行方不明になり、死んだと思っていた猫が14年ぶりに飼い主のもとに戻るという奇跡が起こった。このほど米フロリダ州で、ハリケーン時に行方がわからなくなって姿を消した猫が発見された。飼い主との再会を可能にしたのは、猫に埋め込まれたマイクロチップだった。『Today』『WPTV-TV』などが伝えている。
フロリダ州フォートピアスに住む元K9(警察犬)ハンドラーのペリー・マーティンさんは、2002年に茶トラ猫の“Thomas Jr.(トーマスジュニア)”、通称“T2”を飼い始めた。野良猫だったT2を動物病院へ連れて行き、予防注射をしてマイクロチップを埋め込んだ。ところが2004年にハリケーン“ジーン”が襲来し、フォートピアスを直撃した。フォートピアスから南に32kmほど離れた場所にあるスチュアートの友人宅にT2と避難していたペリーさんは、開いていた窓からT2が出て行ったことに気付いた。
ペリーさんと友人、近隣住民らは何か月もT2の行方を探した。動物管理局がT2を見つけてマイクロチップの情報から飼い主がわかり自分のところに連絡がくるかもしれないという思いから、ペリーさんは動物愛護協会へもT2の行方不明を伝えて連絡を待っていた。しかしその行方は全くわからず、かかりつけの獣医でさえT2は死んだものとみなすようになり、ペリーさん自身も高速の近くで撥ねられて死んでしまったのではと思うようになった。
ところが14年経った今年3月5日、スチュアートに住むワズワースさん一家の玄関先にT2が突然現れた。リサ・ワズワースさん(47歳)とローレンちゃん(13歳)、クイン君(11歳)は、その猫が家の中に入ろうとしていた仕草を見て、「前は飼い猫だったのでは」とすぐに気付いたという。子供たちは猫を家の中に入れて餌を与え、お風呂に入れてノミ取りまでした。
「猫の体はノミだらけで、痩せ細って歩き方もいびつでした。でも人の愛情を欲しがっていることが分かったのです。お風呂に入れても逃げたり暴れたりせず、じっとしていました。」
既に犬を飼っていたワズワースさん一家は、猫を飼うことができなかった。そこで「先に動物病院へ連れて行った方がいいよ。僕がお金を払うから」とクイン君が主張したことで一家は猫を動物病院へ連れて行ったが、そこで獣医師が猫のマイクロチップの情報を読み取ると、16年前に埋め込まれていたものであることが分かったのだ。
その後、獣医師はトレジャーコーストの動物愛護協会に連絡しT2を預けた。トレジャーコースト動物愛護協会では、チップ内の情報でペリーさんの過去の電話番号しかわからず、追跡するのに手間取ったという。しかしついに、ペリーさんの連絡先がわかったのである。
3月9日、T2にマイクロチップを埋め込んだ動物病院から連絡を受けたペリーさんは「もしT2が生きていたと言ったら、どうしますか」と尋ねられて驚いたが、「それはクレイジーですよ。だってT2はもうずっと前に亡くなっているはずですから」と答えた。しかしT2は18歳になっても生きていたのである。その3日後、ペリーさんは車で40分の距離にある施設まで会いに行った。
「籠に入って横たわっていた猫を見て、すぐにT2だとわかりました。T2を抱きしめた瞬間、喜びが沸き上がってきました。私とT2の絆が、今回の再会という奇跡を運んでくれたのです。」
T2が飼い主のもとへ戻ったという知らせを受けたワズワースさん一家も、「まるでおとぎ話のようなハッピーエンディングですね。あの猫、仔猫だと思っていたのですがそんなに高齢だったなんて」と驚きと喜びを露わにした。
ペリーさんは「恐らくT2はどこかで飼われていたのでしょう。14年間も野良で、事故にも遭わず動物管理局員にも見つからず生き続けることは困難でしょうから」と言う。トレジャーコースト動物愛護協会の里親ケアマネージャー、ディードリー・ハフマンさんは「T2のストーリーが他のペットの飼い主をインスパイアできれば。マイクロチップを埋め込んで情報を更新さえしていれば、どんなに長い間行方不明になっていても愛するペットと再会することが可能になるのです」と話している。なお、アメリカ国内では飼い猫のほとんどがマイクロチップを埋め込まれておらず、離れ離れになってしまった時に飼い主と再会できるのはわずか2%だという。ちなみに犬の場合は20%とのことだ。
現在、1歳のゴールデン・レトリバー“サッシー”を飼っているペリーさんは、「T2は餌も食べて元気にしていますよ。残り少ない余生、思いきり甘やかしてあげたいですね。以前していたように」と語っており、14年ぶりに我が家に戻って来た“旧友”との日々を大切に過ごしているという。
画像は『Today 2018年3月27日付「Missing cat reunites with owner after 14 years in ‘fairy tale’ ending」(Courtesy Of Doreen Poreba)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
フロリダ州フォートピアスに住む元K9(警察犬)ハンドラーのペリー・マーティンさんは、2002年に茶トラ猫の“Thomas Jr.(トーマスジュニア)”、通称“T2”を飼い始めた。野良猫だったT2を動物病院へ連れて行き、予防注射をしてマイクロチップを埋め込んだ。ところが2004年にハリケーン“ジーン”が襲来し、フォートピアスを直撃した。フォートピアスから南に32kmほど離れた場所にあるスチュアートの友人宅にT2と避難していたペリーさんは、開いていた窓からT2が出て行ったことに気付いた。
ペリーさんと友人、近隣住民らは何か月もT2の行方を探した。動物管理局がT2を見つけてマイクロチップの情報から飼い主がわかり自分のところに連絡がくるかもしれないという思いから、ペリーさんは動物愛護協会へもT2の行方不明を伝えて連絡を待っていた。しかしその行方は全くわからず、かかりつけの獣医でさえT2は死んだものとみなすようになり、ペリーさん自身も高速の近くで撥ねられて死んでしまったのではと思うようになった。
ところが14年経った今年3月5日、スチュアートに住むワズワースさん一家の玄関先にT2が突然現れた。リサ・ワズワースさん(47歳)とローレンちゃん(13歳)、クイン君(11歳)は、その猫が家の中に入ろうとしていた仕草を見て、「前は飼い猫だったのでは」とすぐに気付いたという。子供たちは猫を家の中に入れて餌を与え、お風呂に入れてノミ取りまでした。
「猫の体はノミだらけで、痩せ細って歩き方もいびつでした。でも人の愛情を欲しがっていることが分かったのです。お風呂に入れても逃げたり暴れたりせず、じっとしていました。」
既に犬を飼っていたワズワースさん一家は、猫を飼うことができなかった。そこで「先に動物病院へ連れて行った方がいいよ。僕がお金を払うから」とクイン君が主張したことで一家は猫を動物病院へ連れて行ったが、そこで獣医師が猫のマイクロチップの情報を読み取ると、16年前に埋め込まれていたものであることが分かったのだ。
その後、獣医師はトレジャーコーストの動物愛護協会に連絡しT2を預けた。トレジャーコースト動物愛護協会では、チップ内の情報でペリーさんの過去の電話番号しかわからず、追跡するのに手間取ったという。しかしついに、ペリーさんの連絡先がわかったのである。
3月9日、T2にマイクロチップを埋め込んだ動物病院から連絡を受けたペリーさんは「もしT2が生きていたと言ったら、どうしますか」と尋ねられて驚いたが、「それはクレイジーですよ。だってT2はもうずっと前に亡くなっているはずですから」と答えた。しかしT2は18歳になっても生きていたのである。その3日後、ペリーさんは車で40分の距離にある施設まで会いに行った。
「籠に入って横たわっていた猫を見て、すぐにT2だとわかりました。T2を抱きしめた瞬間、喜びが沸き上がってきました。私とT2の絆が、今回の再会という奇跡を運んでくれたのです。」
T2が飼い主のもとへ戻ったという知らせを受けたワズワースさん一家も、「まるでおとぎ話のようなハッピーエンディングですね。あの猫、仔猫だと思っていたのですがそんなに高齢だったなんて」と驚きと喜びを露わにした。
ペリーさんは「恐らくT2はどこかで飼われていたのでしょう。14年間も野良で、事故にも遭わず動物管理局員にも見つからず生き続けることは困難でしょうから」と言う。トレジャーコースト動物愛護協会の里親ケアマネージャー、ディードリー・ハフマンさんは「T2のストーリーが他のペットの飼い主をインスパイアできれば。マイクロチップを埋め込んで情報を更新さえしていれば、どんなに長い間行方不明になっていても愛するペットと再会することが可能になるのです」と話している。なお、アメリカ国内では飼い猫のほとんどがマイクロチップを埋め込まれておらず、離れ離れになってしまった時に飼い主と再会できるのはわずか2%だという。ちなみに犬の場合は20%とのことだ。
現在、1歳のゴールデン・レトリバー“サッシー”を飼っているペリーさんは、「T2は餌も食べて元気にしていますよ。残り少ない余生、思いきり甘やかしてあげたいですね。以前していたように」と語っており、14年ぶりに我が家に戻って来た“旧友”との日々を大切に過ごしているという。
画像は『Today 2018年3月27日付「Missing cat reunites with owner after 14 years in ‘fairy tale’ ending」(Courtesy Of Doreen Poreba)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)