た速水もこみちは、目を赤くしながら「サプライズなのに、ああいう形であれだけの人が集まることはなかなかない」との趣旨で振り返り、「そういうところで正道先生の人間性というか、温かさをすごく感じましたね」とコメントした。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)
正道さんは長い間、生活指導を担当して夜中でも連絡が来ると出動して家出した生徒を探し回る熱血教師だった。そのため自宅にはあまり居ることがなく、菜々絵さんは高校生時代そんな父に反発してひどいことを言ったり家に帰らない時期があった。
彼女はそのことを「父が教師を辞める前に謝りたい」と『モニタリング』に依頼してきたのだ。速水は父親の教師姿を見たことがないという菜々絵さんを連れて中学校に向かう。
まずはスタッフがニセ取材を申し入れて、校長先生である正道さんにインタビューした。「教員生活で一番楽しかった思い出は?」との問いに「ヤンチャな生徒を扱っていた教諭時代の頃が一番!」と答える正道さん。
「当時は大変だった。何回もダマされたし、ウソもつかれたし、約束も守られなかった。でも、中学時代にヤンチャしよった子も、人生の歩みの中で“これじゃいけないっ”て思い直して、まともになっている子もいるしね。終ってしまうと、あれが楽しい思い出だったかな」というのだ。
菜々絵さんはモニターで見ながら「こういう話は家で一度もしたことなかった」と涙ぐむ。さらに正道さんは「家族サービスはあまりした覚えはないな」と娘について話し、学校で生活指導を厳しくやっているから「家でも厳しく見ちゃうよね、あれはまずかった」「娘に対して失敗したなと思う」と明かした。
高校時代は反抗して家出を繰り返した娘に、「ぶつかることが多かったが、親の務めとしては“お前が自立するまでは支援はする”。どういう方向でも最後まで見捨てない、見捨てられないじゃないですか」との気持ちだったという。それを聞いた菜々絵さんは目に涙を溢れさせるのだった。
インタビューを終えた正道さんは授業の様子を見ようと体育館に向かい、卓球をしている生徒たちに「校長先生、やりませんか?」と声を掛けられる。卓球が得意らしく、容赦ないスマッシュを打つあたり熱血なところは残っているようだ。
速水もこみちは「カメラボーイ」に扮してそんな校長先生の貴重な姿をカメラで激写、卒業アルバムとは違う父親の姿に菜々絵さんも「家宝にします」と喜んだ。
体育館を出た速水ら一行は、正道さんの関係者から情報を聞き、教え子の恭平さん(34)を訪ねる。今では立派な社会人となった彼だが、当時は札付きのワルで中学3年生の時に家出した時期がある。
友達の家を転々としていると「ある家で、ドアを開けたら正道先生がいて“見つけたー!”と掴まれて中学校に連れ戻された」という。「ここで待ってろ!」と一室に入れられて「まずい、まずい」と不安に駆られていると、先生がコンビニ弁当やサンドイッチを買ってきて「腹減ってるだろう、食え!」「うまいか、そうか」とだけ言って出て行った。恭平さんはそんな出来事を振り返り、「自分に寄り添ってくれるような、心の中のことをきちんと言ってくれるような先生でした」という。
その後、正道さんの退職をサプライズで祝おうと、恭平さんを中心に教え子へ呼びかけたところ体育館には100名以上集まった。
教頭先生に「体育館の工事の相談」だと誘導されてやって来た正道さん。横断幕が落ちて教え子たちが現れると「えっ?」としばし事態を飲みこめない。一斉に「阿部先生、36年間お疲れさまでした!」と言われて「なに? どうなってんの?」「えらい懐かしいの~」と教え子たちの顔を見て嬉しそうである。
すっかり大人になった教え子の女性から「中学校のバレーボール部時代は怖くて、厳しくて、その時に先生から養ってもらった忍耐力を、今社会に出て役に立っていると思います」と言葉を送った。別の女性は「ルーズソックスをだいぶ狩られまして、それが一番の思い出で、社会人としてちゃんとやっていけるのも先生のおかげだと思っています」と涙ながらに話した。
やがて奥から娘の菜々絵さんが「お父さん」と出て来たので、正道さんは「お前もか?」とさらに驚く。
菜々絵さんは子どもの頃に父が家にいなかったので「私より学校の方が大事なのかな、寂しいなと思ったこともありました」と切り出し、「そんな忙しいなかでも 貴重な休みに一緒にセミを捕まえに行ってくれたね。それなのに“お父さんが学校の先生じゃなかったらよかったのに”とひどい言葉もたくさん言って悲しい思いをさせてしまったね」と続ける。そして「学校のことで忙しかったのに、私まで遠回りをして迷惑をかけてしまって本当にごめんなさい。いつも支えてくれて本当にありがとう」とようやく謝ることができた。
さらに、この日分かったことから「こんなにたくさんの教え子さんたちに教員生活最後を祝ってもらえるお父さんを、本当に心から尊敬しています」「お父さんは世界一の先生であり世界一のお父さんです」との思いを伝えたのである。
正道さんは感動から言葉にならないなか、皆に向けて「よかったな…忙しいなかわざわざ来てくれてありがとう…良い思い出です」と礼を述べた。
スタジオでVTRを見た速水もこみちは、目を赤くしながら「サプライズなのに、ああいう形であれだけの人が集まることはなかなかない」との趣旨で振り返り、「そういうところで正道先生の人間性というか、温かさをすごく感じましたね」とコメントした。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)