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【海外発!Breaking News】「シベリアってどこだろう」 Google Mapにも現れず世界の人々がキョトン!

TechinsightJapan 2018年3月29日 17時1分

広大なロシアについて、モスクワ、サンクトペテルブルク、クレムリンなどは有名だが「それ以外の土地の名前はどうもわからない」という人々は多い。ロシア・ケメロヴォ州のケメロヴォにあるショッピングセンター「Zimnyaya Vishnya」で大火災が起き、大変な数の犠牲者が出たことを先にお伝えしていたが、欧米の大手メディアですら第一報ではその店について“Zimnyaya Vishnya shopping centre in Kemerovo, Siberia”などと報じていたほど。欧米のメディアがロシアではなく“シベリア”を使用することはこれまでも多々あったが…。

シベリアトラ、シベリアンハスキー、シベリア警察、シベリア鉄道、シベリアのメディア、シベリア抑留など、それは普遍的なものとして使用されてきた“シベリア”という言葉。しかし地理の専門家はともかく、正しく「シベリアとはここ(このあたり)」と言い当てられる人は世界にどれほどいるのであろうか。

そんななか、先の大火災のニュースで“シベリア・ケメロヴォ州のショッピングセンター”と伝えていたメディアのひとつである英『Metro』が出した答えは、“シベリアとは国名でも旧ソビエト連邦から独立した共和国でもなく、途方もなく広大な地域を差す。具体的には中央ロシア、南ロシア南部、北西ロシア、極東ロシア、そして沿ヴォルガ・ウラル軍管区以外の部分である”というもので、どこか釈然としない。

海外の土地名について確認が必要になった時、記者が頻繁にお世話になるのはおなじみの『Google Map』である。だがそこに「Siberia」と入力して検索してみるものの、実はこんな地図しか表示されなかった。日本語で「シベリア」、あるいはもう少し詳しく「シベリア連邦管区」、そしてロシア語で「Сибир」と入力しても同様に範囲が指定されなかったのだ。

その記事によれば、シベリアと呼ばれる地域の総面積は約510万平方マイル(約1320万平方キロメートル)。ロシア全土の77%を占めるが、そこに暮らす人々の数はわずか4,000万人だとしている。面積の65%は永久凍土(少なくとも冬期2シーズンとその間の夏期1シーズンにわたり凍結したままの土壌)と呼ばれる土地で、世界で最も寒さが厳しい都市第1位のノリリスク(ロシア・クラスノヤルスク地方)は北極圏内で、2位のヤクーツク(サハ共和国)は北極圏のすぐ南に位置し、冬の平均気温はマイナス25度前後。北西シベリアのネネツやハンティ、マンシ等の北方諸族はトナカイの毛皮を多用する暮らしを営んでいるそうだ。

シベリアでは旧ソ連時代、刑務所ばかりか強制収容所が各地に多数建設された。第二次世界大戦の終戦で投降した約57万5千人にものぼる日本軍の捕虜たちが多数そこに送られ、隔離されて奴隷のような強制労働を強いられた悪名高い「シベリア抑留」の歴史がある。そんなシベリアの“首都”とされる最大の都市がノヴォシビルスク州の州都ノヴォシビルスク。人口は国内第3位で160万人だという。

また原始人の時代とされた何万年~何十万年前のものとみられる永久凍土から氷漬けのままのミイラ遺体、骨、指、動物の死骸、ウイルスなどが多々発見されていることから、シベリアは古生物学、人類学、医学の研究者にとって宝の眠る山。多数の研究者が様々な調査を行っているという。

画像は『(C)2018 Google、INEGI「maps/place/Siberia」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)

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