英語で「Fワード」という俗語と並んで人を不快にさせる言葉に、黒人への差別用語で“nigger”を指す「Nワード」というものがある。これは南アフリカではアフリカーンス語の「Kワード」、つまり“Kaffir”のことで黒人を侮蔑する決して使ってはいけない言葉だ。そのKワードを48回も使用した女が先月末、ランドバーグ治安判事裁判所にて懲役刑を言い渡された。差別用語を使用したことで有罪判決が下された初めてのケースとして注目されている。
2016年6月18日夜、不動産会社勤務のビッキ・モンバーグ(49)は信号や渋滞で一時停止している車の窓ガラスを割って車内の物を盗む「スマッシュ・アンド・グラブ(smash and grab)」の被害に遭った。
突然自分の身に降りかかった不幸や、警察の到着まで時間がかかったことなどで怒りが爆発したのだろう。モンバーグは駆けつけた黒人警察官に向かって「傲慢、使えない、バカ」といった言葉を、Kワードとともに言い放った。この時モンバーグが発したKワードは48回にも及び、白人の警察官が「同僚を侮辱しないでください」「私たちはあなたを助けるためにここに来たのです」などと彼女をたしなめたものの、怒りは全くおさまらなかった。
その後「ヨハネスブルグの黒人にはうんざりだ」など執拗にこの警察官を侮辱し続けるモンバーグの姿を撮影した動画が拡散して物議を醸し、ついには裁判沙汰になっていた。
2017年6月、モンバーグは差別用語を浴びせた警察官に対して、10万ランド(約90万円)の支払いをするよう命じられた。さらに5か月後の11月、モンバーグは4件の「他人の尊厳を傷つける人権侵害の罪」で有罪を宣告され、今年3月28日に懲役3年、執行猶予1年の判決が言い渡された。“人を侮辱する言葉を使った”という理由で懲役刑となったケースは、南アフリカ国内では初めてのことである。
裁判長のプラビーナ・ラフーナンダン氏は、「職務をきちんと全うしている警察官に対して差別的発言をしたモンバーグの行為は悪意があったとしか思えない」としたうえで、「お互いを尊重し合うということは、全ての人間にとって極めて重要で神聖な行為である。本件は異例の裁判として注目を集めており、今回の判決が厳しすぎるという人もいるだろうが、Kワードを軽率に使っている人への警告でもある」と読み上げた。
画像は『eNCA 2018年4月3日付「Jail time for Vicki Momberg sets new precedent」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)
2016年6月18日夜、不動産会社勤務のビッキ・モンバーグ(49)は信号や渋滞で一時停止している車の窓ガラスを割って車内の物を盗む「スマッシュ・アンド・グラブ(smash and grab)」の被害に遭った。
突然自分の身に降りかかった不幸や、警察の到着まで時間がかかったことなどで怒りが爆発したのだろう。モンバーグは駆けつけた黒人警察官に向かって「傲慢、使えない、バカ」といった言葉を、Kワードとともに言い放った。この時モンバーグが発したKワードは48回にも及び、白人の警察官が「同僚を侮辱しないでください」「私たちはあなたを助けるためにここに来たのです」などと彼女をたしなめたものの、怒りは全くおさまらなかった。
その後「ヨハネスブルグの黒人にはうんざりだ」など執拗にこの警察官を侮辱し続けるモンバーグの姿を撮影した動画が拡散して物議を醸し、ついには裁判沙汰になっていた。
2017年6月、モンバーグは差別用語を浴びせた警察官に対して、10万ランド(約90万円)の支払いをするよう命じられた。さらに5か月後の11月、モンバーグは4件の「他人の尊厳を傷つける人権侵害の罪」で有罪を宣告され、今年3月28日に懲役3年、執行猶予1年の判決が言い渡された。“人を侮辱する言葉を使った”という理由で懲役刑となったケースは、南アフリカ国内では初めてのことである。
裁判長のプラビーナ・ラフーナンダン氏は、「職務をきちんと全うしている警察官に対して差別的発言をしたモンバーグの行為は悪意があったとしか思えない」としたうえで、「お互いを尊重し合うということは、全ての人間にとって極めて重要で神聖な行為である。本件は異例の裁判として注目を集めており、今回の判決が厳しすぎるという人もいるだろうが、Kワードを軽率に使っている人への警告でもある」と読み上げた。
画像は『eNCA 2018年4月3日付「Jail time for Vicki Momberg sets new precedent」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)