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【海外発!Breaking News】BMWのドアにはさまれ親指を切断 自閉式ドア「SCAD」搭載の危険性(米)

TechinsightJapan 2018年4月1日 5時1分

日本の国民生活センターが衝突被害軽減ブレーキ(通称:自動ブレーキ)などのシステムを搭載した先進安全自動車について、「過信は禁物。あわや事故というケースも」と警鐘を鳴らしたかと思ったら、米アリゾナ州では3月18日夜、配車サービス「米ウーバーテクノロジーズ」が試験運行していた自動運転車について、道路を渡ろうとしていた女性歩行者の姿が突然視界に入るも、減速することもなくはねて死なせるという重大な事故が起きてしまった。何もかもコンピュータ任せにしてよいはずがないとの意見が噴出しているが、BMW車ではこんな事故も起きていたようだ。

「7万ドルもするBMWに親指を切断されてしまいましたよ…。」

米ニューヨーク州ロングアイランド在住のソフトウェアエンジニアのゴッドウィン・ボーテングさん(61)は『New York Post』の取材に応じ、義指をはめた右手の親指を見せながらこう話し始めた。2016年7月6日、友人との夕食にBMWのSUV「BMW X5」で出かけた際、その車に搭載されている“SCAD(Soft Closing Automatic Doors)”という装置のせいで右手親指の半分から先を失ってしまった。車体とのすき間が30cmになるまでドアが閉じられるとその装置が働き、極めて静かに、しかし強力なパワーで最後までしっかりとドアが閉まる仕組みだ。

車通りの激しい場所で車を停め、外に出ようとしたその時のボーテングさん。ドアをわずかに開いた状態で運転席の後ろ付近に立ち、右手はドアのふちにわずかに触れていた。ところがSCADが作動して電動でドアが閉まり、彼の親指は容赦なく切断されてしまった。激しい痛みと出血に耐えながらボーテングさんは親指を拾って病院へ急行。しかし外科医から「接合手術は難しい」と告げられたという。

患部には2度の手術が行われたが強い痛みをいまだに感じるというボーテングさんは、ブルックリン連邦地方裁判所にて独BMW社を相手に1,350万ドル(約14.3億円)の損害賠償を請求する訴えを起こした。仕事においては人々の視線が嫌でプレゼンテーションに自信が持てなくなり、タイピングも思うようにいかなくなった。何よりシャツのボタンをはめたり、靴のヒモを結んだりといった簡単な作業すら困難になったためだ。

ボーテングさんばかりではない。同様の事故で3名の被害者が出ているカリフォルニア州では、BMW社に対する集団訴訟が起きているという。ボーテングさんが雇ったアヴィ・コーヘン弁護士が「BMW X5のドアはまるでギロチン。センサーに欠陥があることを認めていながら顧客に何ら警告しなかった責任は重い」と怒りをあらわにする一方で、BMW社は「故障ではない」として責任は負いかねるとの強気の姿勢をみせているもようだ。

大変便利なオートマチック・エンジンスターターですら怖い事故の話題が報じられたことがある。今からちょうど2年前、コルベット(シボレー)のスポーツカーがその誤作動により急発進して女性をひくという事故がNYマンハッタンで起きていた。

また昨年12月には、インディアナ州でSUV車の後部座席で1歳女児が折りたたまれた電動式シートに全身をはさまれて死亡する事故が発生していた。操作を行ったのは母親で、一瞬の判断ミスであった。親類の引越しの手伝いで荷物をたくさん積めるようにと3列目のシートを折りたたんだが、小さな娘がその席に眠っていることに気づかないままボタンを押してしまった。手動であれば必ず座席を確認したものと思われる。

画像は『New York Post 2018年3月25日付「My $70K BMW cut off my thumb」(Brigitte Stelzer)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)

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